「テスト直し、ちゃんとやった?」はNG 間違いを分類し正しい対策を
こんにちは! 小川大介です。
先日、セミナー後の個別相談で、次のような相談を受けました。
〈受験生ママからの相談〉
共働きの受験生の母です。
仕事が忙しく、子どもの受験勉強を付きっきりで見てあげることができません。
テストが返って来ても「テスト直し、ちゃんとやった?」と口で確認するだけで、
本人が「やったよ」と言えば、「それで良し」にしていました。
すると、成績がどんどん下がってしまい・・・・・・。
私がきちっと見てあげられればいいのですが、時間的に難しいのが現実です。
こういう状況の場合、どのようにテスト直しを進めていけばよいのでしょうか?
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「テスト直しが大事なのは分かるけれど、どのように取り組めばいいのか分からない」
という相談はよくあります。
そこで、今日は正しいテスト直しのやり方をお伝えしたいと思います。
テスト直しとは、間違えたところをもう一度解き、正しい答えを出すこと。
多くの親御さんはそう思っていることでしょう。
確かに解き直すことは必要ですが、その前にやることがあります。
それは、なぜ間違えてしまったのか原因を分析することです。
テストの間違えは、次の4つに分類することができます。
①知識がないから間違えた
②知識はあるけれど、その場の判断ミスで間違えた
③解き方が習熟できていなかったため、テストの時に解けなかった
④そもそも理解できていない
そして、同じ「×」でも間違えた原因によって対策が異なります。
「知識がないから間違えた」という場合は、とにかく覚えるしかありません。
その時に「いつ」「何を使って」覚えるか具体的に決めましょう。
「知識があるけれど、その場の判断ミスで間違えてしまった」というのは、
いわゆる「読み間違え」ですね。
「読み間違え」は“今回はたまたま“と軽視されがちですが、
“適当に読んでしまう癖“がついているとも考えられます。
ですから「次はどういうことに気を付けたらよいか」を確認しましょう。
その時、大抵の子どもは「次はちゃんと読む」「集中する」などと言いますが、
それでは漠然としていて改善にはつながりません。
「じゃあ、どういう読み方にするかやってみて」
と具体的にどうしたらいいかを確認してあげてください。
そこで初めて「えっと・・・・・・」とどうずればいいのか考え始めることができます。
お子さんだけでは上手くアイデアが出てこなければ、
「気をつけたいところに印をつけてみたら?」など、
大人の経験から案を出してあげるといいですね。
「解き方が習熟できていなかったため、テストの時に解けなかった」
というのは、「演習不足」です。
演習が足りなくて点が取れないのであれば、
これから「何を使って」「どれくらい」勉強していけば良さそうか、
やることと使う時間を決めます。
「そもそも理解できていない」というのは、
テストを受ける前から「ムリ」と思っている問題で、やっぱりムリだった問題です。
そもそも理解できていないのですから、
どんなに時間をかけて解き直しをさせても自力でなんとかなる可能性は低いはずです。
そういう時は、まずは塾の先生に質問してみましょう。
それでも分からなければ、今は理解できない問題なのかもしれません。
でも、そういう問題でも、少し経つと理解できるようになることもあります。
例えば4年生の10月の段階では理解できなかったことが、その後の学びを通じて、
5年生の7月頃には自然と理解できるようになっているということは、よくあることです。
今、どうしてもできない問題は「難問ファイル」に仕分けをしておきましょう。
「あとで分かるようになるから大丈夫!」と一度保留にしておきます。
今すぐにはどうにもならないことに対して時間と労力をかけるのは、
本人の苦手意識を強めるだけです。
根性論ではなく、今取り組むべきことと、後回しすべきことを切り分けるのが賢明な対処です。
このように間違えを分類し、それに応じた対策を選んでいきます。
そして、その対策ができているかどうかを親御さんがチェックします。
間違えの分類は、お子さんでもできます。
上の4つを書き出し、「この間違えは4つの中のどれに当てはまるかな?」と、
お子さん自身に問いかけてみてください。
一方、対策については、親子で確認するようにしましょう。
お子さんだけでは、具体的な対策を決めるところまでたどり着けない場合があります。
やることがはっきりと決まれば、「じゃあ、がんばってね」と
実行そのものは子どもに任せてもいいでしょう。
ただし、それがきちんとできたかどうかの確認は親御さんがします。
「ここまで自分でできたのね。がんばったね」
とやれたことを褒めてあげてください。
できていないところについては、
「どうしたらいいかな?」「いつやろうか?」と促すようにしていけば、
自力でできることも増えていきます。
このように関わっていくことで、
共働きの忙しい親御さんでもフォローすることができます。
正しいテスト直しのやり方を身につけ、次につなげていきましょう。