4年生の子どもを勉強嫌いにさせないために
暖かくなり、桜の木が早くも葉桜になっています。
さまざまな生き物が活発に動き始める季節になりました。
僕もサボっていたわけではないのですが、久しぶりにブログを更新します。
お花見で目にする桜は「ソメイヨシノ」で、エドヒガンとオオシマザクラの種間雑種です。
エドヒガンは日本に自生する10種ほどの桜の1つ、お彼岸(春分の日を中心とする七日間)の頃に開花することからこのような名前です。
オオシマザクラは「オオシマ」と名前がついていますが、名前の通り伊豆大島などが由来のようです。
「桜餅」に巻かれている葉の多くはオオシマザクラの葉なのだそうです。
オオシマザクラの葉は香りが強く、また表面にうぶ毛が少なく舌触りがよいんですね。
さて、そんなことを調べると興味は尽きないのですが、勉強としての理科もこのような感じで楽しく、興味深く進められるといいですね。
ある出版社の方と話をしていて、理科の勉強で困らない子はどんな子?という話題になったのですが、まさに習っている話題に興味が持てる毎日を過ごしている子なんです。
せっかく新しいことを学ぶのだから、家で問題ばかり解いていてはいけません。
塾の宿題は大切ですが、何度も解き直さず調べものにも時間を使ってください。
特に4年生のうちは意識的に「宿題以外のことをする」ことを心がけてみてください。
きっと高学年で理科の勉強が楽しくなりますよ。
テストが返ってきたら、正解も不正解も含めて「知らなかったこと」を調べてみるようなテスト直しをしてみましょう。
「そんなことをしている時間なんてない」と思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、試しにやってみてください。
理科の勉強が楽しくなり、結果的に成績も上がるはずです。
じゃあどうやってその時間を捻出するかですが、「繰り返し」を意識的にやめることです。
4年生のうちは「問題の解きすぎ」にも注意しましょう。
4年生のうちにそんなにがんばらなくても、問題演習は6年生になったら嫌というほどさせられます。
今のうちに「調べてなるほどと思う」経験を積んでおきましょう。
これは別に4年生に限ったことでもありません。
5年生でも6年生でも、またもっと小さなお子さんでも同じです。
新しいことを習って、興味を持ったことについて、調べてみるんです。
親子で一緒に調べてもいいですね。
たとえば「春になるとヒキガエルが冬眠から目覚めて産卵します」ということを習ったら「ヒキガエルってどんなところにいるんだろう?」って調べてみましょう。
「ヒキガエル 観察」といったワードで検索してみるといいですね。
写真や動画、どこで観察したとか、また観察会があるといった情報も出てくると思います。
「そんなのテストに出るんですか?」
そんな疑問も聞こえてきそうですが、テストに出るから調べるんじゃないんです。
・・・こう言うと「そんなの意味ないじゃん」という気持ちにちょっとなってしまう方もいるかも知れません。
・・・いや、ちょっとそんな気持ちになるのは、決して悪いことじゃないですよ。
中学受験を目指して勉強しているお子さんの親御さんなら、なおさらです。
塾の宿題だって忙しいし、そんなこと調べる時間ないよって気持ちにもなります。
でも、じゃあ「テストに出ること」ってなんでしょう?
私立中学校の先生方が理科のテストで問いたいのは「塾で出された宿題をちゃんとやりましたか?」ってことではないはずです。
結果として、塾の宿題をちゃんとやった子は合格する可能性が高いですが、中学校の先生が知りたいのはそこじゃないんです。
では先生方が知りたいのは何か。
それは「身の回りのことに興味を持ち、興味を持ったことや疑問に感じたことを深く考えたり、調べて知識を増やしたり、といった「勉強すること」に対して前無垢な気持ちや姿勢、習慣を持っているか」といういことだと思うんです。
そうやって作られた入試問題の過去問を参考に作られるのが、塾のテキストやテストです。
だから、塾のテキストやテストをやっていれば合格に必要な力がつくだろうと考えられるわけですね。
でも、皮肉な話なのですが、塾のテストで成績を上げることだけを目標にがんばっていると、いつのまにか「なんのために勉強するのか」がわからなくなって、お子さんが勉強嫌いになってしまうことがあります。
勉強が面白くない、と感じるようになるからです。
「小さい頃は、言ったことは素直にやってくれたし、成績も良かったんです。でも高学年になるとどんどん成績が下がって・・・」
そんなご相談もたくさんいただきますが、お子さんが大きくなるにつれ、言われるがままに塾の宿題をひたすら「こなす」ことに疑問を感じたり、苦痛だと思うようになるんです。
そうならないように、ぜひ季節感を感じたり「なるほど」という納得感を得られる勉強になっているか、確認してみてください。