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第691回 共学中の入試問題 場合の数 1

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場合の数の練習問題 2024年10月05日18時00分

「第691回 共学中の入試問題 場合の数 1」

前回まで、近年の共学中の入試で出された「立体図形」の問題を取り扱ってきました。

今回からは「場合の数」について考えていきます。

 

1回目の今回は、基本レベルの問題を見ていきます。

 

1問目は「選び方」の問題です。

 

【問題】6人のグループの中から班長を1人、副班長を2人選びます。選び方は全部で何通りありますか。

(早稲田実業中等部 2024年 問題1-(2))

 

【考え方】

はじめに、6人にA、B、C、D、E、Fの名前を付けます。

次に、班長がAになるときの副班長の選び方を考えます。

班長がB、C、D、E、Fのときにも、同じ形の樹形図をかけますから、全部で

10通り×6=60通り

です。

答え 60通り

 

本問は、選び方の基本が確認できる問題です。

樹形図の他に、次のような書き出し方もあります。

など

また、班長の選び方が6通り、副班長の選び方が

5C2=(5×4)/(2×1)=10通り

なので、

6通り×10通り=60通り

と、計算で求めてもOKです。

 

では、2問目です。

 

【問題】下の図のような、1列目と2列目は2人がけ、3列目は3人がけの7人乗りの車に、大人3人、子ども4人が乗るときの座り方を考えます。運転席には大人が座り、各列とも子どもが座る隣りに最低1人の大人が座るとき、座り方は何通りあるか答えなさい。

(市川中学校 2024年 問題1-(4) 問題文一部変更)

 

【考え方】

はじめに、人数が少ない大人の席について考えます。

「大人3人」、「運転席には大人」、「子どもが座る隣りに最低1人の大人」という条件から、大人の席は次の2つのパターンがあります。

各パターンにおいて、子どもは大人が座る席以外に座ります。

次に、大人が座る席をA、B、C、子どもが座る席をア、イ、ウ、エとします。

それぞれのパターンにおいて、大人3人の座り方は、Aが3通り、Bが2通り、Cが1通りですから、

3通り×2通り×1通り=6通り

です。

また、子ども4人の座り方は、アが4通り、イが3通り、ウが2通り、エが1通りですから、

4通り×3通り×2通り×1通り=24通り

です。

ですから、全部で

6通り×24通り×2パターン=288通り

の座り方があります。

答え 288通り

 

本問は、数が少ない方を先に着目するという考え方が確認できる問題です。

なお、座席の代わりに、大人にA、B、C、子どもにア、イ、ウ、エと名前を付けても構いません。

 

3問目は、「図形の個数」に関する問題です。

 

【問題】円周上に5つの異なる点A、B、C、D、Eがあります。このうち3つの点を選んで三角形を作ると、三角形は全部で何個できますか。

(芝国際中学校 2024年 問題2-(5))

 

【考え方】

例えば、次の図のように3点A、B、Cを選んで三角形を作ると、使わない点としてD、Eのが2個残ります。

ですから、三角形を作る3点の選び方と使わない2個の選び方は同じだけあるとわかります。

使わない2点の選び方は、1問目のように樹形図などをかいてもよいですし、

5C2=(5×4)/(2×1)=10通り

のように計算で求めることもできます。

答え 10個

 

本問は、「5点から3点を選ぶ」ことと、「5点から残りの2点を選ぶ」ことが同じという考え方が確認できる問題です。

 

引き続き、4問目を見ていきます。

 

【問題】図のように、円周上に8個の点があります。これらの点から4個の点を選んで直線で結び四角形を作ります。このようにしてできる四角形は全部で何個ありますか。

(三田国際学園中学校 2024年 問題1-(2) 問題文一部変更)

 

【考え方】

例えば、A、B、C、Dの4個の点を選んで四角形ABCDを作る場合を考えます。

このとき、4個の点A、B、C、Dを並べる順序は次の24通りがあります。

(4通り×3通り×2通り×1通り=24通りのように計算で求めることもできます。)

このように、A、B、C、Dの4個の点の並べ方は24通りありますが、どの順序で並べてもできる四角形は四角形ABCDの1個です。

ですから、8個の点から4個の点を順に並べる方法は

8通り×7通り×6通り×5通り=1680通り

ありますが、できる四角形の個数は

1680通り÷24通り=70個

です。

答え 70個

 

本問は、並べる順序を区別しない場合の考え方が確認できる問題です。

8C4=(8×7×6×5)/(4×3×2×1)=70通り

のように計算で求めてもOKです。

 

今回は、2024年度に共学中の入試で出された、「場合の数」の基本問題をご紹介しました。

いずれも大切な考え方ですから、もし、正解できないときは、樹形図などを用いた「書き出し」、「並べ方」や「選び方」の計算方法や計算式の理由などを確認しましょう。

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場合の数の練習問題 / 中学入試の算数問題 2024年10月05日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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