受験の天王山 夏編 ~場合の数~
尺取虫!
お元気ですか?
シャクトリムシです。
街中で見つけました。
シャクトリムシは、シャクガという蛾の幼虫の名前です。
写真のシャクトリムシは、ヨモギエダシャクという蛾の幼虫です。
「ヨモギエダシャク」という名前から、ヨモギ(蓬)の葉だけしか食べないのかと思えば、
キク科の植物はもちろんこと、アズキ、ダイズ、クズ、ミズキ、クワ、バラ、ナシ、クリなど、
いろいろな植物の葉を食べます。
理科でおなじみのモンシロチョウやアゲハチョウが限られた植物の葉しか食べないのとは対照的で、
何かたくましささえ感じさせられてしまいます。
というわけで、今回のテーマは「複数の解き方を“消化”しよう! ~場合の数~」です。
「場合の数」の解き方は、樹形図に代表されるような整理された書き出しが基本です。
この整理に必要な考え方が「場合分け」です。
「場合分け」というのは、「○が☆の場合、○が★の場合~」のように、
一定の基準をもって分類する考え方のことです。
このほかに、数学でいうところの
「積の法則」と「和の法則」が使えると
標準的な入試問題を解くことができます。
その上で、「特殊な問題の解き方」や「裏ワザ」をマスターできれば最高ですね。
今回の問題は、「書き出し」でも解けますから学年に関係なくチャレンジが可能です。
【問題】
10個のお菓子をA、B、C、Dの4人に少なくとも1個以上あげ、残さずに分ける方法は何通りありますか。
まず、樹形図を書いてみましょう。
ここまで書くと、「規則」が見えてきますね?!
ですから、場合分けをすると次のようになります。
Aが1個の場合、7+6+5+4+3+2+1=28通り
Aが2個の場合、6+5+4+3+2+1=21通り
Aが3個の場合、5+4+3+2+1=15通り
Aが4個の場合、4+3+2+1=10通り
Aが5個の場合、3+2+1=6通り
Aが6個の場合、2+1=3通り
Aが7個の場合、1通り
28+21+15+10+6+3+1=84通り と求められます。
では、もう少しうまく解く方法はないのでしょうか?
問題文中の「少なくとも1個以上あげ」が利用できます。
どのような配り方があるかを考える前に、「先に1個ずつ配って」おきます。
すると残りの6個については、「もらえない人がいてもよい」ことになります。
ここで、場合の数で重要な考え方=「2段階で解く」の出番です。
「誰に」「何個」配るかという2つの条件のうち、まず「何個」だけに着目します。
すると6個の分け方は、
(6、0、0、0)(5、1、0、0)(4、2、0、0)
(4、1、1、0)(3、3、0、0)(3、2、1、0)
(3、1、1、1)(2、2、2、0)(2、2、1、1)
の9パターンあることがわかります。
次にそれぞれのパターンについて、「誰に」分けるかで何通りあるのかを求めてきます。
樹形図を書いてもよいのですが、せっかくですから各パターンの赤色に着目して計算をしてみましょう。
(6、0、0、0)→4C1=4通り
(5、1、0、0)→4×3=12通り
(4、2、0、0)→4×3=12通り
(4、1、1、0)→4C1×3C1=12通り
(3、3、0、0)→4C2=6通り
(3、2、1、0)→4×3×2×1=24通り
(3、1、1、1)→4C1=4通り
(2、2、2、0)→4C1=4通り
(2、2、1、1)→4C2=6通り
4+12+12+12+6+24+4+4+6=84通り とわかります。
樹形図がかけるようになったら、
この計算のように「順列」や「組み合わせ」の計算をマスターしましょう。
場合の数の問題をかなり楽に解くことができるようになりますよ。
ところが、この問題では「残りの6個の分け方」をもっと簡単に計算する方法もあるのです。
残っている6個を○○○○○○で表し、これを「棒(l)」で仕切っていくという考え方です。
例えば、
○l○○l○○l○ は、左から順に、A1個、B2個、C2個、D1個
l○○○ll○○○ は、左から順に、A0個、B3個、C0個、D3個
を表していると考えます。
左から1本目の棒は「AとBの取り分の仕切り」、2本目の棒は「BとCの取り分の仕切り」…
のように考えているわけです。
このように考えると、
「残りの6個の分け方=○○○○○○lllのならべ方」と読み替えられますから、
9C3=(9×8×7)÷(3×2×1)=84通り が求められます。
夏期講習でも「場合の数」を習うことがあると思います。
いま持っている自分の解き方よりもステキな解き方があれば、身につけていくといいですよ。
なんといってもずいぶん楽に解くことができるようになりますからね!
お元気ですか?
シャクトリムシです。
街中で見つけました。
シャクトリムシは、シャクガという蛾の幼虫の名前です。
写真のシャクトリムシは、ヨモギエダシャクという蛾の幼虫です。
「ヨモギエダシャク」という名前から、ヨモギ(蓬)の葉だけしか食べないのかと思えば、
キク科の植物はもちろんこと、アズキ、ダイズ、クズ、ミズキ、クワ、バラ、ナシ、クリなど、
いろいろな植物の葉を食べます。
理科でおなじみのモンシロチョウやアゲハチョウが限られた植物の葉しか食べないのとは対照的で、
何かたくましささえ感じさせられてしまいます。
というわけで、今回のテーマは「複数の解き方を“消化”しよう! ~場合の数~」です。
「場合の数」の解き方は、樹形図に代表されるような整理された書き出しが基本です。
この整理に必要な考え方が「場合分け」です。
「場合分け」というのは、「○が☆の場合、○が★の場合~」のように、
一定の基準をもって分類する考え方のことです。
このほかに、数学でいうところの
「積の法則」と「和の法則」が使えると
標準的な入試問題を解くことができます。
その上で、「特殊な問題の解き方」や「裏ワザ」をマスターできれば最高ですね。
今回の問題は、「書き出し」でも解けますから学年に関係なくチャレンジが可能です。
【問題】
10個のお菓子をA、B、C、Dの4人に少なくとも1個以上あげ、残さずに分ける方法は何通りありますか。
まず、樹形図を書いてみましょう。
ここまで書くと、「規則」が見えてきますね?!
ですから、場合分けをすると次のようになります。
Aが1個の場合、7+6+5+4+3+2+1=28通り
Aが2個の場合、6+5+4+3+2+1=21通り
Aが3個の場合、5+4+3+2+1=15通り
Aが4個の場合、4+3+2+1=10通り
Aが5個の場合、3+2+1=6通り
Aが6個の場合、2+1=3通り
Aが7個の場合、1通り
28+21+15+10+6+3+1=84通り と求められます。
では、もう少しうまく解く方法はないのでしょうか?
問題文中の「少なくとも1個以上あげ」が利用できます。
どのような配り方があるかを考える前に、「先に1個ずつ配って」おきます。
すると残りの6個については、「もらえない人がいてもよい」ことになります。
ここで、場合の数で重要な考え方=「2段階で解く」の出番です。
「誰に」「何個」配るかという2つの条件のうち、まず「何個」だけに着目します。
すると6個の分け方は、
(6、0、0、0)(5、1、0、0)(4、2、0、0)
(4、1、1、0)(3、3、0、0)(3、2、1、0)
(3、1、1、1)(2、2、2、0)(2、2、1、1)
の9パターンあることがわかります。
次にそれぞれのパターンについて、「誰に」分けるかで何通りあるのかを求めてきます。
樹形図を書いてもよいのですが、せっかくですから各パターンの赤色に着目して計算をしてみましょう。
(6、0、0、0)→4C1=4通り
(5、1、0、0)→4×3=12通り
(4、2、0、0)→4×3=12通り
(4、1、1、0)→4C1×3C1=12通り
(3、3、0、0)→4C2=6通り
(3、2、1、0)→4×3×2×1=24通り
(3、1、1、1)→4C1=4通り
(2、2、2、0)→4C1=4通り
(2、2、1、1)→4C2=6通り
4+12+12+12+6+24+4+4+6=84通り とわかります。
樹形図がかけるようになったら、
この計算のように「順列」や「組み合わせ」の計算をマスターしましょう。
場合の数の問題をかなり楽に解くことができるようになりますよ。
ところが、この問題では「残りの6個の分け方」をもっと簡単に計算する方法もあるのです。
残っている6個を○○○○○○で表し、これを「棒(l)」で仕切っていくという考え方です。
例えば、
○l○○l○○l○ は、左から順に、A1個、B2個、C2個、D1個
l○○○ll○○○ は、左から順に、A0個、B3個、C0個、D3個
を表していると考えます。
左から1本目の棒は「AとBの取り分の仕切り」、2本目の棒は「BとCの取り分の仕切り」…
のように考えているわけです。
このように考えると、
「残りの6個の分け方=○○○○○○lllのならべ方」と読み替えられますから、
9C3=(9×8×7)÷(3×2×1)=84通り が求められます。
夏期講習でも「場合の数」を習うことがあると思います。
いま持っている自分の解き方よりもステキな解き方があれば、身につけていくといいですよ。
なんといってもずいぶん楽に解くことができるようになりますからね!