休校と休講でわかったこと
新型コロナウィルスの感染拡大による休校が続く中、3月14日(土)には増進堂 受験研究社さんとジョイントで、休校中の家庭お学習に関するオンラインのセミナーを行いました。
また18日(水)には主任相談員を務めさせていただいている「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」主催の「少人数相談会」に参加しました。
その中で当のご家庭のお父さん、お母さんたちから様々なお話を聞きましたが、非常に興味深いことや発見、気付きがあったように思います。
ここでは、そんな発見や気づきについてお伝えしたいと思います。
まず、子どもたちが学校に通って得ているもの、学校という存在の大きさについて気づいたというお話が多かったこと。
ふだんから学童などを利用しているご家庭と違って、学校と塾がお子さんの日常の中心だったご家庭にとって、急な休校だからといって急に学童を利用できた家庭は多くなかったようです。
特に共働きでふだんからスケジュールのやりくりに苦心されているご家庭は、この休校に加えて塾の休講は本当に試練でした。
なんとか親子で1日のスケジュールを決め、家で待つお子さんとのコミュニケーションの手段としてスマホなどのツールを駆使し、また親は1時間の昼休憩まで返上して急いで帰宅する、というご家庭も珍しくありません。
そんな生活の中で、あらためて学校や塾がある日常の生活の大切さを感じたご家庭が多かったようです。
中学受験を目指す子どもたちは、ふだんは朝から午後にかけて学校で過ごし、週のうち何日かは夕方から塾の授業へと出かけます。
学校ではもちろんいろんな授業を受けるわけですが、その中で先生や友達などたくさんの人達とコミュニケーションをとっています。
塾でも、講師や友達とのコミュニケーションはお子さんの刺激にもなり、楽しみでもあるでしょう。
塾の授業は再開されましたが、今週末の外出自粛要請をうけて、関西や首都圏の塾の一部は再度休講の措置をとっています。
学校は新学年から開校の予定で動いていますが、全国的に感染者数が増加し続けている現状では、もしかしたら引き続き休校となるかもしれません。
当たり前のように毎日通っていた学校に行けなくなること、毎週通っていた塾の授業が休講になることは、お子さんにとっても親御さんにとっても、ある意味かなりのストレスではないでしょうか。
もちろん最も大切なのはお子さん、ご家族の健康であり、体を壊してしまっては勉強もままなりません。
でも、この不安定な学習環境がいつまで続くのか、そんな事を考えて不安にならない親御さんはいないと思います。
一方で、この長いお休みで気づいたことがあったという声もたくさんお聞きしました。
塾が休みになったことで、あらためて親子で過去に習ったことを復習してみて、塾の授業を理解できていないことに気づいた、というご家庭もありました。
また、塾の授業が二週間のあいだ映像授業になったことで「映像授業だと、わかりにくかったんじゃないですか?」と聞くと、なんと「ふだんよりよくわかった」という声もありました。
驚いて詳しく聞いてみると、「ふだんの授業ではノートをとる余裕がほとんどなかったけど、映像授業は途中で『止められる』ので、はじめてちゃんとノートを取りながら勉強できた」とのことでした。
塾の授業は「双方向のコミュニケーション」と謳っているところが多いのですが、現実は一部のお子さんを除いて「途中で止められない一方通行のコミュニケーション」であることが多いということも、このような状況になってあらためて気づくことができたことでしょう。
休講期間に、塾での授業の受け方を見直したというご家庭も多かったようです。
感染症による影響が、まだしばらくは続きそうです。
お子さんにとってもご家庭にとっても大変な試練だと思いますが、なんとかピンチをチャンスに変えて乗り切っていきたいですね。
僕も週1本くらいのペースで、お子さんたちに役立ててもらえる動画を配信していきたいと思います。
先週公開の動画は「カレーライスの法則」です。
(拙著「中学受験 すらすら解ける魔法ワザ 理科」を題材にしています)
https://www.e-juken.jp/benkyo/neutralization-curry.html#gotop