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夏休みに備える② ~学習時間≠実働時間~

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中学受験 2011年06月03日14時57分
昨日は夏休みの学習について、自分オリジナルの学習に充てられる時間は子供たちが思っているほどには確保できない、という点を考えました。
特に6年生は、塾から言われるままに学習を進めていると、弱点補強や志望校に向けての強化学習の時間は全くといっていいほど取れないということを見ていきました。

では6年生以外はどうなのでしょう?
6年生と違って5年生や4年生の場合、塾での授業時間がそれほど長くありません。
8時間の学習時間を確保しているなら、テンポよく学習を進められたなら3~4時間を自分独自の学習に充てられそうです。
1日に3時間も使えたら、たくさんのことができそうですね。

しかし・・・実際にはなかなかそういうわけにはいきません。

子供の考える「学習時間」と、実際に学習効果につながっている「実働時間」とは大幅にずれるのが通例だからです。
そもそも、5年生で毎日8時間も集中した学習ができる子は、相当のつわものです。
受験生の中でも5%未満しかいない「特別な子」と考えて良いでしょう。
ものすごくよくがんばる子で、学習時間9時間・実働7時間、よくがんばる子で学習時間8時間・実働6時間といったところだと思われます。
普通にがんばる子で、学習時間6時間・実働4~5時間というところでしょう。


お子さんの生活状況を間近でご覧になっている、お母様お父様には、このあたりの事情はよくお分かりのことと思います。
つまり、普通にがんばる子の場合、塾の宿題・復習や漢字・計算の時間を除くと、1日1時間程度しかフリータイムがないのが普通なのです。

ところが、子供たちは「勉強時間」と「実働時間」の区別が自分ではあまりついていません。
机に向かい始めて勉強が終わるまでの時間全てを勉強に充てている気分になっているものです。
途中で立ち歩いて冷蔵庫の中を覗いたり、
トイレに何度も行ったり、
キッチンのお母さんの様子をちらちら見に来たり、
本棚をぼーっと眺めていたり、
塾の時間割を今更ながらにながめてみたり、
小学校の宿題を急に思い出してやり始めてみたり、

といったことで学習時間をロスしていることは、カウントできていないのです。
ですから子供任せで学習計画を立てると、必ずといってよいほど「予定時刻を過ぎても学習メニューが終了しない!」ということになります。

決してさぼっているのではありません。
大人でも、机に向かっている時間と能率よく学習している時間とが一致している人など、そうそう居るものではありません。

少なくとも、私は一致していません(笑)
仕事を5時間みっちりやりきるのには、
段取りを考えたり、資料をそろえたり、仕事をする気になるよう気分をもりあげたり、
気分転換に散歩に行ったり。。。

色々と時間が必要です(笑)


がんばったはずなのに予定通りに終わらないのは、実働時間+αの計算ができていなかった可能性が高いのですね。
つまり、もともとの計画に無理があったのです。

ただ子供は、机に向かっている間ずっと「がんばった」つもりでいるのが普通ですから、実働時間+αという計算がなかなか上手くいきません。

伝え方を間違うと、「お母さんは僕を信用していないんだ!」とか、「ちゃんとやってるのに、さぼってるって言われた!もうやる気なくなった!」と予定外の反発を生んでしまうことすらあります。

そこで一つの提案なのですが、
学習計画を立てる前に「実際の一週間記録」を残すようにしてみてはいかがでしょう。

「17時から算数の宿題を始める」という予定を決めるのではなく、
「6月2日の木曜日は、18時15分から算数の宿題を始めた。」という記録を残すのです。
記録は、手帳の週間カレンダーを使ったり、塾や学校でもらう学習計画表を活用すればよいでしょう。

勉強に限らず、お子さんの行動を記録していきます。
もちろん、分かる範囲で結構ですよ。
朝から夜までず~っとお子さんの横に張り付いて記録を取っていたら、間違いなく親子関係が悪くなりますから。
ストーカーにはならないでください。

ただ、まとまった勉強を開始した時刻と終了した時刻は記録してください。
また勉強している最中に15分以上の休憩を取った場合は、それも記録しておく方が良いでしょう。


こうして「実際の一週間記録」が残せたら、その記録をお子さんと一緒に見ながらミーティングを行います。

「記録を見て気付くことはある?」
「自分の学習パターンは、思っていたのと同じだった?」
などと問いかけ、お子さんが自分の記録を見て学習について考えるきっかけを渡してあげましょう。

ここで決してやらないでほしいのは、お子さんの学習姿勢を叱ることです。
今の目的は、お子さんが実働時間+αで自分が行動しているということを客観的に知り、それをもとに現実的な学習計画を立てられるようにすることです。

「2時間の勉強をするのに、前後で1時間30分ぐらいは何か別のことをするのが、あなたの今のところのスタイルなのね。じゃあ、それをもとにして今週の計画を立ててみようよ」
と導いてください。


「理想的な」計画表よりは、予定した内容がぐっと減るかもしれません。
しかし実際にこなせる学習内容は、「理想的な計画表」を作った時よりも増えると思います。
お子さんも自分の学習状況について理解が深まるので、手ごたえを感じるようになるでしょう。


学習時間≠実働時間
という点については、「実際の一週間記録」を残すことによって解決していくことをお勧めします。


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中学受験 2011年06月03日14時57分
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