ことばの式の使い方
ことばの式の使い方
化学計算、苦手にしているお子さん、多いです。
前回述べたように、理科が得意なお子さんのノートには、式だけでなくたくさんの「表」が書かれています。特に罫線を引いて表にしていなくても、
水温 水量 とける量
A 20℃ 100g 2.8g
といった具合にまとめられているということです。
このような作業は塾で何度も習いますが、自分で実行できるようになって初めて理科が得意になる、好きになる、といった例がとても多いです。
答えが「合う」ようになったら、その科目が好きになる、ということって、多いです。
大人だってそうですが、やって上手くいくことであれば、誰だって好きになりますよね。
お子さんならなおさらです。
ですから、このようなまとめ方ができるようになるまで、丁寧に指導してあげる必要があります。
ご家庭の学習で、お子さんを化学計算大好きなお子さんにするには、
「それじゃあ、整理してみようか。」
を、お父さん、お母さんの口癖にすればよいのです。
「塾ではどうやって習った?」と、まずは聞いてみてあげてください。
覚えていなくても、「どうして覚えていないの?」といった調子でなじっては逆効果です。どうやってまとめたらいいかを身につける余裕がなかったのです。一番困っているのは、どうやったら理科が得意になるかがまだわかっていないお子さんなのですから。
さて、ことばの式についてです。
何のことはない、われわれが中学・高校のときに習った化学反応式を、化学式ではなく「ことば」で表しているだけです(小学生もH2OやCO2くらいは知っていますが、きちんと習うわけではありません)。
例えば、塩酸と水酸化ナトリウムの中和反応でしたら、
HCl + NaOH → NaCl + H2O
と表すところを、小学生にもわかるように
塩酸 + 水酸化ナトリウム水溶液 → 食塩 + 水
と表すんですね。「水酸化ナトリウム水溶液」は画数が多いので、
塩酸 + 水ナ水 → 食塩 + 水
と学習塾の先生なども表すことが多いです。
さて、ここから先の作業ですが、
ことばの式に数値を入れる
↓
何倍になっているか考える
の2つ。慣れてしまえば簡単なのですが、はじめのうちは「どうしてそんな作業をしているのか」がわからなかったり、ついうっかりしてはおいけない計算をしてしまったり・・・ということがあります。
たとえば、ある濃さの塩酸10mlと水酸化ナトリウム水溶液20mlを混ぜ合わせ、完全中和させた後に水分を蒸発させると、食塩が1.6g残ったとしましょう。このことは
塩酸 + 水酸化ナトリウム水溶液 → 食塩 + 水
10ml 20ml 1.6g
と表すのですが、ここで大人なら、「食塩は重さで表しているが、塩酸と水酸化ナトリウム水溶液は体積で表しているので、化学式として間違っている!水の重さが出せないじゃないか。」と思うところですが、小学生にとってのことばの式は、計算のツールと整理のツールを兼ねていますので、これはこれでありです。
※もちろん、塩酸や水酸化ナトリウム水溶液の濃さから、解けている溶質の重さを出して・・・という問題もありますが、圧倒的に多い言葉の式の使われ方は、こうです。
「このとき、塩酸30mlと水酸化ナトリウム水溶液20mlをまぜると、食塩が何gできるか?」
といったたぐいのものです。与えられた条件(先ほど書いたことばの式です)と比べて、食塩は何倍できるのかを考える問題です。
塩酸 + 水酸化ナトリウム水溶液 → 食塩 + 水
10ml 20ml 1.6g
↓×3 ↓ ×2.5 ↓×2.5
30ml 50ml (4.0g)
という考え方で、できる食塩は水酸化ナトリウムの量によって決まる、ということになるのですが、ここで私がよよくお子さんたちに話すのは、
「材料になるごはんばっかりたくさんあっても、カレールウが足りなくなったら、もうカレーライスはできないやろ?だから、材料の水酸化ナトリウム水溶液が足りなくなった時点で、もう食塩はできないんだよ。」
ということですが、「カレーライスの法則」としてお子さんたちはすぐに受け入れてくれます。
パンとハンバーグで「ハンバーガーの法則」、お肉とジャガイモで「肉じゃがの法則」などなど・・・。
何でもよいですね。ときには、
「僕ならジャガイモだけで食べる!」とか言い出す子もいて、とっても楽しく学習できますよ。
是非お子さんと一緒に、作業を通して楽しんでください!
前回述べたように、理科が得意なお子さんのノートには、式だけでなくたくさんの「表」が書かれています。特に罫線を引いて表にしていなくても、
水温 水量 とける量
A 20℃ 100g 2.8g
といった具合にまとめられているということです。
このような作業は塾で何度も習いますが、自分で実行できるようになって初めて理科が得意になる、好きになる、といった例がとても多いです。
答えが「合う」ようになったら、その科目が好きになる、ということって、多いです。
大人だってそうですが、やって上手くいくことであれば、誰だって好きになりますよね。
お子さんならなおさらです。
ですから、このようなまとめ方ができるようになるまで、丁寧に指導してあげる必要があります。
ご家庭の学習で、お子さんを化学計算大好きなお子さんにするには、
「それじゃあ、整理してみようか。」
を、お父さん、お母さんの口癖にすればよいのです。
「塾ではどうやって習った?」と、まずは聞いてみてあげてください。
覚えていなくても、「どうして覚えていないの?」といった調子でなじっては逆効果です。どうやってまとめたらいいかを身につける余裕がなかったのです。一番困っているのは、どうやったら理科が得意になるかがまだわかっていないお子さんなのですから。
さて、ことばの式についてです。
何のことはない、われわれが中学・高校のときに習った化学反応式を、化学式ではなく「ことば」で表しているだけです(小学生もH2OやCO2くらいは知っていますが、きちんと習うわけではありません)。
例えば、塩酸と水酸化ナトリウムの中和反応でしたら、
HCl + NaOH → NaCl + H2O
と表すところを、小学生にもわかるように
塩酸 + 水酸化ナトリウム水溶液 → 食塩 + 水
と表すんですね。「水酸化ナトリウム水溶液」は画数が多いので、
塩酸 + 水ナ水 → 食塩 + 水
と学習塾の先生なども表すことが多いです。
さて、ここから先の作業ですが、
ことばの式に数値を入れる
↓
何倍になっているか考える
の2つ。慣れてしまえば簡単なのですが、はじめのうちは「どうしてそんな作業をしているのか」がわからなかったり、ついうっかりしてはおいけない計算をしてしまったり・・・ということがあります。
たとえば、ある濃さの塩酸10mlと水酸化ナトリウム水溶液20mlを混ぜ合わせ、完全中和させた後に水分を蒸発させると、食塩が1.6g残ったとしましょう。このことは
塩酸 + 水酸化ナトリウム水溶液 → 食塩 + 水
10ml 20ml 1.6g
と表すのですが、ここで大人なら、「食塩は重さで表しているが、塩酸と水酸化ナトリウム水溶液は体積で表しているので、化学式として間違っている!水の重さが出せないじゃないか。」と思うところですが、小学生にとってのことばの式は、計算のツールと整理のツールを兼ねていますので、これはこれでありです。
※もちろん、塩酸や水酸化ナトリウム水溶液の濃さから、解けている溶質の重さを出して・・・という問題もありますが、圧倒的に多い言葉の式の使われ方は、こうです。
「このとき、塩酸30mlと水酸化ナトリウム水溶液20mlをまぜると、食塩が何gできるか?」
といったたぐいのものです。与えられた条件(先ほど書いたことばの式です)と比べて、食塩は何倍できるのかを考える問題です。
塩酸 + 水酸化ナトリウム水溶液 → 食塩 + 水
10ml 20ml 1.6g
↓×3 ↓ ×2.5 ↓×2.5
30ml 50ml (4.0g)
という考え方で、できる食塩は水酸化ナトリウムの量によって決まる、ということになるのですが、ここで私がよよくお子さんたちに話すのは、
「材料になるごはんばっかりたくさんあっても、カレールウが足りなくなったら、もうカレーライスはできないやろ?だから、材料の水酸化ナトリウム水溶液が足りなくなった時点で、もう食塩はできないんだよ。」
ということですが、「カレーライスの法則」としてお子さんたちはすぐに受け入れてくれます。
パンとハンバーグで「ハンバーガーの法則」、お肉とジャガイモで「肉じゃがの法則」などなど・・・。
何でもよいですね。ときには、
「僕ならジャガイモだけで食べる!」とか言い出す子もいて、とっても楽しく学習できますよ。
是非お子さんと一緒に、作業を通して楽しんでください!