電気の問題を解こう
■「電流」がわからない
副代表を務めさせていただいている個別指導教室「SS-1(エスエスワン)」のYouTubeチャンネルに、「電流を理解しよう」という動画を撮影してアップしたのですが、あらためて、「この単元、『うろ覚え』のまま受験までいっちゃう子って多いんだよなぁ」と思いました。
動画ではお母さん、お父さんに向かって語りかけているのですが、ほんとうはお子さんを目の前にして、反応を見ながら伝えるのがいちばんなんです。なぜかというと、目の前にお子さんがいれば、「わかった」「わからない」といったいわゆる「返事」がなくても、わかったのか、わからないのか、あるいはどれくらいわかったかが、反応からわかり、わかるまで教えられるからです。
「電流」という単元、わからない子が多いのは、「電流」「電圧」「電気抵抗」という言葉の概念が腑に落ちていないからです。物理分野の学習は、眼に見えないものを扱います。電流も、力も、はかりや電流計を使えば確かめることはできますが、目に見えません。だから具体的なイメージをどうやってお子さんに持たせるかで、理解の度合いは大きく違ってきます。
これはある意味無理もなく、小学生はこれらの言葉の定義をすべては教えてもらわないからです(厳密には高校物理の範囲です)。だから中学受験では、ざっくり理解して納得の上で問題が解ける、という状態になっておくことが大事なんです。
■「E=IR」覚えてます?
豆電球の明るさは、回路を流れる電流の大きさによって決まります。その電流の大きさは、電圧と電気抵抗によって決まります。中学のときに習った「オームの法則」というやつです。
E=IR
という公式を覚えている方も多いのではないかと思います。
でもこの公式も、当時「なんか実感ないな〜」と感じていた方も多いのではないかと思います。そう、この単元、実感してもらうのが難しいんです。
電圧=電流を流す力
電流=回路を流れる電気そのもの
電気抵抗=電流が流れるのを妨げるもの
が小学生向けの基本的な言葉の定義です。
そして問題で問われるのは、いろいろな回路に、どのくらいの大きさの電流が流れるかということです。
■「電気抵抗」とは何か
どうして豆電球を直列つなぎにすると、電流は流れにくくなるのか。どうして並列つなぎなら、流れにくくならないのか(むしろ豆電球を増やせば増やすほど流れやすくなります)。
先生によって、川の流れに例えたり、車の渋滞に例えたり、いろいろです。私は動画の中で
直列つなぎ
並列つなぎ
という2つの図で説明していますが、これで伝えておくと、お子さんたちは「電気抵抗」に関してすんなりと理解を深めてくれます。
豆電球はそもそも電気が流れにくいところなんだから、直列つなぎにして長くするとますます流れにくくなり、並列つなぎにすると、通り道が広くなったのと同じで、どんどん電気が流れやすくなる、ということですね。
本格的に概念を理解するのは中学・高校に上がってからになりますが、とにかく「電流=わかりにくいもの」というイメージを捨て、サクサク問題を解いていけるように、夏がくる前にしちゃいましょうね、特に6年生!
SS-1のサイト内のページになりますが、よかったら動画も見てください。
https://www.ss-1.net/movie/160427.html
https://www.ss-1.net/movie/160427.html