地層の問題にみる準備の大切さ
前回は電流、それも手間のかかるブラックボックスの問題を扱いました。
今回は、これも手間がかかり、お子さんたちを手こずらせる、地層の傾きに関する問題です。
地中で地層が一定方向に向かって傾いていて、地点によってどの地層が地上から何m下にあるかがわかりにくいというものです。
しかも観測する地点自体の標高も様々、という問題では、頭の中で考えるだけではどうしても「解き切る」というところまでは至りにくいものです。
【問題】次の図1は、ある地域を真上から見たものです。A地点から真東に100mはなれたところにB地点があり、B地点から真南に100m離はなれたところにC地点があります。図のA~C地点に( )で示した数字は、それぞれの地点の標高です。
また図2は、A~C地点の地上から40m下までの地層がどのようになっているかを示したものです。
さて、この地域の地層は、どの方向に向かって下がっているでしょうか。
このような問題でよく問われるのは、
( ① )に向かって100m進むと( ② )m下がる
といった解答欄の( )を埋めるというものです。
①には方角が、②には数字が入るんですね。
さて、この問題を解くときのお子さんたちの多くは、
「ええと、A地点は標高が50mで、そこから下に10m掘ったら火山灰の層があるんだよね・・・。B地点は標高が60mで、そこから20m掘っていくから・・・」
といった具合に考えます。
正しいのですが、ここまでの経緯は頭の中だけで進行する限り、どこにも記録が残りません。
走り書きのメモでは、あとで利用しづらいですし。
でも、じゃあどうやって思考の過程を残せばいいの?
ということになるのですが、私はいつもお子さんたちに
「はじめに少し苦労して書いておいたら、あとで結局は得することになるよ。」
とお話しします。
限られたテスト時間、急ぐ気持ちは分かるのですが、急いで処理して正答率が落ちてはもったいないですし、そうなるお子さんが非常に多いのです。
「この問題は、どういったところが難しいのかな?」
「だって、AとBとCの標高が全部違うから・・・だから、ええと、こことここの高さが同じで・・・」
といった具合です。
お子さんが「こことここの高さが同じで・・・」
と言っていたことを、書き残せばいいんですね。
具体的には、「実際の標高に合わせた図を書く」ということです。
以下のような図を書くのです。
このように、数本の横線を素早く書き、そこに標高を書きこんで、それに合わせてA~Cの図を写して書き込むのです。そうすれば、AB間では地層は傾いていないことがわかります。
BC間で火山灰の層が10m下がっていることから、このあたりの地層は
南に100m進むと10m下がる
ということがわかるわけです。
さて、こうやって図を書いておけば、たとえばC地点から東へ100m、南へ100mはなれたD地点で、地上から何m掘り進んだら火山灰の層にいきあたるか、と問われたときにも図を利用して簡単に考えることができます。
D地点はC地点よりも100m南にあるので、C地点にくらべて地層が10m下がっているはず。
図から簡単に、25m掘っていけばよことがわかりますね。
このような地層の傾きに関する問題が出題されるのは、多くが難関校とその対策の模試です。つまり、受けているお子さんたちの学力レベルも高く、このような大問を頭の中だけで考えてすべて答えてしまうお子さんも、中にはいらっしゃるかもしれません。しかしやはり書くことに勝る安全策はないと思います。
上記のような図を書くのに「時間がかかる」という思いから敬遠した結果、却って正答率を下げてしまうのは非常にもったいないことです。私はいついも時間をはかってお子さんたちに書いてもらっていますが、ものの数分もあればしっかりした図が出来上がるものです。
前回のブラックボックス同様に、「きちんと図を書いたら必ずできる」という経験のあるなしがテスト結果を大きく左右しますし、こちらもやはり正しい手順さえ踏めば「一網打尽」型の問題だからです。
このような視点で知識をつけていくと、テストの残り数分間の取り組みが違ったものになってくると思います。
今回は、これも手間がかかり、お子さんたちを手こずらせる、地層の傾きに関する問題です。
地中で地層が一定方向に向かって傾いていて、地点によってどの地層が地上から何m下にあるかがわかりにくいというものです。
しかも観測する地点自体の標高も様々、という問題では、頭の中で考えるだけではどうしても「解き切る」というところまでは至りにくいものです。
【問題】次の図1は、ある地域を真上から見たものです。A地点から真東に100mはなれたところにB地点があり、B地点から真南に100m離はなれたところにC地点があります。図のA~C地点に( )で示した数字は、それぞれの地点の標高です。
また図2は、A~C地点の地上から40m下までの地層がどのようになっているかを示したものです。
さて、この地域の地層は、どの方向に向かって下がっているでしょうか。
このような問題でよく問われるのは、
( ① )に向かって100m進むと( ② )m下がる
といった解答欄の( )を埋めるというものです。
①には方角が、②には数字が入るんですね。
さて、この問題を解くときのお子さんたちの多くは、
「ええと、A地点は標高が50mで、そこから下に10m掘ったら火山灰の層があるんだよね・・・。B地点は標高が60mで、そこから20m掘っていくから・・・」
といった具合に考えます。
正しいのですが、ここまでの経緯は頭の中だけで進行する限り、どこにも記録が残りません。
走り書きのメモでは、あとで利用しづらいですし。
でも、じゃあどうやって思考の過程を残せばいいの?
ということになるのですが、私はいつもお子さんたちに
「はじめに少し苦労して書いておいたら、あとで結局は得することになるよ。」
とお話しします。
限られたテスト時間、急ぐ気持ちは分かるのですが、急いで処理して正答率が落ちてはもったいないですし、そうなるお子さんが非常に多いのです。
「この問題は、どういったところが難しいのかな?」
「だって、AとBとCの標高が全部違うから・・・だから、ええと、こことここの高さが同じで・・・」
といった具合です。
お子さんが「こことここの高さが同じで・・・」
と言っていたことを、書き残せばいいんですね。
具体的には、「実際の標高に合わせた図を書く」ということです。
以下のような図を書くのです。
このように、数本の横線を素早く書き、そこに標高を書きこんで、それに合わせてA~Cの図を写して書き込むのです。そうすれば、AB間では地層は傾いていないことがわかります。
BC間で火山灰の層が10m下がっていることから、このあたりの地層は
南に100m進むと10m下がる
ということがわかるわけです。
さて、こうやって図を書いておけば、たとえばC地点から東へ100m、南へ100mはなれたD地点で、地上から何m掘り進んだら火山灰の層にいきあたるか、と問われたときにも図を利用して簡単に考えることができます。
D地点はC地点よりも100m南にあるので、C地点にくらべて地層が10m下がっているはず。
図から簡単に、25m掘っていけばよことがわかりますね。
このような地層の傾きに関する問題が出題されるのは、多くが難関校とその対策の模試です。つまり、受けているお子さんたちの学力レベルも高く、このような大問を頭の中だけで考えてすべて答えてしまうお子さんも、中にはいらっしゃるかもしれません。しかしやはり書くことに勝る安全策はないと思います。
上記のような図を書くのに「時間がかかる」という思いから敬遠した結果、却って正答率を下げてしまうのは非常にもったいないことです。私はいついも時間をはかってお子さんたちに書いてもらっていますが、ものの数分もあればしっかりした図が出来上がるものです。
前回のブラックボックス同様に、「きちんと図を書いたら必ずできる」という経験のあるなしがテスト結果を大きく左右しますし、こちらもやはり正しい手順さえ踏めば「一網打尽」型の問題だからです。
このような視点で知識をつけていくと、テストの残り数分間の取り組みが違ったものになってくると思います。