この夏「ふだんの勉強を自由研究」に
夏休み直前とは思えない気温の日が続いていますが、夏休みはすぐそこです。
夏休みの過ごし方や、自由研究に関して質問される事が多い時期です。
中学受験を目指すお子さんは、夏休みとはいえ塾の宿題などで忙しい毎日。
特に6年生ともなれば、日々の宿題や過去問演習などで手一杯というのが現実でしょう。
そんな多忙な受験生におすすめなのが、1日でできる自由研究。
まあ、1日ということにあまりこだわってはいないのですが、日数をかけなくてもいいものはできる、というふうに考えています。
何が「いい自由研究」なのかというい問題もありますが、ひとまず受験生にとっては「せっかく自由研究をするんだったら、受験にも役立つものを」そんな希望もあると思います。
実は中学入試の問題、受験勉強で解く問題は、自由研究のネタの宝庫です。
勉強をしていて「先生、この問題でやってる実験って、僕にもできる?」という質問を講師に投げかける子どもも多くいます(そのような子どもは伸びる子が多いです)。
中学受験の理科の問題を解いていると、それ自体から学びを得ることも多く、単に知識をつけてそれを吐き出す、といった勉強とは違うと強く感じながら問題を解いているお子さんも多いと思います。
そんなお子さんは、ぜひ普段の勉強を自由研究の題材にしてみてほしいと思います。
たとえば、植物の光合成の実験。
よく入試問題でも、問題集の中でも出てくる問題ですが、けっこう簡単にできます。
簡単に順序を整理すると
① 植物の葉に日光を当てる
↓
② 葉をつみとって湯につける
↓
③ 葉を温めたアルコールにつける
↓
④ 葉を水で洗う
↓
⑤ 葉をヨウ素液にひたし、色の変化を観察する
ですが、②や③それぞれの手順にはちゃんと理由があり、それは入試問題でも頻出となっています。
②でつみとった葉を湯につけるのは、硬い葉を柔らかくし、葉の細胞のはたらきを止めるためですが、実際に湯につけて「しなっ」となった葉を手に取ると「ゆでた野菜みたいだな」と思うでしょう。
また、③でアルコールにつけると、葉は白っぽくなります。
アルコールによって、葉の葉緑素が溶け出るためです(アルコールは緑色になります)
アルコールによって、葉の葉緑素が溶け出るためです(アルコールは緑色になります)
これも実際に経験するとインパクトが大きいですね。
アルコールや火を使うので、親御さんが付き合ってあげる必要がありますが、そんなに難しい実験ではありません。
実際に自分で実験すると、その手順を行う理由なども納得でき、理解も深まりますね。
代表的なものを1つあげましたが、この他にもご家庭でできる中学受験理科の実験はたくさんあります。
ぜひ、この夏は「ふだんの勉強を自由研究に」を検討してみてください。
実験にはアサガオの葉を使うことも多いですが、写真のような「ふ」(葉緑体がなくデンプンができない部分)のある葉を使うと、さらに充実した実験になりますね。
実験にはアサガオの葉を使うことも多いですが、写真のような「ふ」(葉緑体がなくデンプンができない部分)のある葉を使うと、さらに充実した実験になりますね。