過去問は「実物」で演習しよう
9月、6年生はいよいよ志望校別特訓が本格的に始まりました。
志望校合格に向け、過去問演習なども始めていく時期ですね。
過去問については、書店で学校別の過去問集(首都圏では「声の教育社」、関西では英俊社という出版社ものが有名ですね)を選ぶ他に、科目別に様々な学校の過去問を掲載している「有名中入試問題集」といった書籍を購入するとか、学校で直接購入する、インターネットでダウンロードするなど、いろいろな方法があります。
学校別の過去問集のよいところは、問題、解答のほかに解説や傾向分析などが掲載されていることろ。
5年分くらいは掲載されているので、ほぼそれで間に合うという印象です。
ただ気をつけたいのは、本物ではないということです。
書籍化するために体裁を編集しているため、実際の入試問題がどのような体裁なのかを知ることはできません。
実物をご覧になったことがある方はよく分かると思うのですが、ほとんどの学校の入試問題には、非常に豊富な余白があります。
特に算数はずをかいたり、たくさん計算をしなければならないため、そのための余白が必要です。
過去問集で演習する場合は、そのあたりも考慮して計算用紙などを準備しておかなければなりませんね。
できれば過去問集と実物を用意し、演習は実物で、答え合わせと解説による学習は過去問集を使うなど、併用するのが望ましいですね。
実物が手に入らないという場合は、四谷大塚のホームページを覗いてみましょう。
かなりの数の学校の過去問、解答(四谷大塚作成)が掲載されており、メールアドレスを登録するだけでダウンロードできます。
実物で過去問演習する利点は、余白の活用だけではありません。
「実際に当日、このような体裁の問題を目の前にして解くのか」というイメージを持つことができます。
たとえば開成中学校の算数は、2018年まではB4サイズの縦使いでしたが、2019年は横使いに変更になっています。
2020年も2019年を踏襲する可能性が高いですね。
問題が冊子形式になっている学校も多いですが、中央の折り目で綴じられているわけではないので、解いているうちにバラバラになってしまうことがあります。
その場合は焦らず、表示されたページにしたがって並べ直せばいいことも、過去問で経験しておくといいですね。
また過去問集の解答は、出版社(正確には出版社が発注した解答作成者)の見解と考えて、特に国語の記述問題などは塾の先生などに判断してもらうほうがよい場合もあります。
日曜特訓や各種模試などで「休みなし」という毎日に近づいていくので、過去問も計画を立てて取り組まないと「終わらない」といったことも起こりえます。