第369回 浜学園の合否判定学力テスト 2
「第369回 浜学園の合否判定学力テスト 2 」
2017年10月に実施された「浜学園 第4回 合否判定学力テスト」の
難度についてみています。
一般的に算数Ⅰよりも難しいとされている算数Ⅱですが、
ここまで見てきた中では問題2-(3)、問題3-(4)、問題4-(2)が、
好成績を獲得できるかどうかのポイントになっていました。
そこで、今回は、問題5以降についてみていこうと思います。
浜学園 2017年度 第4回 合否判定学力テスト 算数Ⅱより
問題5 袋の中に1から500までの整数が1つずつ書かれたカードが1枚ずつ入っています。次の問いに答えなさい。
(1) 袋の中から80の倍数が書かれたカードをすべて取りました。取ったカードに書かれた数の和はいくつですか。
(2) (1)のあと、カードをすべて袋の中に戻し、そこからある数Aの倍数が書かれたカードをすべて取るはずでしたが、1枚だけ取り忘れてしまいました。取ったカードに書かれた数の和が1309のとき、取り忘れた1枚のカードに書かれた数はいくつですか。
(3) (2)のあと、カードをすべて袋の中に戻し、袋の中に入っているある数Bの倍数とCの倍数が書かれたカードをそれぞれ調べました。すると、枚数は同じで、それぞれのカードに書かれた数の和の違いは15でした。このとき、Bとして考えられる数は全部で何通りありますか。ただし、BはCよりも小さい数とします。
【解答例】
(1)
80の倍数が書かれたカードは、500÷80=6(枚) ありますから、
その和は 80×(1+2+3+4+5+6)=1680 です。
(2)
(1)が誘導になっています。
ある数Aの倍数が書かれたカードが□枚あれば、
その和は A×(1+2+…+□) となり、和もAの倍数です。
1枚取り忘れてもAの倍数になることに変わりはありませんので、
1309=7×11×17 より、
Aは1309の約数のうち、7、11、17、77、119、187のいずれかだと決まります。
7の倍数の和…7×(1+2+…+71)=17892
→ 最大の倍数497を取り忘れても1309にはならない
11の倍数の和…11×(1+2+…+45)=11385
→ 最大の倍数495を取り忘れても1309にはならない
17の倍数の和…17×(1+2+…+29)=7395
→ 最大の倍数493を取り忘れても1309にはならない
77の倍数の和…77×(1+2+…+6)=1617 1617-1309=308 → OK
119の倍数の和…119×(1+2+3+4)=1190
→ 1309より小さいので不適
答え 308
(3)
(1)、(2)を、A×(1+2+…+□)のように考えて解いていると、
(3)も次のように表せることに気づけます。
C-B=1のとき、□=5
500までに倍数が5個ある数は、84以上100以下の整数なので、
(B、C)=(84、85)~(99、100)の16通り
C-B=5のとき、□=2
500までに倍数が2個ある数は、167以上250以下の整数なので、
(B、C)=(167、172)~(245、250)の79通り
C-B=15のとき、□=1
500までに倍数が1個ある数は、251以上500以下の整数なので、
(B、C)=(251、266)~(485、500)の235通り
全部で、16通り+79通り+235通り=330通り
(1)を 80+160+240+320+400+480 や (80+480)×6÷2 として求めていると、
(1)が(2)の誘導になっていることに気づけなかったかも知れません。
80×1+80×2+…+80×6=80×(1+2+…+6) のように分配法則が利用できる、
あるいは「80の倍数=80×整数」という書き方に慣れているかどうかが問われており、
本問も実力差がはっきりと出る問題だったと言えそうです。
問題6、7は図形の問題でしたが、
こちらも問題5までと同様に実力差が得点に表れる問題でした。
問題6-(1)(2)は標準レベルですが(3)は発想の転換を必要とする問題でしたし、
問題7は作図力の差が点数の差となるように作問されていました。
11月以降のプレ入試は塾生だけが対象ですから、
この10月末に実施された第4回の合否判定学力テストが
一般生も受験できる最後の大テスト(除く:公開学力テスト)でした。
それだけに、これまでの習熟度が
そのまま結果に出るように工夫して作問されています。
関西エリアの入試まであと1月と少しになりました。
受験生は返却されたテストの解答過程をみて、
(2)が正解できるような(1)の解き方になっていたかをチェックし、
最後の追い込み学習につなげることができるといいなと思います。