言葉にすることの大切さ
「あ、わかった。」
「ほんと?」
「うん、答えは2でしょ。」
「うん、そうだけど、ほんとにわかったの?」
「ほんとだよ。うるさいなぁ。もういいじゃん。」
日常よく見られる光景ではないでしょうか。
小学校も高学年になると、お父さんやお母さんにあまりとやかく言われるのを嫌うようになり、低学年のときのように横につきっきりということが難しくなります。
それ自体はごく自然なことだと思います。
では、さきほどの「わかった」は本物だったのでしょうか?
この場合の「本物」というのは、以後同じような問題に出会ったときに、ほぼ100%の確率で正解できるという意味ですが、半分くらい本物なのではないでしょうか。あるいはもう少し低い確率かもしれません。
というのは、その一問を解いた時点では、確かに正しい考え方で正解を導いていたのでしょう。
しかし、時間がたつとその精度は落ちていくのが普通です。
3日後に同じ問題を演習したら正解できるか?一週間後なら?と考えると、徐々に、あるいは場合によって急激に精度が下がっていきます。
よく、「習ったときにはできるんですが、時間がたつと忘れてしまうんです。」とご相談を受けるのですが、起こっていることは同じです。
では、少しでもその記憶、精度の「持ち」を長くするにはどうすればいいでしょうか。
1つの方法は、「いちいち言葉にすること」です。
頭の中で「わかった」というのは、実は非常にあいまいな常態です。はっきりと言葉では説明できないけれど、多分こうだと思う、という状態であることも多いのです。それ自体は別に悪いことではなく、むしろお子さんが一生懸命考えた末、「ほぼ正解」というところまでたどり着いているということを示しています。
しかしそこで突き詰めることをやめてしまうと、形になりかけていたものがふわふわと飛散してしまいます。まとまりかけていた思考が、もとの混沌とした状態に戻ってしまうのですね。非常にもったいないことですが、お子さんたちの日常の学習の中ではよく起こっていることです。
一度できるようになったことを忘れにくいお子さんは、ほとんど例外なく、この「まとまりかけている思考」を形にしようとします。それは、言葉にして残すということでもあります。もちろん図になったり表になったりもしますが、それは「説明がつくように形作る」助けに過ぎません。いろんな手段を使って、いまわかってきたことを(自分に)説明しようとしているんですね。
こういった「答えが出てからの作業」ができるお子さんは、学力が伸びるお子さんです。わかってきたことを言葉にして確認することで、その知識や考え方を自分のものにできることを知っているお子さんですね。
「答えが出たんだから、もういいじゃん。」となってしまうお子さんは、残念ながらこのことをまだ知らないお子さんだということです。
でも、やはりそういう「本当に力がつく勉強」をお子さんに知ってほしいですよね。
「それって、どういうこと?説明してみて。」
「言葉にすると、○○ってこと?少し違う?」
学習に限らず、日常のやり取りからこのような接し方、つまりお子さんから教えてもらう、という形で発言させる習慣があれば、比較的簡単にお子さんを「もう一歩踏み込んだ思考」に導くことが可能です。
学習に関係のないことからこのようなやり取りを心がけてみてもよいですね。
学校で起こったこと、友達から聞いたこと、塾の先生の話など、何でもかまいません。言葉でつじつまが合うように説明するには、お子さん自身の中で情報を整理する必要があります。何から伝えて、これはぜひ伝えなくちゃいけないけど、このことは話の本筋とはあまり関係がないから省いて、とかいろんな作業をしなければなりません。ときには簡単な図などが必要かもしれませんね。
「だからさ、ここにA君がいて、こっちがB君。そこでこうなって、体が当たったわけ。」とか。
こういう作業を通じて、お子さんは整理力を培っていくんですね。
さて、お父さん、お母さんは「聞き上手」を目指さなければなりませんね。チャレンジしてみる価値は大いにあると思います。
ぜひ試してみてください。
「ほんと?」
「うん、答えは2でしょ。」
「うん、そうだけど、ほんとにわかったの?」
「ほんとだよ。うるさいなぁ。もういいじゃん。」
日常よく見られる光景ではないでしょうか。
小学校も高学年になると、お父さんやお母さんにあまりとやかく言われるのを嫌うようになり、低学年のときのように横につきっきりということが難しくなります。
それ自体はごく自然なことだと思います。
では、さきほどの「わかった」は本物だったのでしょうか?
この場合の「本物」というのは、以後同じような問題に出会ったときに、ほぼ100%の確率で正解できるという意味ですが、半分くらい本物なのではないでしょうか。あるいはもう少し低い確率かもしれません。
というのは、その一問を解いた時点では、確かに正しい考え方で正解を導いていたのでしょう。
しかし、時間がたつとその精度は落ちていくのが普通です。
3日後に同じ問題を演習したら正解できるか?一週間後なら?と考えると、徐々に、あるいは場合によって急激に精度が下がっていきます。
よく、「習ったときにはできるんですが、時間がたつと忘れてしまうんです。」とご相談を受けるのですが、起こっていることは同じです。
では、少しでもその記憶、精度の「持ち」を長くするにはどうすればいいでしょうか。
1つの方法は、「いちいち言葉にすること」です。
頭の中で「わかった」というのは、実は非常にあいまいな常態です。はっきりと言葉では説明できないけれど、多分こうだと思う、という状態であることも多いのです。それ自体は別に悪いことではなく、むしろお子さんが一生懸命考えた末、「ほぼ正解」というところまでたどり着いているということを示しています。
しかしそこで突き詰めることをやめてしまうと、形になりかけていたものがふわふわと飛散してしまいます。まとまりかけていた思考が、もとの混沌とした状態に戻ってしまうのですね。非常にもったいないことですが、お子さんたちの日常の学習の中ではよく起こっていることです。
一度できるようになったことを忘れにくいお子さんは、ほとんど例外なく、この「まとまりかけている思考」を形にしようとします。それは、言葉にして残すということでもあります。もちろん図になったり表になったりもしますが、それは「説明がつくように形作る」助けに過ぎません。いろんな手段を使って、いまわかってきたことを(自分に)説明しようとしているんですね。
こういった「答えが出てからの作業」ができるお子さんは、学力が伸びるお子さんです。わかってきたことを言葉にして確認することで、その知識や考え方を自分のものにできることを知っているお子さんですね。
「答えが出たんだから、もういいじゃん。」となってしまうお子さんは、残念ながらこのことをまだ知らないお子さんだということです。
でも、やはりそういう「本当に力がつく勉強」をお子さんに知ってほしいですよね。
「それって、どういうこと?説明してみて。」
「言葉にすると、○○ってこと?少し違う?」
学習に限らず、日常のやり取りからこのような接し方、つまりお子さんから教えてもらう、という形で発言させる習慣があれば、比較的簡単にお子さんを「もう一歩踏み込んだ思考」に導くことが可能です。
学習に関係のないことからこのようなやり取りを心がけてみてもよいですね。
学校で起こったこと、友達から聞いたこと、塾の先生の話など、何でもかまいません。言葉でつじつまが合うように説明するには、お子さん自身の中で情報を整理する必要があります。何から伝えて、これはぜひ伝えなくちゃいけないけど、このことは話の本筋とはあまり関係がないから省いて、とかいろんな作業をしなければなりません。ときには簡単な図などが必要かもしれませんね。
「だからさ、ここにA君がいて、こっちがB君。そこでこうなって、体が当たったわけ。」とか。
こういう作業を通じて、お子さんは整理力を培っていくんですね。
さて、お父さん、お母さんは「聞き上手」を目指さなければなりませんね。チャレンジしてみる価値は大いにあると思います。
ぜひ試してみてください。