第374回 2018年度入試 4
「第374回 2018年度入試 4」
いよいよ、2018年の関西統一中学入試が始まりました。
受験生がこれまでのすべてを出し切れることを願っています。
さて、その関西エリアの難関中の倍率状況は、
日能研の集計(1月12日17時現在 一部抜粋)によると次のようになっています。
※( )内は2017年度の数値
【大阪府】
大阪星光学院中 定員190名 応募者763名(683名) 倍率4.0倍(3.6倍)
四天王寺中 定員245名 応募者613名(498名) 倍率2.5倍(2.0倍)
清風南海中A 定員200名 応募者965名(922名) 倍率4.8倍(4.6倍)
高槻中A(女子) 定員55名 応募者191名(170名) 倍率3.5倍(3.8倍)
※高槻中A(女子)2017年の定員は45名
【兵庫県】
灘中 定員約180名 応募者735名(683名) 倍率4.1倍(3.8倍)
甲陽学院中 定員200名 応募者423名(382名) 倍率2.1倍(1.9倍)
神戸女学院中 定員135名 応募者249名(260名) 倍率1.8倍(1.9倍)
須磨学園中 定員120名 応募者数229名(225名) 倍率8.7倍(9.7倍)
※須磨学園中2018年の定員は第1~3回の合計
【奈良県】
東大寺学園中 定員176名 応募者965名(947名) 倍率5.5倍(5.4倍)
西大和学園中 定員 男子約180名 女子約40名 応募者 1251名(1315名) 倍率5.7倍(男子5.9倍 女子6.3倍)
【京都府】
洛星中(前期) 定員180名 応募者480名(501名) 倍率2.7倍(2.6倍)
同志社中 定員288名 応募者494名(471名) 倍率1.7倍(1.6倍)
洛南中 定員280名 応募者880名(871名) 倍率3.1倍(2.8倍)
大方の予想通り、小学6年生の人数は減少していても、
午後入試を実施する中学が増えたことなどにより、
延べの受験者数は増加しています。
そのため、人気の最難関中はもちろんのこと、
大学進学実績のある難関中も1点が合否を分ける
厳しい受験になっていると言えそうですから、
受験生は解ける問題を確実に正解させて、
○(マル)を1個ずつ積み上げていくことが大切でしょう。
この2018年度の関西エリアの入試問題については、
次回以降で順々にご紹介していく予定です。
さて、今回のブログの後半は、
1月校の中から、函館ラ・サール中の入試問題についてです。
函館、札幌、東京、大阪、名古屋の5会場で1月8日に実施された
函館ラ・サール中の2018年度 第1時次入試は、
志願者数953名(函館37名・札幌16名・東京365名・大阪516名・名古屋19名)、
受験者数930名、合格者数593名、実質倍率1.6倍という結果でした。
算数(満点100点 60分)は、受験者平均72.9点、合格者平均83.8点となり、
他教科の受験者平均と合格者平均の差が5点未満であるのに対し、
2倍以上の10.9点となっていますので、
算数の出来不出来がポイントになったと言えそうです。
出題内容を見てみると次のようになっていました。
難関中志望者であれば、どの問題も一度は目にしたことがあるでしょう。
特に問題1~5はよく練習しているでしょうから、
ここまでの失点がテストの成否を分けたものと思われます。
問題6は、数を整数部分と小数部分に分けることがテーマの問題ですが、
御三家以上の中学合格を目指す受験生は、
これも解いたことがあるのではないかと思います。
今回は問題3をご紹介します。
函館ラ・サール中 2018年度 第1次 入試問題 算数より
問題3 下の図のような直線上を、秒速3cmの速さで動く点Pと、秒速2cmの速さで動く点Qがあります。
点PがAからFに向かって出発するのと同時に、点QはBからFに向かって出発します。PがBに来たときQはCに着き、PがCに来たときQはDに着き、さらにPがDに来たときQはEに着き、その後はPもQも同時にFに着くものとします。
(1) DFの長さは、EFの長さの何倍ですか。
(2) 点QがDからEまで行くのに4秒かかりました。EFの長さは何cmですか。
(3) (2)のとき、点PがFまで行くのに何秒かかりますか。
【解き方】
問題の条件を整理すると次のようになります。
ですから、AB:BC:CD:DE=27:18:12:8となります。
(1) 上の図より、DF:EF=3:2です。 1.5倍
(2) DE=2cm/秒×4秒=8cm ですから、8cm×2=16cm
(3) DE=8cmですから、
(AB 27cm+BC 18cm+CD 12cm+DE 8cm+EF 16cm)÷3cm/秒=27秒
3問とも比較的正解しやすい問題です。
本問もそうですが、もし、正解できるはずの問題を間違ってしまうようでしたら、
式を立てる前に条件整理をしてみましょう。
合格最低点をクリアするためには失点をしないことが大切です。
条件を正しく読み取り、必要に応じて整理をして問題を正解させ、
志望校合格が獲得できるといいですね。