夏休みに成績を上げる準備4 早稲田アカデミー編
「第238回 夏休みに成績を上げる準備4 早稲田アカデミー編」
これまで、夏休みに成績を上げる準備を、サピックス・日能研について考えました。
今回は早稲田アカデミーの夏期講習で成績を上げていく方法をみていきます。
はじめに早稲田アカデミーの夏期講習日程(小6通常クラス)を確認しましょう。
※日程や時間などは校舎によって異なります。8/30は組分けテスト。
1日の授業は午前9時30分~午後5時まで、
昼食をはさんで、算数や国語は各4時間、理科や社会は各2.5時間の
計6.5時間の授業があります。
夏期講習の期間はのべ23日間(理社は20日間)、
さらに期間中には夏期合宿もあります。
この23日間の夏期講習中に実施される算数の学習単元は、
通常クラスの場合、次の通りです。
※カリキュラムは予定で、変更になる場合があります。
最上位クラスは別のカリキュラムと教材です。
これらの学習単元について、
早稲田アカデミーのHPには、
「バックアップテキストという教材を用いて、
どの学校を受験する上でも身につけておかなければならない解法知識を
確認、補完していきます」
と書かれています。
「バックアップテキスト」がいかせるような準備をしておくことで、
夏期講習を実り多いものにできそうですね。
「バックアップテキスト」は上記の全63単元で、これを12回の授業で学ぶことになります。
ほぼすべての単元を網羅していますから、
「どの学校を受験する上でも身につけておかなければならない
解法知識を確認、補完していきます」
という目的に合っていますね。
では、夏期講習第6~7回で学ぶ「速さと比」を例に、
この「バックアップテキスト」で学ぶ内容を
具体的にみていきます。
「速さと比」は「バックアップテキスト」のNo.16~21(6回分)ですから、
3回分を1日で学ぶ計算になります。
その3回分と
1学期に用いた「予習シリーズ 小6上」「ダブル・ベーシック 算数(上)」との
関係を調べてみましょう。
※予…予習シリーズ 算数 小6上、W…ダブルベーシック 算数(上)
※細字は基本問題、太字はやや難しい基本問題と中級レベルの問題です。
「バックアップテキスト」の問題は、
予習シリーズやダブルベーシックの
基本問題までのレベルが多いことがわかります。
具体例を挙げておくと
|
||
|
のように、
問題文の長さや表記、解き方がほぼ同じです。
ですから、
予習シリーズの基本問題などで理解が不十分な問題については、
あらかじめ復習をしておき、
夏期講習では
「使いこなせる」かどうかを確認する段階まで理解が深まっていると、
9月以降の学習に結びつきそうです。
また基本問題の復習ができていると、
次のような初めて見る中級レベルの問題に
塾での時間や家庭学習の時間を十分にあてることも可能です。
そのような問題を1問ご紹介します。
|
この問題のポイントは「距離を仮定」する点です。(比を使ってもかまいません)
【解き方1】
家から駅までの距離を1とします。
1÷4.5km/時=2/9…行きにかかった時間
2÷4km/時=1/2…往復にかかった時間
1/2-2/9=5/18…帰りにかかった時間
1÷5/18=3.6km/時
【解き方2】
家から駅までの距離を4.5と4の最小公倍数36kmと仮定します。
36km÷4.5km/時=8時間…行きにかかった時間
72km÷4km/時=18時間…往復にかかった時間
18時間-8時間=10時間…帰りにかかった時間
36km÷10時間=3.6km/時
基本問題ができている状態で夏期講習をむかえれば、
このような初めて解く問題をマスターすることだけに
時間をあてることができますから、
講習会の効果も期待できます。
しかし、この「バックアップテキスト」を利用するとき、
2つの注意点があります。
【「バックアップテキスト」利用時の注意点】
1.問題の大半が基本問題であること
2.問題数が多いこと
基本問題を中心に出題する学校が志望校であれば、
この「バックアップテキスト」をマスターすることは、
9月以降の志望校別特訓に大いに役立つといえるでしょう。
しかし、中堅校と呼ばれる学校群以上を目指しているのであれば、
秋以降の学習もレベルが少し高くなりますから、
何らかの補充学習をする方がよいと思います。
(校舎やクラスによっては
より幅広いレベルの問題を収録した「ダブルベーシック・サマー」が
主教材になる場合もあります。
最上位クラスは「上位校への算数」などが
主教材になります。)
とはいっても、
テキストの問題数が多いので
「夏休み中に追加の勉強をしておこう」
というのは難しいかも知れません。
また、
早稲田アカデミーの夏期講習はお盆休み期間以外、
ほとんど休みがありませんし、
早稲田アカデミーHPによれば
「1日あたり4時間程度の宿題を課す」ともあります。
塾から帰って就寝までの時間と朝起きてから通塾までの時間で、
宿題に4時間分をあてると、
残された時間はさほどありません。
ですから、夏期講習をより実り多いものにするには、
夏期講習前に準備をしておく方がよさそうです。
夏期講習が始まる前の6月や7月に、
夏期講習23日間の家庭学習を少しずつ先取っておけば、
上記のように、夏期講習中に9月に向けた学習の準備ができそうです。
1日に1時間15分の準備ができれば、
明日6月14日から夏期前の7月20日までは37日間ありますから、
のべ46時間15分を作りだすことが可能です。
もし30分しか準備時間がとれなくても、
37日間で19時間程度の時間が生み出せますから、
週テストや月例テストから基本問題レベルでの弱点を見つけて、
少しずつ苦手を解消していくことができます。
予習シリーズ小6(上)が少し難しいときはダブルベーシックがありますし、
厳選された基本問題という点では市販されている
「四谷大塚 四科のまとめ 算数」を使ってもよいですね。
いずれの場合も、
6月、7月に少し時間を作って苦手な問題を減らしておくと、
夏の勉強がいきてくると思います。