知っているのにテストで間違うのはなぜ???
こんにちは!
「かしこい塾の使い方」
主任相談員の小川です。
「かしこい塾の使い方」
主任相談員の小川です。
時間が過ぎるのは早いもので、今年もあと残り一か月と少しという時期になりました。
受験生の皆さんは限られた時間の中で、過去問を研究したり、
これまで勉強してきた知識をおさらいしたりしていることでしょう。
受験当日に自分の持っている実力を十分に発揮するためには、
模試での偏差値や過去問の点数による「能力的な自信」だけでなく、
「精神的な自信」が必要になります。
そして、「精神的な自信」とは、
自分が受験する学校の入試問題については、
どの教科のどの分野が出題されても大丈夫、
と思えている状態です。
つまり、苦手としている分野がないことです。
そのためには、年内に苦手分野を一つ一つ克服することが
重要になってきますね。
苦手分野を克服するためには、
まず苦手分野を発見しなければいけません。
一番効率の良い方法は、実際に問題を解くことですね。
受験生の皆さんは、毎日本当にたくさんの問題を解いています。
せっかく時間をかけて問題を解いているのですから、
目的を持って進めるようにしましょう。
ただ単に間違った問題をやり直すのでは、非効率です。
どのような間違いであるのかを分析しましょう。
分野としての理解が不足しているのか
その問題に関する知識が不足しているのか
その問題について考え違いが起きたのか
といったことを見極め、それに応じて必要な学習を選んでいくのです。
例えば、この時期よくあるご相談に、
理科や社会の暗記科目についての悩みがあります。
それは、「問題の答えとなる単語は頭に入っているのに、なぜか間違う」
というものです。
「間違う理由が分からない」というのが、悩みの本質になります。
このご相談をなさる方は、
模試を受けた会場での点数と、
家で再度解いた点数に大きな差がある
という特徴を持っています。
この問題を解決するために、
まず考えなければいけないことがあります。
それは、
「本当に知識さえあれば問題を解くことが出来るのでしょうか?」
ということです。
これを考えるために、
「そもそも、問題を解く」とはどういうプロセスを辿るのかを
確認しましょう。
日ごろあまり意識していない人も多いでしょうが、
問題を解くためには「三つのステップ」を踏む必要があります。
一つ目は、「問題」そのものの分析です。
問題文からはどんな情報が与えられていて、
何が求められているのかを整理していきます。
問題を分析することによって、
答えのヒントとなる「キーワード」に
「気付く」ことが出来るかどうか。
さらに、そこから「問いの核心」を理解することが
出来るかどうかがポイントになります。
二つ目は、「問いの核心」に対して、
自分の頭に入っている「使える知識」を
「思い出す」ことが出来るかどうかです。
頑張って暗記した「知識」は、ここで活躍することになります。
三つ目は、「気付き」、「思い出す」ことが出来たことを前提に、
その二つを「あてはめる」又は「組み合わせる」ことによって
正解を導き出すことが出来るかどうかです。
ここで一番のポイントは、
いくら頑張ってたくさんの知識を暗記しても、
そもそも、問題を見て「気付く力」がないと、
正解することが出来ないということです。
何が与えられていて、何が求められているのかが分からなければ、
自分が持つどの知識を使えばいいのかが、判断できないからです。
しかし、この事が分からないと、
「正解するためには問題そのものを丸暗記すればいいんだ」
という事になり、間違った方向に進んでしまいます。
問題を丸暗記することには多大な労力を使うのに対し、
少しひねった問題には対応することが出来ません。
頑張って勉強しても、それが点数につながらなければ
学習意欲の低下につながります。
それはあまりにもかわいそうですよね。
では、問題を解く上で重要な「気付く力」は、
どうすれば身に付くことが出来るのでしょうか。
それは、「問題の読み方」を工夫することです。
具体的に、
①問題を、「要素」に分解する
②「要素」を分析し、この問題は「テーマの核心」の問題か、
それとも「テーマの枝葉」の問題か、を把握する。
といったことを意識的に続けていきます。
この部分に関しては、具体的に問題を使って説明する方が理解しやすいので、
次回、実際の過去の入試問題を使用してお話ししたいと思います。
心・技・体を整えて、
お子さんの可能性を
形にしていきましょう!