「比と割合」について考えてみました。
クマゼミ!
お元気ですか。
朝からセミの声がシャワーのように降り注ぎ始めましたね。
夏本番です!
そんな朝、歩いていて、ふと見上げた木に脱皮したてのクマゼミを見つけました。
よく見かける黒々としたからだとちがって、まだ緑色をしています。
このクマゼミ,北九州など一部では「ワシワシ」とも呼ばれています。
1つのものに2つの呼び名、算数でもこんなことがあります。
今回の「比と割合」もそのひとつですね。
一昔前の参考書では、この単元の問題を解くとき、必ずと言っていいほど
「全体に当たる量を1とします。」と書かれていました。
最近は、この他の解き方を中心とする参考書も見かけます。
この2つの解き方、どちらが勝っているんでしょうか?
今回はそんなことについて考えてみました。
その前に、おなじみのチェック問題です。
小数の乗除が出来れば、何年生でも答えを出せますよ!
【問題】
花子さんの年令は、太郎君の年令の1.2倍です。
花子さんの年令が30才のとき、太郎君の年令は何才ですか。
この問題、まだ「比」を習っていないお子さんでしたら、厳密な説明が出来なくてもOKです。
30÷1.2=25 答え…25才
この式があれば正解です。
でも、
30×1.2=36 答え…36才 としていたら、すぐに手を打つ必要があります。
考えられる原因は2つです。
①太郎君のほうが「なんとなく」年上だと思ったから。
②30÷1.2は「割り切れない」気がしたから。
①のお子さんは、「(お子さんの中の)常識」にとらわれてしまい、「問題文を読み取る」ことをしなかったんです。
このタイプのお子さんは、将来「ミス多発型」になる危険性があります。
問題文を精読するのではなく、自分に都合の良いように解釈したり、
数字を組み合わせたりするようになります。
②のお子さんは、計算力が不足しています。
「この問題は、30÷1.2 に決まっているのだから、割り切れなければおかしい!」
こう言い切るだけの計算力がないんですね。
このようなお子さんは、将来「ご都合主義型」になる危険性があります。
つまり、計算のしやすい数値だけを、「適当に組み合わせて、適当な式を作る」ようになります。
「単位」という概念を持てないんです。
例えば、
「時速2.5kmで20分進むと何km進めますか?」
に対して、
2.5×20=50 答え…50km と言った具合です。
答えが整数でないと不安なんですね。
「答え、小数になる…?」と聞いてくるお子さんは、
このタイプになる危険性があります。
式が整数でないと不安なお子さんもいます。
「時速2.5kmは、60分で2500m進むことだから…」
とここまでは悪くありません。
このあと、
「20分は60分の1/3だから、2500m÷3=833 1/3m」
とすすみます。
しかし、計算力が弱いので、
「20分は60分の1/3」となりませんし、
「2500m÷3=…、わりきれへん!」といったようになりがちです。
「2500m÷60=41.…、やっぱり、わりきれへん!」
こんなお子さんもいるでしょう。
正解は、時速2.5km×1/3時間=5/6km 答え…5/6km です。
もとにもどって、
①タイプのお子さんも、②タイプのお子さんも
「比べる量÷割合=もとにする量」という関係式と
問題文の太郎君は「もとにする量」という読み取りが出来るようになれば、
このような失敗から『脱皮』できますよ。セミのように!
(続きは,次回…)
お元気ですか。
朝からセミの声がシャワーのように降り注ぎ始めましたね。
夏本番です!
そんな朝、歩いていて、ふと見上げた木に脱皮したてのクマゼミを見つけました。
よく見かける黒々としたからだとちがって、まだ緑色をしています。
このクマゼミ,北九州など一部では「ワシワシ」とも呼ばれています。
1つのものに2つの呼び名、算数でもこんなことがあります。
今回の「比と割合」もそのひとつですね。
一昔前の参考書では、この単元の問題を解くとき、必ずと言っていいほど
「全体に当たる量を1とします。」と書かれていました。
最近は、この他の解き方を中心とする参考書も見かけます。
この2つの解き方、どちらが勝っているんでしょうか?
今回はそんなことについて考えてみました。
その前に、おなじみのチェック問題です。
小数の乗除が出来れば、何年生でも答えを出せますよ!
【問題】
花子さんの年令は、太郎君の年令の1.2倍です。
花子さんの年令が30才のとき、太郎君の年令は何才ですか。
この問題、まだ「比」を習っていないお子さんでしたら、厳密な説明が出来なくてもOKです。
30÷1.2=25 答え…25才
この式があれば正解です。
でも、
30×1.2=36 答え…36才 としていたら、すぐに手を打つ必要があります。
考えられる原因は2つです。
①太郎君のほうが「なんとなく」年上だと思ったから。
②30÷1.2は「割り切れない」気がしたから。
①のお子さんは、「(お子さんの中の)常識」にとらわれてしまい、「問題文を読み取る」ことをしなかったんです。
このタイプのお子さんは、将来「ミス多発型」になる危険性があります。
問題文を精読するのではなく、自分に都合の良いように解釈したり、
数字を組み合わせたりするようになります。
②のお子さんは、計算力が不足しています。
「この問題は、30÷1.2 に決まっているのだから、割り切れなければおかしい!」
こう言い切るだけの計算力がないんですね。
このようなお子さんは、将来「ご都合主義型」になる危険性があります。
つまり、計算のしやすい数値だけを、「適当に組み合わせて、適当な式を作る」ようになります。
「単位」という概念を持てないんです。
例えば、
「時速2.5kmで20分進むと何km進めますか?」
に対して、
2.5×20=50 答え…50km と言った具合です。
答えが整数でないと不安なんですね。
「答え、小数になる…?」と聞いてくるお子さんは、
このタイプになる危険性があります。
式が整数でないと不安なお子さんもいます。
「時速2.5kmは、60分で2500m進むことだから…」
とここまでは悪くありません。
このあと、
「20分は60分の1/3だから、2500m÷3=833 1/3m」
とすすみます。
しかし、計算力が弱いので、
「20分は60分の1/3」となりませんし、
「2500m÷3=…、わりきれへん!」といったようになりがちです。
「2500m÷60=41.…、やっぱり、わりきれへん!」
こんなお子さんもいるでしょう。
正解は、時速2.5km×1/3時間=5/6km 答え…5/6km です。
もとにもどって、
①タイプのお子さんも、②タイプのお子さんも
「比べる量÷割合=もとにする量」という関係式と
問題文の太郎君は「もとにする量」という読み取りが出来るようになれば、
このような失敗から『脱皮』できますよ。セミのように!
(続きは,次回…)