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第648回 女子中の入試問題 平面図形 1

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図形の練習問題 2023年12月09日18時00分

「第648回 女子中の入試問題 平面図形 1」

今回から、2023年度に女子中で出された「平面図形」を見ていきます。

その1回目となる今回は「角の大きさ」に関する問題を取り扱います。

 

1問目は基本レベルの問題です。

4、5年生でも既習であればチャレンジしてみましょう。

 

【問題】下の図で、角xの大きさは何度ですか。ただし、同じ印のついた角の大きさは等しいものとします。

(品川女子学院中等部 2023年 問題2-(4) 問題文一部変更)

 

【考え方】

「○と×の和や差に着目」が、角の○×問題の基本の解き方です。

ここでは、さらに「三角形の1つの外角の大きさは、その隣りにない2つの内角の和に等しい」という外角定理も利用します。

60度+○○=×× → ××-○○=60度

 

角x+○=× → ×-○=角x

 

(×-○)は(××-○○)の半分です。

60度÷2=30度

答え 30度

 

本問は、角の○×問題の解き方と三角形の外角定理が確認できる問題です。

 

2問目も、基本レベルの問題です。

 

【問題】図は、正三角形を折り返してできた図形です。角xの大きさは何度ですか。

(大妻中学校 2023年 問題2)

 

【考え方】

折り返しの問題は、線対称図形の特徴を利用して解きます。

折り返す前の図形と折り返した後の図形は合同ですから、次のようになります。

 

○○は赤色の三角形の外角ですから

○○=84度+60度=144度 → ○=72度

です。

 

水色の三角形の内角の和は180度なので

角x=180度-(60度+72度)=48度

です。

答え 48度

 

本問は、折り返した図形の基本が確認できる問題です。

なお、解答例では右下の三角形に着目しましたが、左下の三角形に着目しても構いません。

(60度+36度)÷2=48度

 

では、3問目です。

 

【問題】次の図において、AC=BC=CD=DA、BD=DE=EBです。このとき、角x、y、zはそれぞれ何度ですか。

(立教女学院中学校 2023年 問題1-(7) 問題文一部変更)

 

【考え方】

はじめに、角xがある三角形ABCに着目します。

三角形ABCはAC=BCの二等辺三角形ですから、角xの大きさは

180度-70度×2=40度

です。

 

次に、角yがある三角形ABDに着目します。

三角形ACDはAC=CD=DAの正三角形ですから、角ACD=60度です。

また、三角形BCDはBC=CDの二等辺三角形ですから、の角の大きさは

{180度-(40度+60度)}÷2=40度

です。

 

二等辺三角形ABCは角BAC=角ABC=70度なので、角yの大きさは

70度-40度=30度

です。

 

ここまでにわかったことを図に書き込みます。

 

三角形BDEはBD=DE=EBの正三角形ですから、角BDE=60度です。

角z+×=60度=×+角CDB(40度) → 角z=40度

 

答え 角x 40度、 角y 30度、 角z 40度

 

本問は二等辺三角形や正三角形に着目する問題です。

正解できないときは解答例のように、図形を抜き出して考えてみましょう。

 

続けて、4問目です。

 

【問題】次の図は、正九角形です。○あの角度は何度ですか。

(香蘭女学校中等科 2023年 問題1-(13) 問題文一部変更)

 

【考え方】

「正多角形は円にピッタリくっつく(内接する)」が利用できます。

 

さらに「円問題の補助線は円の半径」を使います。

360度÷9=40度

(180度-40度×3)÷2=30度 … 

(180度-40度×4)÷2=10度 … 

(180度-40度×2)÷2=50度 … 

 

○あは赤色三角形の外角なので、

20度+80度=100度

です。

答え 100度

 

本問は、正多角形と角の関係、円問題の補助線について確認できる問題です。

円問題の補助線を引いてできる二等辺三角形を利用できるか、チェックしましょう。

なお、この問題も前問と同じように他の角の大きさから求めることもできます。

 

最後の問題は、応用レベルの問題です。

 

【問題】下の図のようなおうぎ形AOBがあります。このおうぎ形をBCを折り目として折ると、点Dが点Oに重なります。このとき、○あの角度は何度ですか。

(吉祥女子中学校 2023年 問題1-(6))

 

【考え方】

おうぎ形を折った図を重ねます。

弓形BDCと弓形BOCは合同ですからBD=BOです。

 

また、円問題の補助線として半径ODをかくと、OD=BO=半径よりBD=BO=ODとなり、三角形OBDが正三角形であることがわかります。

 

よって、

角AOD=128度-60度=68度

です。

 

ところで、OA=OD=半径ですから、三角形AODは二等辺三角形です。

(180度-68度)÷2=56度 … ○あ

答え 56度

 

本問は、2問目の折り返し、3問目の二等辺三角形と正三角形、4問目の円問題の補助線について確認ができる応用問題です。

どれも大切な知識ですので、もし正解できなかったときは、2~4問目のような問題でそれぞれの知識が使えるように練習をしましょう。

 

今回は、2023年度の女子中の入試で出された「角の大きさ」の問題をご紹介しました。

三角形の外角定理や折り返しに関する知識、○×問題や円問題を解くときの考え方などは角の大きさの問題にとって大切です。

基本レベルの1~4問目で正解できない問題があれば、できるだけ早めに復習をしておきましょう。

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図形の練習問題 / 中学入試の算数問題 2023年12月09日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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