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「比と割合」について考えてみました。

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割合の練習問題 2011年07月18日20時45分
クマゼミ!

お元気ですか。

朝からセミの声がシャワーのように降り注ぎ始めましたね。

夏本番です!

そんな朝、歩いていて、ふと見上げた木に脱皮したてのクマゼミを見つけました。


よく見かける黒々としたからだとちがって、まだ緑色をしています。

このクマゼミ,北九州など一部では「ワシワシ」とも呼ばれています。

1つのものに2つの呼び名、算数でもこんなことがあります。

今回の「比と割合」もそのひとつですね。

一昔前の参考書では、この単元の問題を解くとき、必ずと言っていいほど
「全体に当たる量を1とします。」と書かれていました。

最近は、この他の解き方を中心とする参考書も見かけます。

この2つの解き方、どちらが勝っているんでしょうか?

今回はそんなことについて考えてみました。

その前に、おなじみのチェック問題です。
小数の乗除が出来れば、何年生でも答えを出せますよ!

【問題】
花子さんの年令は、太郎君の年令の1.2倍です。
花子さんの年令が30才のとき、太郎君の年令は何才ですか。

この問題、まだ「比」を習っていないお子さんでしたら、厳密な説明が出来なくてもOKです。

30÷1.2=25 答え…25才

この式があれば正解です。

でも、
30×1.2=36 答え…36才 としていたら、すぐに手を打つ必要があります。

考えられる原因は2つです。

①太郎君のほうが「なんとなく」年上だと思ったから。

②30÷1.2は「割り切れない」気がしたから。

①のお子さんは、「(お子さんの中の)常識」にとらわれてしまい、「問題文を読み取る」ことをしなかったんです。

このタイプのお子さんは、将来「ミス多発型」になる危険性があります。

問題文を精読するのではなく、自分に都合の良いように解釈したり、
数字を組み合わせたりするようになります。

②のお子さんは、計算力が不足しています。

「この問題は、30÷1.2 に決まっているのだから、割り切れなければおかしい!」

こう言い切るだけの計算力がないんですね。

このようなお子さんは、将来「ご都合主義型」になる危険性があります。
つまり、計算のしやすい数値だけを、「適当に組み合わせて、適当な式を作る」ようになります。

「単位」という概念を持てないんです。

例えば、
「時速2.5kmで20分進むと何km進めますか?」
に対して、
2.5×20=50 答え…50km と言った具合です。

答えが整数でないと不安なんですね。

「答え、小数になる…?」と聞いてくるお子さんは、
このタイプになる危険性があります。

式が整数でないと不安なお子さんもいます。

「時速2.5kmは、60分で2500m進むことだから…」
とここまでは悪くありません。

このあと、
「20分は60分の1/3だから、2500m÷3=833 1/3m」
とすすみます。

しかし、計算力が弱いので、
「20分は60分の1/3」となりませんし、
「2500m÷3=…、わりきれへん!」といったようになりがちです。

「2500m÷60=41.…、やっぱり、わりきれへん!」
こんなお子さんもいるでしょう。

正解は、時速2.5km×1/3時間=5/6km 答え…5/6km です。

もとにもどって、
①タイプのお子さんも、②タイプのお子さんも
「比べる量÷割合=もとにする量」という関係式と
問題文の太郎君は「もとにする量」という読み取りが出来るようになれば、
このような失敗から『脱皮』できますよ。セミのように!
(続きは,次回…)


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割合の練習問題 2011年07月18日20時45分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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