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第453回 灘中オープン模擬入試

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図形の練習問題 2019年07月20日18時00分

「第453回 灘中オープン模擬入試」


昨日は多くの小学校で1学期の終業式が行われ、今日からいよいよ夏休みが始まります。


週明けからは大手進学塾の夏期講習もスタートし、特に6年生にとっては大切な学習期間です。


主に首都圏に教室を展開するサピックスでは28日間、四谷大塚は22日間(いずれもテスト日を含む)、早稲田アカデミーは24日間の夏期講習に加えて4泊5日の夏期合宿があります。


また、関西圏を中心とする浜学園の夏期講習期間は20日間(M灘コース・Mコースの場合)と、首都圏の大手進学塾に比べて日数は少ないのですが、マスターコースや最高レベル特訓などの通常の授業や日曜志望校別特訓も夏期講習と並行して行われますので、塾で学ぶ時間数はかなりなものとなります。


このように6年生にとっては大変な夏期の学習ですが、灘中を志望校としている場合、お盆期間中も合宿や特別講座、模擬入試などが行われる塾もあります。サピックスでも学校別サピックスオープンが9月から実施されますが、浜学園や希学園では、お盆期間中に灘中オープン模擬入試などのテストが行われます。


そこで、今回は、浜学園がお盆期間中に実施する灘中オープン模擬入試の1日目の算数の問題を、過去の模擬テストからご紹介していきます。




浜学園 灘中オープン模擬入試 第3回 算数 1日目(2018年8月15日実施)より 


問題6 各位の数の和が4となる4桁の整数ABCDは全部で(①   )通りあり、各位の数の和が40となる5桁の整数EFGHIは全部で(②   )通りあります。








【解答例】
場合の数の基本「組→並べ方」に従って場合分けを行います。


和4
(0、0、0、4)…1通り
(0、0、1、3)…千の位 2通り×百の位以下 3通り=6通り
(0、0、2、2)…千の位 1通り×百の位以下 3通り=3通り
(0、1、1、2)…1□□□→6通り 2□□□→3通りなので、6通り+3通り=9通り
(1、1、1、1)…1通り

1+6+3+9+1=20通り…①


和40
(9、9、9、9、4)…5通り
(9、9、9、8、5)…5□□□□→4通り 8□□□□→4通り 9□□□□→4C2×2=12通りなので、4通り+4通り+12通り=20通り
(9、9、9、7、6)…20通り
(9、9、8、8、6)…6□□□□→4C2=6通り 8□□□□→12通り 9□□□□→12通りなので、6通り+12通り+12通り=30通り
(9、9、8、7、7)…30通り
(9、8、8、8、7)…20通り
(8、8、8、8、8)…1通り

5通り+20通り+20通り+30通り+30通り+20通り+1通り=126通り…②





この問題は、「組(和が指定の値になる数の組を作る)→並べ方(選んだ数の並べ方を求める)」という場合の数の基本に従えばよい問題ですから、場合の数のよい練習になると思います。


なお、②は、5桁のすべての位が9のとき各位の和が45になることから、和を5減らして40とする考え方でもOKです。




では、もう1問です。




20190717164444.jpg問題7 右の図のような四角形ABCDがあります。点Eは辺AD上にあり、辺EAとEBの長さが等しく、辺DEとDCの長さも等しくなっています。また、角アの大きさは59度、角イの大きさは19度、角ウの大きさは62度です。このとき、角エの大きさは(   )度です。










【解答例】
はじめにEA=EBの二等辺三角形EABに着目します。

20190717164507.jpg


次に、角BEA=角C=62°とDE=DCより、三角形DBCを点Dを中心に回転させると次の図のようになります。

20190717164524.jpg


上の図で、B’D=BDですので、三角形B’DBは二等辺三角形です。

20190717164540.jpg


62°-19°=43° 




角の問題は「角の5原則」を利用すると解くための方針が立てやすくなります。


この問題では、「①内角を利用、②外角を利用、③二等辺三角形を探す、④合同を探す」を用いても答えまでたどり着けませんから、「⑤復元(例:元の図を作ると二等辺三角形ができる)」を使うことが必要だという方針が立ちます。






今回はお盆期間中に行われる浜学園の灘中オープン模擬入試について、どのような問題が出題されたのかを2018年8月15日に実施されたテストから2問をご紹介しました。


ご紹介した2問の正答率は、場合の数がテーマとなった問題6の①が44.3%、②が16.1%、また平面図形がテーマとなった問題7の正答率が34.8%で、他の正答率が50%以上の問題とあわせて7問を正解すると50点となり、上位74位に入ることが可能なテストでした。


中には正答率0.0%という難問も出されていましたから、正答率の高そうな問題を探して正解することが好成績につながる方法といえそうです。


この夏、灘中オープン模擬入試などを受けてみようと考えている場合は、難度の近いテストを利用して正答率の高そうな問題を探して正解することができるか、一度試してみるのもよいのではないかと思います。

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図形の練習問題 / 場合の数の練習問題 2019年07月20日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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