中学受験 テスト直しと宿題、どちらを優先すべき?
こんにちは! 小川大介です。
6年生になると、塾での拘束時間が長くなり、
家庭学習をする時間的余裕がなくなってきます。
塾からはたくさんの宿題が出されるし、
テスト直しをする時間も欲しい。
どちらを優先すればいいのか悩みますよね。
成績を上げる近道として、理想の学習サイクルは、
「目的意識」→「授業」→「宿題」→「テスト」
の4つが円を描くように回っていくこと。
サイクルのそれぞれにやり方があり、
お子さんに合った取り組み方ができていれば、
成績は必ず上がります。
逆にいえば、成績が伸びない場合、
このサイクルのどこかのステップでやり方を間違えているのです。
成績が伸びないからといって、
あれもこれも手を付けようとすれば
あっという間に睡眠不足になってしまいます。
学習サイクルのどこが上手く行っていないのかを突き止めてから、
改善に取り組むようにする。
これが効率の良い成績アップ法です。
今回はこのサイクルの中から、
「テスト」についてみていきましょう。
まず、皆さんは「テスト」に対してどんなイメージをお持ちですか?
「いつも緊張して実力が出せなかった」
「いやな気分になってばかり」といった
ネガティブな声が聞こえてきそうですね。
そして、「テスト=出来ていないところを調べるもの」
という認識をお持ちの方も多いでしょう。
しかし、私たち学習のプロは、そうは見ません。
テストとは「ダメ出しする」ものではなく、
「努力を褒めてもらえる」ものと考えています。
学習サイクルをうまく回していく上では、
今なにができていて、次に何をすればいいのかを
「分析する」のがテストの本質です。
ですから、「テスト直し」も、
間違った問題をもう一度解くというやり方では効果半減です。
できていたところは、
それまでの勉強が正しかったことを表し、
出来ていなかった問題は、
勉強の取り組み不足かやり方の間違いを示している。
ここをしっかり理解できていれば、
テストのたびに勉強を上達させていくことができます。
では、どこに注目すればいいのでしょうか?
テスト管理で重要視すべき材料は、
テストの後に配られる各問題別の「正解率表」です。
それをもとに、解き直すべき問題の仕分けを進めていきます。
間違えた問題のうち、正答率が50%を超えるものがあれば、
それは受験生の2人に1人が正解できる基礎問題ですので、
必ずできるようにしましょう。
正解率の高さは志望校によって変わってきます。
よく言われることですが、
100から志望校の偏差値を差し引いた値を参考にしてもいいでしょう。
志望校偏差値が60なら、
100−60で正解率40%までの問題は解けるようにしておく。
さらに正解率が低い難問でも、
「あと少しで解けそうだった」という問題があれば、
解けるようにしておくといいですね。
他の子が解けない問題が解けるというのは、
入試では大きな得点源になります。
正解しておくべきだった問題を間違えてしまった場合、
学習サイクルのステップごとに
どんな努力が必要だったかをふり返ってみます。
例えば「授業」だったら、
授業中に先生が強調して言っていたことを聞き逃していなかったか、
「宿題」なら、取り組む問題の選別は合っていたのか、
といった感じで一つひとつ確認していきます。
よく「ケアレスミスだった」と
簡単に片付けてしまう親子がいますが、
単に集中力が欠けていたと結論づけるのは要注意です。
というのも、ケアレスミスは親御さんが思うほど単純な問題ではなく、
精神的な問題や技術的な問題に起因することが多く、
実はちゃんと理由があって不正解になっているのです。
ですから、適切な対応をしないと、
同じミスをくり返してしまう可能性がとても高いのです。
例えば、式の段階では合っているのに、
答えを写し間違えてしまう子は、
目の前の問題を完了させる前に、
次の問題を読み始める癖がついていることが多い。
その背景には、「テスト中に過度に焦りやすい」
というメンタルの問題を抱えていることも考えられます。
こうした癖は意識的に修正しない限り、
同じ行動をくり返します。
ケアレスミスの原因を正確に突き止めるには、
テスト中の様子を上手に聞き出すことと、
日頃、お子さんが問題を解いている様子をよく観察してみることです。
原因を突き止め、対処できれば、
かなりの確率でケアレスミスをなくすことができます。
親御さんだけで判断するのが難しければ、
プロの力を借りるといいでしょう。
大事なのは、テストの結果を正しく分析し、次に活かすことです。
詳しくは、今発売中のプレジデントファミリームック
『中学受験大百科2019完全保存版』にも書いてありますので、
ぜひご参考にしてください。