サピックスの5年生理科で差がつく理由
■無駄のないサピックスのカリキュラム
サピックスのカリキュラムを見ていると、本当に無駄がないカリキュラムだな、と思います。
ただ、無駄がないことがいいことだ、ということではありません。
自動車のハンドルには意図的に「遊び」があります。
ちょっとくらいハンドルと揺すっただけでは、タイヤは向きを変えません。
もしもまったく「遊び」がなかったら、運転手は常にハンドルを「1ミリも動かないように」緊張して握っていなければなりません。
同じように、カリキュラムにも「遊び」がないと、極端な話、欠席することができません。
ちょっとでもわからなくなったら、どんどん「ボタンの掛け違い」の連鎖が大きくなって、どんどんわからなくなる。
そんな危険性もあります。
サピックスの理科の5年生の夏期講習までのカリキュラムは、以下のようになっています。
2月〜3月 熱・水溶液・植物(発芽・光合成・蒸散)
春期講習 太陽
4月〜7月 燃焼・豆電球・光・月・運動・ばね・てこ・人体・ふりこ・浮力
夏期講習 星・植物(花)・流水・地層・岩石・音・燃焼
見事に「進み続ける」カリキュラムです。
年の後半には、計算分野など重要単元は「同じ名前の回」がいくつかありますが、もちろん「以前に習ったことを理解している前提」で出てきます。
このカリキュラムに一度乗り遅れると、挽回が容易ではないということは明らかですね。
■サピックスで成績を上げるには・・・
サピックスが難関校の合格者を多く輩出するのにも頷けます。
この5年のカリキュラムを乗り切る子どもたちがαに常駐し、組分けやオープンで結果を出すんですね。
では、そうなるために何をしなければならないか。
身も蓋もないですが、それは「復習」です。
進み続けるカリキュラムだからこそ、ふだんの学習の中に意識的に「復習」をルーティンとして組み込んで確実に実行すること。
これが成績を上げるポイントです。
基礎トレ、コアプラスもいいですし、少し前のマンスリーでもいいでしょう。
長い時間でなくていいので、週のどこかに確実に入れましょう。
逆に、復習のサイクルがうまく回らないと、いずれ成績が下がってきます。
逆に、復習のサイクルがうまく回らないと、いずれ成績が下がってきます。
ふだんの宿題で大変なのに、という声も聞こえてきそうですが、宿題を削ってでもやれば、削って失ったものより大きなものが手に入るはずです。
ただし、やる上での注意点があります。
これは復習に限ったことではないのですが、「やりっぱなし」に近いやり方だけにはならないようにしてほしいのです。
お子さんを信用しないわけではないのですが「やっときなさい」だけでは「やりっぱなし」になるのはほぼ確実です。
「ちゃんとやりなさい」「丁寧にやりなさい」などは効果がありません。
具体的ではないからです。
■テストのとき直しも具体的にやり方を伝える
過去のマンスリーを解いたら(ここでも「バツだった問題の中で正答率40%以上のもの」くらいの指定をしましょう)、答え合わせと直しをする。
直しのやり方も指定してあげるのがよいでしょう。
どうして間違ったのか。
覚えてなかったのか、計算間違いをしたのか、そして結局わかったのか。
どうしてもわからなかった、というなら仕方がない問題です。
塾の先生に質問するか、とりあえず今はおいておくのか決めればいいですね。
わかった、次はできるというなら「次にやることリスト」入りです。
次の週にやるとか、確認の機会を入れればいいですね。
こうやって細かくやっていくと「なかなか前に進まないなぁ」と感じることもありますが、急にぐぐっと「伸びた〜!」と感じる時が来ます。
そのときがお子さんのモチベーションが上がるときです。
こういう勉強のしかたに切り替える最後のチャンスが5年生です。
新しい学年になって1か月。
学習サイクルもできてきた頃ですね。
「復習」の時間を入れるところはどこか、考えてみましょう。
水戸 偕楽園にて。梅は桜とはまた違った美しさがありますね。
水戸 偕楽園にて。梅は桜とはまた違った美しさがありますね。