中学受験を続けるかどうか、悩んだ時に?
こんにちは!
「かしこい塾の使い方」
主任相談員の小川です。
厳しい残暑が続いていますね。
首都圏では渇水のために、11年ぶりの取水制限となったようです。
感覚的には、それなりに雨も降っているような気がするのですが、
一度降ると激しく降りつけてくるので印象が強いだけなのかもしれません。
夏休みが済んで学校も始まり、
子ども達にとっては体調を崩しやすい時期でもあります。
今しばらく、熱中症対策を続けるようにしてあげてくださいね。
ところで、5,6年生にとっては、学校が始まること以外にも、
体調を崩す要因があります。
それは、9月に入ってテストの回数が増えてくることです。
5年生は、6年生へ上がる際の準備期間として、
塾でのクラスアップ、算数の実力向上などが気になる時期です。
テスト結果が今まで以上に気になってもくるでしょう。
また6年生は、
志望校に向けた自分の位置づけを見つめざるを得ませんから、
不本意な成績が出た時には苦しい思いもあるでしょう。
ストレスが増しやすいのですね。
子どもも。
そして、お母さん、お父さんも。
ですからこの時期になると、こんな相談が増えてきます。
『先生、うちの子はやっぱり中学受験に向いていないのではないでしょうか』
『親のエゴで受験に向かわせてしまったんじゃないかと思って、
これでいいのか悩んでしまいます』
『結局本人がやる気にならないと仕方がないので、
中学受験はあきらめようと思うのですが、
先生はどう思われますか?』
多くの方が、同じ悩みを抱えてらっしゃいます。
そして正解はありません。
お子さんそれぞれに成長の段階があります。
将来の夢がある子もいれば、まだ持っていない子もいます。
勉強以外に打ち込みたいものを、持っている子もいます。
中学受験のレールから降りて、
学習と成長の設計をやり直すのも、
一つの賢明な選択です。
ただ一つだけ注意が必要です。
それは、
「中学受験をやめるかどうかは、
親が自分の思いで結論決めするのではなく、
お子さん自身の理解と納得の上で決断しなければならない」
ということです。
中学受験に関わると、親には色々な感情が押し寄せてきます。
期待する気持ち。
成績を出してきた時の嬉しい気持ち。
自慢したい気持ち。
勉強が上手く行っていない時には、いらいらする気持ち。不安な気持ち。
助けてあげられない情けなさ。悔しさ。
お金がかかることに対して、あきらめる気持ち。でも怒りを覚えてしまうことへの戸惑い。
見栄を張りたい自分に気づいて、恥ずかしくなることも。
誰でもそうです。
みな同じように悩むんです。中学受験を決めた時から。
なぜなら、
「中学受験は結果が出る」からです。
親としては、
子ががんばっていることそのものを褒めてやりたいし、
それで十分だと思っているのに、
入試日が来たら「結果」が出てしまうのです。
〆切が来てしまう。
親は受験の〆切からは子を守ってやることができません。
それが中学受験の苦しさです。
まだ守ってやりたい年齢なのに、
結果を突き付けられる。
自分自身にナイフが向かっているような、
たまらない痛みを感じるお母さんもいらっしゃることでしょう。
ですが、
だからこそ中学受験には大きな価値がある
ということも分かっておいてください。
中学受験の勉強は、
「社会に出て生きていく力を育んでくれる」
のです。
「社会に出る」とはどういうことでしょう。
人により色々な見方があるでしょうが、
私は、
「自分以外の人々によって自分の価値を決められてしまう」
ということだと考えています。
どんなに自分なりにがんばっていても、
どんなに心の中で優しい思いを持っていても、
どんなに画期的なアイデアを胸の内で秘めていても、
行動に移さなければ評価されません。
親の保護、学校の保護
から離れて、
分かってもらえる嬉しさ、
分かってもらえないつらさ、
に自分自身で向き合い始めること。
これが社会に出るという意味だと思います。
中学受験に臨むということは、
この「社会に出る」というチャレンジと
同じなのです。
その体験を、11歳の子にさせてあげられる。
中学受験を乗り越えてきた子たちの多くが、
精神的にタフになること、
自分と周囲との関係を冷静に見つめるようになることは、
決して偶然ではありません。
私が最近感銘を受けた言葉に、
「子育て四訓」というものがあります。
山口県のある教育者の方が、
長年の経験からまとめた言葉です。
乳児はしっかり 肌を離すな
幼児は肌を離せ 手を離すな
少年は手を離せ 目を離すな
青年は目を離せ 心を離すな
お子さんが中学受験に向かう時、
親はまさに自分自身の手を離し、
人に託し、
本人自身が歩き出すのを
必死で見守る時期に入っているのです。
彼らは、年齢的には少年であり少女です。
しかし、ある面では「青年」になろうとしているのかもしれません。
中学受験の意味に悩まれた時、
立ち戻る先は一つです。
「この子が健やかに育って欲しい」
中学受験という経験は、
あくまでも一つの選択です。
選んでも良いし、選ばなくても良い。
ただし一度参加したのであれば、
本人ときちんと話し合って結論を出すようにしてください。
彼、彼女は見た目の年齢以上に、
内面が育っていますから。
それでは今日も、
出会う方全ての可能性を
拓いて参りましょう!
「かしこい塾の使い方」
主任相談員の小川です。
厳しい残暑が続いていますね。
首都圏では渇水のために、11年ぶりの取水制限となったようです。
感覚的には、それなりに雨も降っているような気がするのですが、
一度降ると激しく降りつけてくるので印象が強いだけなのかもしれません。
夏休みが済んで学校も始まり、
子ども達にとっては体調を崩しやすい時期でもあります。
今しばらく、熱中症対策を続けるようにしてあげてくださいね。
ところで、5,6年生にとっては、学校が始まること以外にも、
体調を崩す要因があります。
それは、9月に入ってテストの回数が増えてくることです。
5年生は、6年生へ上がる際の準備期間として、
塾でのクラスアップ、算数の実力向上などが気になる時期です。
テスト結果が今まで以上に気になってもくるでしょう。
また6年生は、
志望校に向けた自分の位置づけを見つめざるを得ませんから、
不本意な成績が出た時には苦しい思いもあるでしょう。
ストレスが増しやすいのですね。
子どもも。
そして、お母さん、お父さんも。
ですからこの時期になると、こんな相談が増えてきます。
『先生、うちの子はやっぱり中学受験に向いていないのではないでしょうか』
『親のエゴで受験に向かわせてしまったんじゃないかと思って、
これでいいのか悩んでしまいます』
『結局本人がやる気にならないと仕方がないので、
中学受験はあきらめようと思うのですが、
先生はどう思われますか?』
多くの方が、同じ悩みを抱えてらっしゃいます。
そして正解はありません。
お子さんそれぞれに成長の段階があります。
将来の夢がある子もいれば、まだ持っていない子もいます。
勉強以外に打ち込みたいものを、持っている子もいます。
中学受験のレールから降りて、
学習と成長の設計をやり直すのも、
一つの賢明な選択です。
ただ一つだけ注意が必要です。
それは、
「中学受験をやめるかどうかは、
親が自分の思いで結論決めするのではなく、
お子さん自身の理解と納得の上で決断しなければならない」
ということです。
中学受験に関わると、親には色々な感情が押し寄せてきます。
期待する気持ち。
成績を出してきた時の嬉しい気持ち。
自慢したい気持ち。
勉強が上手く行っていない時には、いらいらする気持ち。不安な気持ち。
助けてあげられない情けなさ。悔しさ。
お金がかかることに対して、あきらめる気持ち。でも怒りを覚えてしまうことへの戸惑い。
見栄を張りたい自分に気づいて、恥ずかしくなることも。
誰でもそうです。
みな同じように悩むんです。中学受験を決めた時から。
なぜなら、
「中学受験は結果が出る」からです。
親としては、
子ががんばっていることそのものを褒めてやりたいし、
それで十分だと思っているのに、
入試日が来たら「結果」が出てしまうのです。
〆切が来てしまう。
親は受験の〆切からは子を守ってやることができません。
それが中学受験の苦しさです。
まだ守ってやりたい年齢なのに、
結果を突き付けられる。
自分自身にナイフが向かっているような、
たまらない痛みを感じるお母さんもいらっしゃることでしょう。
ですが、
だからこそ中学受験には大きな価値がある
ということも分かっておいてください。
中学受験の勉強は、
「社会に出て生きていく力を育んでくれる」
のです。
「社会に出る」とはどういうことでしょう。
人により色々な見方があるでしょうが、
私は、
「自分以外の人々によって自分の価値を決められてしまう」
ということだと考えています。
どんなに自分なりにがんばっていても、
どんなに心の中で優しい思いを持っていても、
どんなに画期的なアイデアを胸の内で秘めていても、
行動に移さなければ評価されません。
親の保護、学校の保護
から離れて、
分かってもらえる嬉しさ、
分かってもらえないつらさ、
に自分自身で向き合い始めること。
これが社会に出るという意味だと思います。
中学受験に臨むということは、
この「社会に出る」というチャレンジと
同じなのです。
その体験を、11歳の子にさせてあげられる。
中学受験を乗り越えてきた子たちの多くが、
精神的にタフになること、
自分と周囲との関係を冷静に見つめるようになることは、
決して偶然ではありません。
私が最近感銘を受けた言葉に、
「子育て四訓」というものがあります。
山口県のある教育者の方が、
長年の経験からまとめた言葉です。
乳児はしっかり 肌を離すな
幼児は肌を離せ 手を離すな
少年は手を離せ 目を離すな
青年は目を離せ 心を離すな
お子さんが中学受験に向かう時、
親はまさに自分自身の手を離し、
人に託し、
本人自身が歩き出すのを
必死で見守る時期に入っているのです。
彼らは、年齢的には少年であり少女です。
しかし、ある面では「青年」になろうとしているのかもしれません。
中学受験の意味に悩まれた時、
立ち戻る先は一つです。
「この子が健やかに育って欲しい」
中学受験という経験は、
あくまでも一つの選択です。
選んでも良いし、選ばなくても良い。
ただし一度参加したのであれば、
本人ときちんと話し合って結論を出すようにしてください。
彼、彼女は見た目の年齢以上に、
内面が育っていますから。
それでは今日も、
出会う方全ての可能性を
拓いて参りましょう!