「合い言葉」で算数の入試問題を解こう3
第287回「『合い言葉』で算数の入試問題を解こう3 正多角形問題と二等辺三角形問題」
合い言葉で算数の入試問題を解くという試みも、今回で3回目です。
それでは、早速、入試問題に取り組んでみましょう。
2016年度 渋谷教育学園幕張中 入試問題 算数より
大問4 右の図のような図形があります。この図形は、すべての辺の長さが2cmで、aの角の大きさとbの角の大きさはそれぞれ等しく、bの角の大きさはaの角の大きさの10倍です。このとき、次の各問いに答えなさい。
(1)aの角の大きさは何度ですか。
(2)この図形の面積は何cm2ですか。
今回用いる合い言葉は、「正多角形は円で囲む」です。
問題図はaの角が12個、bの角も12個あり、
正12角形を元にして作られた図形と考えることができます。
上図のように問題図を円で囲むことができました。
円で囲んだということは、円問題になったわけですから、
「円問題の補助線は半径(中心と結ぶ)」という合い言葉が使えます。
すべての頂点を中心と結んでもよいのですが、
「対称図形は一部分に着目する」
という合い言葉を利用すると、次のような図になります。
角aの大きさを②とすると、角bの大きさは⑳ですから、
①+⑩+15°=180°より、①=15°が求められます。
(1)の答え30°(矢尻形・ブーメランに着目してもOKです)
また、このことより、
図の三角形(赤線)が二等辺三角形ということもわかります。
等しい2つの角の大きさが15°の二等辺三角形とくれば
「30°問題」です。
これにより二等辺三角形の面積が1cm2とわかり、
図形全体は、1cm2×2×12=24 cm2 と求められました。
このように、初めて見る問題でも、
合い言葉を利用すると解くことができますので、
「○○のときには☆☆という合い言葉」のように、
どのような条件のときに、どのような合い言葉が使えるのかを
覚えるようにしましょう。
もう1問、ご紹介します。
2016年度 四天王寺中 入試問題 算数より
大問3 図のように二等辺三角形ABCの中に正方形がぴったり入っています。
① 二等辺三角形の底辺BCの長さが26cm、正方形の1辺の長さが6cmのとき、二等辺三角形ABCの面積を求めなさい。
② 二等辺三角形の底辺BCの長さが40cmで高さが15cmのとき、正方形の1辺の長さを求めなさい。
定番の問題です。
「二等辺三角形は垂線で2等分」という合い言葉を利用しましょう。
① 合い言葉を使うと相似形が見つかります。
⑩=6cm → ⑬=7.8cm なので、26cm×7.8cm÷2=101.4cm2 とわかります。
② こちらも「二等辺三角形は垂線で2等分」という合い言葉を利用します。
平面図形の定番問題は
「合い言葉」を利用すると決して難しくはありませんし、
はじめて見るやや難しめの問題も、
使える「合い言葉」から順に利用することで、
少しずつ解きほぐしていくことができます。
初めて見る問題でも「合い言葉」が使えるまで練習ができれば、
塾のテストや入試問題でも点数を積み上げていくことができそうですね。