わが子の”天才”を見つけて伸ばそう!
こんにちは! 小川大介です。
小さい子どもを見ていると、
教えたわけでもないのにいつの間にか言葉を覚えていたり、
お兄ちゃんのサッカーを眺めていただけなのに
リフティングのまねごとができたり、
大人では思いつかないようなハッとする色使いで絵を描いたり
と驚くことがいっぱいあります。
子どもにはそれぞれ持ち味があり、
その持ち味はどこまでも伸びていく性質を持っています。
特に幼児期は、
様々な方向に伸びていく可能性をどの子もたくさん持っています。
それを私は”子どもの天才”と呼んできます。
しかし、その”天才”を伸ばすもつぶすも親次第。
なぜなら、子どもは与えられた言葉で自分を作っていくからです。
自分自身というと、
「自分はこうありたいんだ」という”自我”を
指すことだと思う方が多いのですが、
それは思春期を過ぎた後の話です。
幼児期の子ども達が自分自身を持つ最初は、
自我の働きからではないのです。
子どもたちは、「自分」の最初を、大人から、
特に親から渡される言葉によって見つけ始めるのです。
幼い子どもは自分自身を感じることはできます。
しかし、それが何なのかを自分では言葉にできません。
言葉にならない間は、
“自分”という意識に引き上げることもできません。
知覚し認識するには、言葉の力が必要だからです。
「○○くんは足が速いね!カッコイイね!」と言われることで、
子どもは「自分は人より足が速いんだ!」ということを知ります。
走ることが好きにもなるでしょう。
「○○ちゃんは色のセンスがあるね」とほめてもらえれば、
絵を描いたり見たりすることが好きになります。
そうやってまわりから渡された言葉により、
「自分はそういう人なんだ」と気づき、
「そういう自分」を育てていくうちに、
自分の中でも自分自身はこうでありたいという自我が目覚め、
自分らしさを確立していきます。
自分の力を繰り返し使うことで、「自信」が育ちます。
しかし、このメカニズムはマイナスに働くこともあります。
ある女の子は、お母さんがうっかりと
「あなたは算数のセンスがないわね」
と口走ってしまったことが意識に残ってしまい、
それからずっと自分は算数ができないと思い込んで、
成績も低空飛行を続けていました。
でも、絵を描くのが得意な彼女は、
実は図形センスにあふれていたのです。
計算も慌てて解こうとするから間違ってしまっていただけで、
間違えにくい工夫を教えてあげたら、
すんなりと解けるようになりました。
もともと算数的な能力は持っていた子だったんですね。
けれども、「自分は算数のセンスがない」と思い込んでいたので、
その力を使わずにいたのです。
子どもは、「自分が持っていると思う力」は使うことができます。
プラスの言葉をたくさん渡された子は、
自分の持つ”天才”を当たり前のように使っていくから
伸びていくのです。
逆に、自分は劣っている。
そんな力は持っていないと思っている力は、使いません。
使わなければ「できる」という経験も自信も生まれません。
それはとても残念なことです。
つまり、お子さんの”天才の芽”を伸ばすのも、
摘んでしまうのも親の言葉がけ次第なのです。
そして、それ以前にもっと大切なことがあります。
それは、親御さんがお子さんの”天才”に気づけるかどうかです。
小さい頃は、ちょっとしたことでもできたら、
「わぁ、すごい! うちの子天才かも!」
と親バカを発揮していたのではないでしょうか?
ところが、年齢が上がってくると、
「このくらいはできて当たり前」
とほめるハードルが上がってきていませんか?
お子さんが小学生になると、
親御さんも求めるものが多くなり、
ほめることよりも、できないことに目が向き、
小言を言ってしまいがちです。
また、お子さん自身も、
自分と友達をと比べるようになり、
「できていない自分」に劣等感を持つようになります。
でも、そんな時こそ、
親御さんはお子さんの良いところを見つけて、
それを言葉で伝えてあげてください。
子どもはいくつになっても親から認められたり、
ほめられたりすると嬉しいもの。
いつもそばにいる親御さんだからこそ気づける、
お子さんの”天才”を伸ばしてあげましょう。