整理は大切?
rice paddy!
お元気ですか?
田んぼです。
5月にはいり、田植えが続々と行われています。
田んぼ(や畑)は圃場(ほじょう)ともいい、
圃場整備事業といえば、水田の一枚一枚に用水路、排水路、農道を配置し、
区画を大きく整形することで効率的な農作業と
生産性の高い圃場を造成する事業のことをさします。
春と秋の期間が短く感じられ、
夏と冬ばかりになるのではないかと心配ですが、
そんな気候下でも、稲が順調に育ち、
秋においしい新米がいただけることを願ってやみません。
というわけで今回のテーマは、
「圃場整備の効率」ならぬ「条件整理の効果」です。
受験生が、「試験中に混乱しちゃって…。」という言葉を聞くことがあります。
試験中に混乱することを防げるかどうかは、
問題に応じた自分の解き方=問題ごとのスタイルを
どれだけつくり上げられているかによると思っています。
今回はこのことを「速さ」を題材にしてみていきましょう。
【問題1】
太郎くんはA地点からB地点に向かって、次郎くんはB地点からA地点に向かって同時に歩き始めました。太郎くんは出発してから42分後に次郎君と出会い、その後28分でB地点に着きました。次郎くんはB地点からA地点まで何分かかって歩きましたか。ただし、二人が歩く速さは、それぞれ一定です。
速さの問題は、速さの3公式がすぐに使える基本問題と、
線分図やダイヤグラムに整理して解く応用問題に分かれます。
この問題は、その意味で「応用問題」と言えます。
では、線分図で整理してみましょう。
太郎くんが28分で歩く距離を次郎くんは42分かかりますから、
同じ距離を進む時間の比は、太郎:次郎=2:3 です。
太郎くんはA地点からB地点まで 42+28=70分 かかりますから、
次郎くんはB地点からA地点まで 70× 3/2 =105分 かかることがわかります。
では、この問題をダイヤグラムに整理してみるとどうでしょうか。
砂時計型の相似があることにすぐ気づけますね? ですから、ア:イ=3:2 です。
ですから、次郎くんはB地点からA地点まで 70× 3/2 =105分 かかると求められます。
では、もう1題見てみましょう
【問題2】
太郎くんとバスはA地点を同時に出発して、太郎くんは時速6kmでB地点まで歩き、バスはAB間を何度か往復しました。太郎くんとバスとが初めて出会ってから始めて追いこされるまでに32分、始めて追いこされてから2回目に出会うまでに16分かかったそうです。このバスの速さは時速何kmですか。
では、この問題も線分図に整理してみます。
どこに着目すればよいか、少し分かりにくいですね?
なぜでしょうか。
速さの「応用問題」の2つの整理方法、線分図・ダイヤグラムには、
原則として使い分けのポイントがあります。
その使い分けのポイントは…、
距離の条件が多いときは線分図、時間の条件が多いときはダイヤグラム
というものです。
実は、問題1のようなレベルは「基本的な応用問題」で、
速さの3公式を学習した後にすぐ習う問題です。
このレベルまでは、線分図とダイヤラムの使い分けをしなくても、
解くのにあまり苦労をしなくてすみます。
一方で、問題2のようなレベルは「本格的な応用問題」で、
テキストなどでは「発展問題」に分類されます。
このレベルになると使い分けが重要になってくるんですね!
では、ダイヤグラムを用いて整理をしてみましょう。
やはり、砂時計型の相似がありますね。
32分:16分=2:1 ですから、
A町を出発してから始めて追いこされるまでに、
太郎くんは②の距離(青線)を、バスは ③×2+② の距離(赤線)を進んでいます。
距離の比 太郎:バス=1:4 → 速さの比 太郎:バス=1:4
とわかるので、6km/時×4=24km/時 がバスの速さです。
「時間条件が多ければダイヤグラム」という、問題整理のパターンを確立すると、
今回のような「本格的な応用問題=発展問題=難関中の入試問題」を解いていても、
「混乱」せず、「いつも通りの取り組み」が行えます。
これが、「整理の効果」なんです。
6年生のお子さんも、これから「発展問題」に多く触れますますので、
その練習を通して「問題ごとの自分のスタイル」をつくり上げていけるといいですね!
お元気ですか?
田んぼです。
5月にはいり、田植えが続々と行われています。
田んぼ(や畑)は圃場(ほじょう)ともいい、
圃場整備事業といえば、水田の一枚一枚に用水路、排水路、農道を配置し、
区画を大きく整形することで効率的な農作業と
生産性の高い圃場を造成する事業のことをさします。
春と秋の期間が短く感じられ、
夏と冬ばかりになるのではないかと心配ですが、
そんな気候下でも、稲が順調に育ち、
秋においしい新米がいただけることを願ってやみません。
というわけで今回のテーマは、
「圃場整備の効率」ならぬ「条件整理の効果」です。
受験生が、「試験中に混乱しちゃって…。」という言葉を聞くことがあります。
試験中に混乱することを防げるかどうかは、
問題に応じた自分の解き方=問題ごとのスタイルを
どれだけつくり上げられているかによると思っています。
今回はこのことを「速さ」を題材にしてみていきましょう。
【問題1】
太郎くんはA地点からB地点に向かって、次郎くんはB地点からA地点に向かって同時に歩き始めました。太郎くんは出発してから42分後に次郎君と出会い、その後28分でB地点に着きました。次郎くんはB地点からA地点まで何分かかって歩きましたか。ただし、二人が歩く速さは、それぞれ一定です。
速さの問題は、速さの3公式がすぐに使える基本問題と、
線分図やダイヤグラムに整理して解く応用問題に分かれます。
この問題は、その意味で「応用問題」と言えます。
では、線分図で整理してみましょう。
太郎くんが28分で歩く距離を次郎くんは42分かかりますから、
同じ距離を進む時間の比は、太郎:次郎=2:3 です。
太郎くんはA地点からB地点まで 42+28=70分 かかりますから、
次郎くんはB地点からA地点まで 70× 3/2 =105分 かかることがわかります。
では、この問題をダイヤグラムに整理してみるとどうでしょうか。
砂時計型の相似があることにすぐ気づけますね? ですから、ア:イ=3:2 です。
ですから、次郎くんはB地点からA地点まで 70× 3/2 =105分 かかると求められます。
では、もう1題見てみましょう
【問題2】
太郎くんとバスはA地点を同時に出発して、太郎くんは時速6kmでB地点まで歩き、バスはAB間を何度か往復しました。太郎くんとバスとが初めて出会ってから始めて追いこされるまでに32分、始めて追いこされてから2回目に出会うまでに16分かかったそうです。このバスの速さは時速何kmですか。
では、この問題も線分図に整理してみます。
どこに着目すればよいか、少し分かりにくいですね?
なぜでしょうか。
速さの「応用問題」の2つの整理方法、線分図・ダイヤグラムには、
原則として使い分けのポイントがあります。
その使い分けのポイントは…、
距離の条件が多いときは線分図、時間の条件が多いときはダイヤグラム
というものです。
実は、問題1のようなレベルは「基本的な応用問題」で、
速さの3公式を学習した後にすぐ習う問題です。
このレベルまでは、線分図とダイヤラムの使い分けをしなくても、
解くのにあまり苦労をしなくてすみます。
一方で、問題2のようなレベルは「本格的な応用問題」で、
テキストなどでは「発展問題」に分類されます。
このレベルになると使い分けが重要になってくるんですね!
では、ダイヤグラムを用いて整理をしてみましょう。
やはり、砂時計型の相似がありますね。
32分:16分=2:1 ですから、
A町を出発してから始めて追いこされるまでに、
太郎くんは②の距離(青線)を、バスは ③×2+② の距離(赤線)を進んでいます。
距離の比 太郎:バス=1:4 → 速さの比 太郎:バス=1:4
とわかるので、6km/時×4=24km/時 がバスの速さです。
「時間条件が多ければダイヤグラム」という、問題整理のパターンを確立すると、
今回のような「本格的な応用問題=発展問題=難関中の入試問題」を解いていても、
「混乱」せず、「いつも通りの取り組み」が行えます。
これが、「整理の効果」なんです。
6年生のお子さんも、これから「発展問題」に多く触れますますので、
その練習を通して「問題ごとの自分のスタイル」をつくり上げていけるといいですね!