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アイソン彗星

中学受験 2013年11月14日17時07分
肌寒い日が多くなりました。

コートを着て歩いている人も多く見かけるようになりましたね。

11月下旬は、前回お伝えしたアイソン彗星の見頃です。
太陽にもっとも近づくのが29日なので、その前後が観測のチャンスですが、
29日は「近すぎて」見えないはずです。
25日前後、早朝の太陽の方向、東です。

日が昇ってからは望遠鏡などは使わないようにしましょう。

さて、今回の彗星の名前アイソンというのは、
発見者が所属していた
International Scientific Optical Network(国際科学工学ネットワーク)の
頭文字をとったものですが、太陽に近づいてくるのは今回限り。
観測したい方は、チャンスを逃さないようにしましょう。

入試問題でも、こういった天体ショーは時事問題的に扱われます。
難関校を受験される方は、ひととおり詳細を知っておくようにしましょう。

しかし実は、アイソン彗星そのものについて詳しく出題する学校は
比較的偏差値の高い一部の学校で、他の多くの学校では

「アイソン彗星は単なる話題提起であり、実際の問題は『ふつうの天体の問題』
になっていることが多いのです。

つまり、彗星とはどんなものだったかといった一般的な知識や、
他の天体の問題、たとえば太陽や星座の動きに関する問題が
主題となる問題が出されるわけです。

ただし、「アイソン彗星」という名前など基本的なことは時事問題として
覚えておいたほうがいいでしょう。

一方、天体ショーがあったということは、確実に天体に関する問題を
出題する学校は多くなるはずで、それをお子さんに気づかけてあげることで
復習、苦手克服のきっかけを作ってあげるのもいいと思います。

1つ、お子さんがよく間違う天体の問題に、

「同じ位置に見えるのは、1ヶ月後のいつ?」
というものがあります。

たとえば、

「ある日、午後8時にA星が南中していました。
この日から1ヶ月後にA星が南中するのは何時ですか。」

という問題です。

この問題、ほとんどのお子さんは
1. 午後6時
2. 午後10時

のどちらかを答えます。
午後8時の、2時間前と、2時間後です。

なぜなら、
・星は1ヶ月で30度、年周運動により移動して見える
・星は1時間で15度、日周運動により移動して見える

ということを覚えているからです。

つまり、

「1ヶ月後ってことは、星は30度移動して見えるはずだから、
30 ÷ 15 = 2時間だけズレが出るはず。」

と考えているんですね。

・・・正しい!

で、正解は1.の「午後6時」なんですが、
やはり間違ってしまうお子さんがいます。

ここが、苦手と得意の境が表れる1つの場面です。

ここで、「エイヤッ!」と勢いで答えを出すのではなく、

「1ヶ月後ということは、同じ時刻では星Aは30度西の方向に移動する。」

「とうことは、『もとの位置』に戻すには、時間を『巻き戻す』事が必要」

「巻き戻す時間は2時間だから、こたえは午後6時」

と、順を追って考える経験を、常にさせてあげられれば、
やがて苦手意識は薄れていきます。

これには、やはりお父さん、お母さんの協力が必須ですね。


ぜひ試してみてください。
中学受験 2013年11月14日17時07分
主任相談員の辻義夫
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である辻義夫が家庭学習で悩んでいる方にすぐに実践できる効果的な学習方法をお教えします。
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