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第695回 共学中の入試問題 文章題 2

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文章題の練習問題 2024年11月02日18時00分

「第695回 共学中の入試問題 文章題 2」

前回は、近年の共学中の入試で出された「文章題」の中から「消去算」と「差集め算」などの問題を見ました。

今回は「つるかめ算」を取り扱います。

 

では、1問目です。

 

【問題】あるお店では、1個90円のチョコレートと1個80円のガムが売られています。次の問いに答えなさい。

(1)チョコレートとガムを合わせて10個買ったところ、代金は860円となります。それぞれ何個買ったのか求めなさい。

(2)チョコレートとガムを合わせて何個か買うと、代金は1200円となります。それぞれ何個買ったのか求めなさい。ただし、どちらも少なくとも1個は買うものとします。

(3)チョコレートを10個買うごとにガムを1個無料でもらえるものとします。チョコレートとガムを何個か買ったとき、無料でもらえるガムも含めて30個になり、代金は2500円となりました。チョコレートを何個買ったか、考えられる個数をすべて求めなさい。

(広尾学園中学校 2024年 問題2)

 

【考え方】

(1)

つるかめ算は、「もし、○○だけだったら…」と仮定することが解き方の基本です。

そこで、「もし、チョコレートだけを買った場合」から始めて、個数が変化したときの代金を表に整理します。

答え チョコレート 6個、ガム 4個

 

(別解)… 規則性の利用

チョコレートだけを10個買ったときの代金が900円、実際の代金が860円、チョコレート1個とガム1個の代金の差が10円ですから、チョコレート1個をガム1個に代えることを

(900円-860円)÷10円=4回

繰り返せばよいことがわかります。

10個-1個×4=6個 … チョコレートの個数

0個+1個×4=4個 … ガムの個数

 

(2)

1200が80の倍数であることが利用できます。

1200円÷80円=15個

つまり、チョコレートを0個とガムを15個買うと、代金が1200円になります。

チョコレートを□円分買い、代わりにガムを□円分減らしても代金の1200円は変わりません。

チョコレートの代金は90の倍数、ガムの代金は80の倍数ですから、□は90と80の公倍数です。

90と80の最小公倍数は720より、チョコレートを

720円÷90円=8個

買い、代わりにガムを

720円÷80円=9個

減らしたときの代金も1200円です。

0個+8個=8個 … チョコレートの個数

15個-9個=6個 … ガムの個数

ガムの個数をさらに9個減らすことはできませんから、条件にあてはまる個数の組み合わせはこの1組だけです。

答え チョコレート 8個、ガム 6個

 

(3)

30個÷10個=3

ですから、無料でもらったガムは1個または2個です。

・無料でもらったガムが1個のとき

買ったチョコレートの個数は最も多い場合で19個です。

チョコレートだけを19個買うと代金の合計は

90円×19個+80円×(30個-1個-19個)=2510円

です。

(2510円-2500円)÷10円=1個

19個-1個=18個 … チョコレートの個数

・無料でもらったガムが2個のとき

買ったチョコレートの個数は最も多い場合で28個です。

チョコレートだけを28個買うと代金の合計は

90円×28個+80円×0=2520円

です。

(2520円-2500円)÷10円=2個

28個-2個=26個 … チョコレートの個数

答え 18個、26個

 

本問は、つるかめ算とその応用問題です。

(1)は基本レベルのつるかめ算、(2)は不定方程式タイプのつるかめ算で、いずれも大切な問題です。

(3)は応用レベルの問題ですが、「無料でもらったガムがなければ、基本レベルのつるかめ算と同じだから…」と考えることがポイントになっています。

 

それでは、2問目です。

 

【問題】花子さんは1個80円のりんご、1個120円の梨、1個160円の柿を合わせて46個買ったところ、代金は6160円でした。花子さんが買ったりんごと柿の個数の比が1:3のとき、梨の個数は何個ですか。

(青山学院中等部 2024年 問題5 問題文一部変更)

 

【考え方】

3種のつるかめ算です。

3種のつるかめ算は、表や面積図を利用して解くことができます。

ここでは表を用いることにします。

つるかめ算の基本の解き方は「もし、○○だったら…」と仮定することですから、「もし、りんごが0個だったら…」と仮定して、表を書いていきます。

80円×0個+120円×46個+160円×0個=5520円

80円×1個+120円×42個+160円×3個=5600円

80円×2個+120円×38個+160円×6個=5680円

表を見ると、右に1列に移ると代金が80円増えていることがわかります。

(6160円-5520円)÷80円=8列

ですから、梨の個数は

46個-(1個+3個)×8列=14個

です。

答え 14個

 

本問は、3種のつるかめ算の基本が確認できる問題です。

なお、「りんご1個、柿3個」の場合から考えても構いません。

 

今回は、2024年度に共学中の入試で出された「つるかめ算」の問題をご紹介しました。

「つるかめ算」は前回に取り扱った「差集め算」や「消去算」と合わせて、重要な文章題の問題です。

もし、正解できない問題があれば、条件整理の方法や着目する点に誤りがないか、できるだけ早めに確認をしましょう。

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文章題の練習問題 / 中学入試の算数問題 2024年11月02日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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