第368回 浜学園の合否判定学力テスト
「第368回 浜学園の合否判定学力テスト」
前回は、2017年10月に実施された「浜学園 第4回 合否判定学力テスト」から、
問題2についてそのレベルを確認しました。
浜学園の合否判定学力テストは
「実際の入試出題傾向を踏まえた本格的なテスト」(浜学園HPより)です。
第3回は比較的取り組みやすい問題が多かったのですが、
第4回 算数Ⅱの問題2だけからは、
第3回の合否判定学力テストよりも難しくなっていたように思われます。
そこで、今回は問題3以降について考え、テスト全体像をみていこうと思います。
浜学園 2017年度 第4回 合否判定学力テスト 算数Ⅱより
問題3 あるお店で、1個12円、20円、35円、44円の4種類のお菓子が売られています。次の問いに答えなさい。ただし、消費税については考えないものとします。
(1) 美香さんは1個12円と20円のお菓子を合わせて12個買ったところ、代金は200円でした。1個12円のお菓子を何個買いましたか。
(2) 杏さんは4種類のお菓子の中から2種類を選んで、それらを合わせて20個買ったところ、代金は539円でした。買った2種類のお菓子のうち、値段の高い方のお菓子を何個買いましたか。
(3) 知奈さんは4種類のお菓子を買いました。合わせて30個買い、代金は600円でした。このとき、12円のお菓子を何個買いましたか。
基本から応用まで3タイプのつるかめ算が出題されました。
【解答例】
(1) つるかめ算の基本問題です。
(20円×12個-200円)÷(20円-12円)=5個
(2) 数の特徴に着目して絞り込むタイプです。
代金の一の位の数が「9」ですから、
代金が奇数円のお菓子を奇数個買うことが必要です。
代金が奇数円のお菓子は「35円」のお菓子だけですから、
これを奇数個買ったときの代金の一の位の数は「5」です。
したがって合計代金の一の位の数を「9」にするには、
12円または44円のお菓子を買うしかありません。
・35円と12円の場合 (539円-12円×20個)÷(35円-12円)=13個
・35円と44円の場合 (44円×20個-539円)÷(44円-35円)=×
35円のお菓子が必要だとわかれば全部調べても3通りですから、
あきらめずに取り組みたい問題です。
(3) 問題条件を面積図に表すと着眼点に気づきやすくなるつるかめ算です。
図にあらわすと下のようになります。
図より、8円×(ア)+23円×(イ)+32円×(ウ)=240円
8、32、240が8の倍数ですから、(ウ)=8個とわかります。
つまり、
8円×(ア)+32円×(ウ)=56円 となるので、
(ア)=3個、(ウ)=1個 です。
30個-(3個+8個+1個)=18個…12円のお菓子
面積図を利用するほか、
(2)と同様に数の特徴に着目して
「30個で600円=1個の平均が20円」と読み替え、
「1個の平均が20円になるように12円、35円、44円の3種類のお菓子を買う」
という解き方もあります。
問題3はつるかめ算の練習がどのレベルまでできているかを問う、
実力の差がはっきりと現れる問題でした。
問題4 健太君と一郎君が3.6km離れたA、B両地点を休むことなく何度も往復します。健太君がA地点から、一郎君がB地点から同時に出発し、2人は出会うごとに、健太君はそれまでの速さの1.2倍、一郎君はそれまでの速さの0.8倍に変えて進みます。2人が初めてであったのは出発してから7分12秒後で、2回目に出会ったのは出発してから22分12秒後でした。次の問いに答えなさい。
(1) 初めて出会うまでの2人の速さの和は分速何mでしたか。
(2) 健太君は3回目に一郎君と出会うまでに全部で何km進みましたか。
さっそく解いていきましょう。
【解答例】
(1)
途中で速さが変わるため難しそうな問題に見えますが、
(1)は「一直線上での出会い」ですから平易です。
3600m÷7.2分=分速500m
(2)
(1)と同じように考えると、
(3600m×2)÷(22.2分-7.2分)=分速480m…1回目に出会ってから2回目に出会うまでの2人の速さの和
健太君のはじめの速さを⑤とすると1回目に出会った後の速さは⑥、
一郎君のはじめの速さを5とすると1回目に出会った後の速さは4なので、
⑤+5=500m/分 ⑥+4=480m/分 の消去算で速さが求められます。
①=40m/分 1=60m/分
はじめの速さ…健太君=200m/分、一郎君=300m/分 → 2:3
1回目に出会った後の速さ…健太君=240m/分、一郎君=240m/分 → 1:1
2回目に出会った後の速さ…健太君=288m/分、一郎君=192m/分 → 3:2
3.6km×2/5+7.2km×1/2+7.2km×3/5=9.36km
(1)が(2)の誘導になっている問題だとわかれば、
あとは消去算を正確に行うだけです。
「文章題は割合から処理する」という原則を守ると、
出会う前と後の速さの比が、健太君は5:6、一郎君は5:4と表すことができ、
消去算で解けることに気づけます。
その意味では、問題4は全問正解を目指したい問題だったと言えそうです。
問題3、4は小問それぞれの難しさが比較的見抜きやすいので、
実力に合わせた問題選択がしやすくなっていました。
返却されたテストで、自分の選択が正しかったかどうかを確認しておくといいですね。