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ブラックボックスの考え方より学ぶべきこと

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家庭学習 2011年05月21日07時37分
さて、今回は前回の予告通り、ブラックボックスの問題の考え方を紹介しましょう。
ブラックボックスの問題は、電流の問題の中でも、特にお子さん達をてこずらせるものです。

結構手間がかかるんですね。ですから中途半端に時間をかけてしまって、結局は「適当」に答えてしまうお子さんが少なくありません。

丁寧に、解き切る練習をしておくことが大切です。
さっそく、問題を見てみましょう。

下の図のように、中身のわからない箱にたんしA~Dがついていて、中には乾電池が2個入っています。それぞれA~Dのどこかのたんしにつながっていますが、どうなっているかはわかりません。

(初芝富田林中H21年より)

さて、箱の中身はどうなっているのでしょうか。
(答えは複数あります)

ブラックボックスの問題を解くコツは、「むやみに試さない」ということです。
ではどうしたらいいのかというと、まずは「他とは違う結果になっているところに注目する」ということです。

つまり、まず第一に注目するのは、図2の表の「×」のところです。
AとCに豆電球をつなぐと、つかないんですね。

これを、ア~オの図で試します。

「アの図では、AとCに豆電球をつなぐと・・・つく。ということは、答えはアじゃないな。よし、じゃあイはどうかな・・・あ、AとCに豆電球をつないでもつかない。イが答えかもしれないぞ。」

と、ここまではOK。

「じゃあ、イの図でAとBに豆電球をつなぐとどうなるかな・・・」

と、ひとまずイの図でいろいろ試す・・・。
こうなるとダメなんですね。
もしかしたら答えはイかもしれませんが、実はウ~オも、AとCに豆電球をつなぐとつかないいんですね。

ですからうまいやり方は、まずア~オのすべての選択肢で、AとCに豆電球をつないで、つくかどうかを試すのです。するとアが答えではないことがわかりますから、以後はアは試す必要がなくなります。

どんどん試していくのですが、表にしてまとめると混乱しなくてよいですね。


AとCを試したあとは、AとB、AとD、BとC・・・と試しながら表を完成させていきます。
BとDを試したところでウとエだけが残り、最後にCとDを試して終了。

答はウとエです。

結構手間がかかりますが、あやふやではなく、丁寧に解き切る経験をしておいてもらいたい問題ですね。

「手間はかかるけどできる」

と確信を持っているお子さんとそうでないお子さんとでは、いざというときに
「残りテスト時間で、どの問題を解くか?」
というときの選択肢が違います。

しかもブラックボックスの問題は、「箱の中身さえわかってしまえば、大問のほとんどの問題が一気に解ける」という『一網打尽型』の典型的な問題なんですね。
つまり、「あと数分の残りテスト時間で、十数点稼ぐ」ことができる可能性が高いのです。

このあたりは、地層の傾きの問題と似ているのですが、「どうして電流と地層が似ているの?」という謎への回答を次回お話ししましょう。
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家庭学習 2011年05月21日07時37分
主任相談員の辻義夫
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である辻義夫が家庭学習で悩んでいる方にすぐに実践できる効果的な学習方法をお教えします。
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