受験国語 得点力を上げるために覚えておきたいテクニックとは
こんにちは! 小川大介です。
国語の得意・不得意はセンスによるもの、
と思っている親御さんは多いようです。
そのため、どのように対策をしていいのかわからず、
「うちの子は国語が苦手だから・・・」
とあきらめてしまっていることも少なくありません。
でも、それは大きな誤解です。
国語の得意・不得意はセンスではなく、
押さえておくべきことを身に付ければ、
必ずどんな子でも成績が上がります。
まず前提として、国語のテストというものが
どういうものかを知っておく必要があります。
中学入試の国語で大切なのが「設問の読み方」です。
「設問」をしっかり読んで理解し、
設問をつくった人が何を答えさせようとしているのか、
この問題文をどう読ませようとしているかを知ることが大切です。
詳しくは以前の記事『国語で高得点がとれる子・とれない子』
で説明をしていますので、ぜひご参考ください。
さて、今回は、文章の読み方ではなく、
覚えておくべき知識についてお伝えしたいと思います。
中学受験の国語入試は、
小学校の教科書で扱う素材文よりも内容が難しく、
言葉を知っていないと答えられないことがあります。
こうした場合、どうすればいいのかといえば、
覚えてしまうのです。
例えば、論説文やエッセイなどを素材とした場合、
「絶対的←→相対的」などの二項対立の概念を
知識として持っていなければ解けません。
こうした概念を読書だけで吸収するのは難しいので、
「知識」として覚えてしまいましょう。
中学入試で定番中の定番と言えるものは数十個程度ですし、
それほど難しいものではないので覚えてしまうのが得策です。
例えば文章中に「空間的には同一平面上に存在しているが」
などという文章が出てきた場合、大人ならすぐに
「空間的には同じでも時間軸は違うということだろうな」
と判断できますよね。
「空間」ときたら「時間」が対立概念だということを
経験的に知っているからです。
このように大人にとっては当たり前の概念、観念ですが、
子どもが短期間のうちに自然に体得するのは無理というもの。
ですからここは割り切って
「大人というのは、そう考えるものなのだ」
というパターンとして覚えておくのが正解です。
ただ、語彙の問題として「空間の反対は時間」と答えられても、
その使い方がわからなければ意味がありません。
単語リストをつくって反対語の暗記をして終わるのではなく、
問題文に「二項対立」の概念が出てきたら、
「あ、ここだ!」とマークして
文章イメージとともに定着させていくといいでしょう。
【覚えておきたい10つの「対立概念」】
全体←→部分
抽象←→具象
実質←→形式
客観←→主観
絶対←→相対
一般←→特殊
観念←→現実
必然←→偶然
論理←→感覚
本質←→現象
同じことは、物語文などに出てくる動作や様子、
気持ちを表す言葉にも言えます。
中学入試には「あげつらう」「まどろむ」
「いそいそと」「うしろめたい」など、
小学生の子どもが普段の会話や文章で使わない言葉が
たくさん出てきます。
そういう言葉も「知識」として覚えてしまいましょう。
ただし、これも二項対立と同じで、
「暗記」していても使えなければ意味がありません。
なるべく身近な例を教えてあげて、
そのニュアンスを理解できるようにしてあげるといいですね。
例えば「うしろめたい」という言葉を説明する場合、
「○○ちゃんと前々から行く約束をしていた映画に、
△△ちゃんと行くことになってしまった」という例を挙げれば、
小学生でも感じがつかめるはずです。
嬉しいけれど素直に喜べない、気がとがめる、
悪いことをしているような気がする、○○ちゃんに申し訳ない、
といった気持ちが交じっていることが
「実感」をともなって理解できれば、
別のシーンで使われていても理解できるでしょう。
ただ、気持ちを表す言葉だけでも相当の数があります。
やみくもに暗記をしても使いこなせませんから、
「喜・好」「怒・嫌」「哀・悩」「楽・焦」
といった感情のグループに分けて覚えることをおすすめします。
論説文やエッセイでは二項対立、
物語文では動作や様子、気持ちを表す言葉の「知識」
を増やすことが、得点力につながります。
「国語はセンス」「国語は感性」と思っている親御さんは
抵抗感があるかもしれませんが、
中学入試の国語と物語を読み味わうことは別であること
を知っていただき、正しい学習を進めていきましょう。
中学受験の国語の対策については、こちらの本をぜひ参考にしてみてください。