子どもの”自信の種”をまく親の言葉かけ
こんにちは! 小川大介です。
「新しいことや少し難しそうな問題を見ると、
すぐに『無理』『できない』と
あきらめてしまうのが歯がゆくて・・・・・・」
「授業参観の時、明らかに答えが分かっている問題で、
みんなが手を上げて答えたがっているのに、
うちの子は手を上げようとしなくて・・・・・・」
わが子がもっと自信を持ってくれたら、
というご相談をよく受けることがあります。
では、そもそも「自信」とは
どのようにして生まれるものなのでしょうか?
自信とはまさに「自分を信じる」ということなのだから、
結局は本人次第でしょ?
と思っている方もいらっしゃるでしょう。
自分自身がこれまで努力をして出来た人、
人一倍成果を上げて来た人など、
いわゆる”できる人”は、
どちらかというと「本人次第」と
感じる傾向があるようです。
しかし、私は、自信の育みを
「本人次第」でやっていけるのは、
ほんのわずかな人で、
多くの人が周囲のサポートを
必要としていると思っています。
学歴を追求していればよかった時代が過ぎ、
「みんなと同じ」よりも「個性」が
求めはじめられている今は特に、
何を基準に自信を持てばよいのか分からないと
感じている人が増えているように思います。
ただ数多くの子どもたちとその保護者を
お手伝いしてきた経験からも、
私は、自信を持つかどうかに
「根拠」は要らないと確信しています。
なぜなら、自信は思い込みだからです。
自信のない子を勇気づけるには、
なにかすごい成果をあげさせようとするよりも、
自信が持てるように、
“思い込み”の手伝いをしてあげる方がよほど効果的なのです。
人からの評価ではなく、
自分で自分に「大丈夫」と言える方がずっと大切だからです。
さてこの“思い込み”の手伝いですが、
まずはお子さんをよく観察することがスタートです。
「自分はできるんだ」「自分は大丈夫だ」
と本人が思い込むには、
そのきっかけを本人自身が持たなくてはなりません。
自信を持つのが上手な人は、
この自信のきっかけ作りがうまい人です。
お友達とかけっこをして、
たまたまその日は自分が一着になったら、
「私は走るのが得意なんだな」と思うことができる。
友達と織田信長の話をしていたら、
自分の方が詳しく知っていたので、
「僕は物知りなんだ」という気づき方ができる。
このように、自信のきっかけ作りとは、
「気づくこと+ポジティブな解釈」なのです。
そして、きっかけができたら、
「自分はできるんだ」「得意なんだ」「大丈夫だ」
と自信を強化していけばいいのです。
ところが、自信を持つことが得意でない人は、
このきっかけ作りのところがうまくいきません。
「僕って勉強ができないから・・・・・・」
「私は何の取り柄もないから・・・・・・」
と、自分ができないことに気持ちが引っ張られてしまうからです。
そういうお子さんにこそ、親御さんの出番です。
「この色の使い方すごく素敵だね! いいセンスしているね」
「さっきの説明の仕方、とても分かりやすかったよ」
と、ちょっとしたことでいいので、
お子さんの”いいな”と思える点を言葉にして教えてあげるのです。
この”ちょっとしたこと”を伝えるには、
お子さんをしっかり見てあげることが大切です。
つまり、観察がポイントになります。
お子さんを日頃から意識的に観察をしていると、
いろいろなことに気づかされます。
そこで見つけた“いいな”を
本人にポジティブに伝えてあげましょう。
自分のできているところ、
自分が認められているところを教えてもらうたびに、
お子さんの”自信の種”が植わっていきます。
特に子どもは、
周囲の大人から渡された言葉によって育ちます。
周囲と自分を比較して客観視するという力が
まだ育っていない子どもにとって、
自分自身を知る術は
親をはじめとした周囲の大人からの言葉だからです。
「あなたは○○ができる子ね」と伝えられて、
自分はそういう力を持った人なんだと意識する。
意識するからその行動をさらに取るようになる。
さらに行動するから得意にもなるし、
「自分自身はこうだ」という自我にもつながってくるのです。
ここでポイントは、
「○○ができるね」「○○が得意だね」と声をかけるのは、
本人自身が何らかの手応えを感じたタイミングで
行うのがベストだということです。
自分自身が「できたかな」「やれたかな」と
確信するほどではないけれどできた気がする時に、
「できているね!」と声をかけることで、
「自分は確かにできたんだ。できるんだ」
という”自信の種”が植わるからです。
この”自信の種”は、
できる体験をくり返すことで芽を出し、
太く育っていきます。
そのきっかけ作りに必要なのが、
いつもお子さんに心を向けている、
親御さんの気づきと言葉かけなのです。