スケルトンたまごを作ろう
「塩酸に石灰石を入れると二酸化炭素が発生する」と理科では習います。
石灰石の主成分は炭酸カルシウムという物質で、これが酸性の水溶液にとけて二酸化炭素が発生するのです。
そして、石灰石と同じように炭酸カルシウムを含むものとして、貝がらや卵のからがあります。
ということは、生卵を酸性の水溶液につけるとどうなる?ということを確かめるのが、スケルトン卵の実験です。
◯スケルトン卵の作り方
〈準備するもの〉
・生卵
・卵が入るくらいのガラスびん(口の広いもの)
・穀物酢
・キッチンペーパー
〈作り方〉
1. 卵を綺麗に水洗いし、水をふきとります。
卵を入れるびんもきれいに洗い、しっかり水分をふきとりましょう。
2. 洗ったびんの中に割れないように卵を入れます。
その中に穀物酢を、卵がひたひたになるくらいの量、入れます。
※目安として、200ミリリットルくらい入れましょう。
3. しばらくすると泡が出てきます。
泡が出てきたらキッチンペーパーをかぶせ、冷蔵庫で約2日おきます。
注意:サランラップなどで密閉すると、発生した気体によって破裂する恐れがあります。
冷蔵庫だと、1日、2日目くらいはからが溶けにくそうに見えると思います。
4. 数日後、よく見ると、卵のからが溶けてうすい皮だけが残っています。
スケルトン卵の完成です。
◯実験前からの変化と理由
生卵をからのまま穀物酢につけて作ったスケルトン卵。
からが溶けた卵を優しく洗い、よく見てみると透けて中の黄身が見えます。
穀物酢から取りだした時に気づくのは、”卵が透けている”ということだけではありません。
実験をしてみるとわかるのですが、卵の大きさがぷっくり大きく変化しているはずです。
これは、うす皮つまり卵膜の小さな穴から水の分子が入るからです。
これを”浸透現象”といいます。
大きくなったスケルトン卵の中身はどのようになっているのか、膜を破って確認してみると・・・
つまようじで刺すと、パチンっと膜が破れて、中から生卵が出てきました。
◯なんで卵が透けるの?
卵のからは約94パーセントが炭酸カルシウムでできています。
お酢には炭酸カルシウムをとかす力があるため、卵のからがとけるのです。
卵のからがとけたら、中身が流れだすような気がするかもしれません。
しかし、卵のからの内側には、実はうすい膜があるため、膜が保護になり、卵の形を綺麗に残したまま”スケルトン卵”が完成するのです。
簡単なのに、とても面白い実験です。
大人もテンションが上がるかもしれません。
身の回りにあるものでできる理科実験は、実はたくさんあります。
よかったら挑戦してみてください。