たかが漢字 されど漢字
こんにちは!
「かしこい塾の使い方」
主任相談員の小川です。
「かしこい塾の使い方」
主任相談員の小川です。
早いものですねぇ。
あっという間に夏休み最後のエントリーとなりました。
夏休みに合わせて、このブログでは、
国語の成績アップにつながる話題を
お話ししてきました。
スタート
前回
夏の締めくくりの今回は、漢字について触れたいと思います。
「漢字って暗記するだけでしょ?」
と思う人が多いのですが、
いざ学習しようとすると、これが一筋縄ではいきません。
小学校で習う漢字が何文字かご存知ですか?
「1006字」なんです。
ということは小学校配当漢字だけで作られる2字熟語の数は、
理論上1006×1006で、約100万語あることになります。
実際にはそんな数にはなりませんが、
通常使用される言葉でも1万語以上の熟語があります。
「暗記するだけ」って言えないですよね。
いくら覚えてもキリがありません。
ところが実際には、
漢字の問題でいつも満点、というお子さんがいますね。
一方、漢字の勉強時間もそれなりに取っているはずなのに、
テストでは10問中7問正解するのがやっと、
というお子さんもいます。
この差はどこから生まれるのでしょう?
同じ時間勉強しているはずが、
漢字の点数に差がついてしまう、
その理由は、
暗記している内容の違いなのです。
お子さんが漢字の書き取りをする時、
目がどこを見ているかチェックしてください。
漢字に直すカタカナの部分だけ見ている子
・・・×です。
文を読んでから、傍線部分に目をやって漢字を書き出す子
・・・○です。
漢字を学習するとは、
1.字の形を覚える
2.字が持つ意味を覚える
3.目の前の文を読んで内容を確認する
4.文の内容にあう意味の漢字を思い出す
この4つのステップを経ていくものです。
(「部首」の学習は、1と2の両方に関わっています。)
「漢字は暗記するだけでしょ」と言う子は、
1と2しか意識できていなことがほとんどです。
漢字の勉強は、「漢字」を覚えるものだと考えているのですね。
ですから、テストで出来ないと、「習ってないもん」と平気で言います。
一方、いつも漢字の点数がいい子は、
漢字の勉強とは、「文章の理解+漢字の暗記」
ということをよく分かっています。
常に文章の中で漢字を覚えていきますから、
自然と言葉の意味と合わせて漢字を理解していきます。
すると、「文脈から判断して、こっちの字だな」ということが
分かるようになってくるのです。
突然ですが、次のカタカナを漢字に直してみてください。
■キュウタイのスクリーンに情報をウツし出す
■センサーがカンチして映像も動きます
■ソウデンが再開されました
■2本のレールの中間にハガタのあるレールをモウけ、
シャリョウ側のゲンドウキで
答えは順に、
球体 / 映(し) / 感知 / 送電 / 歯形 /
設(け) / 車両 / 原動機
となります。
「関知」や「歯型」と書いてしまった人はいませんか?
また「原動機」が思い浮かばなかった人もいるんじゃないでしょうか。
文の意味が分からないと、同じ音の漢字のいずれを使えばいいのか、
判断ができませんね。
今の文はいずれも、本日の「朝日小学生新聞」から抜粋したものでした。
(一部言葉を変更しています)
「デジタル地球儀」の記事、
東日本大震災の被災地でようやく電気が復旧した話題、
碓氷峠で採用された、「アプト式」の登山鉄道の話題
「アプト式」について知っている子はもちろんのこと、
文を読んでイメージがわいた子であれば、
「歯形」と書けるでしょう。
しかし、映像が全く浮かばない子なら、
漢字の音だけから判断して、
「歯型」と書いてしまうでしょうね。
これが、
漢字の勉強とは、「文章の理解+漢字の暗記」
ということです。
つまり、漢字の力を高めたければ、
文章理解を深め、文章の記憶を増やしていくこと
が大切なのです。
入試の文章には、
「自然と科学の進歩」「時間」「テレビと読書」など、
非常に良く出るテーマがあります。
そして同じテーマの文章には、
似た言葉が用いられるのが普通です。
ということは、同じテーマの文章では、
同じ漢字の書き取りが出てくる
ということになります。
1つ1つの文章で、
きっちりと理解し、記憶にとどめた子は、
次に似た文章が出てきた時に漢字の書き取りも余裕です。
文章を読み散らかして、
理解も記憶も中途半端な子は、
同じ漢字が出てきても気づきません。
漢字の学習には、
漢字の問題集を解きつぶして暗記することが、
もちろん必要です。
しかし、文章読解自体がすでに漢字の学習になっている、
ということも意識するようにしましょう。
そうすれば漢字の得点力が確実にアップしていきます。
少なくとも、
カタカナだけを見て漢字を書いてしまう
ということはなくなるでしょう(笑)
正しく学べば、
国語は誰でも成績が上がります。
楽しく勉強していきましょう!
国語は誰でも成績が上がります。
楽しく勉強していきましょう!