算数と暗記
雲雀のさえずりが青空の高みからふってきます。
お元気ですか?
地に目をやれば早くも菜の花が黄色い花を咲かせています。
今日は少し寒いのですが、いよいよ春の到来です。
2月に始まった塾での新学年もはや一月がたちました。
学習は順調でしょうか?
さて前回に引き続き、テーマは「暗記」です。
今回は「望ましい暗記」についてです。
「3.14」を学習すると、しばらくして「0.57」に出会うことがあります。
【問題】
1辺の長さが10cm正方形の中に中心角が90度のおうぎ形を2つが重なっている下の図で、
太線で囲まれた部分の面積は何平方センチメートルですか。
ただし、円周率は3.14とします。
この問題の図形は
「葉っぱ形(レンズ形、木の葉形、ラグビーボール形ともいいます)」とよばれているもので、
合同な弓形を2つくっつけた図形です。
この問題では
「葉っぱ形」を取り囲んでいる正方形の一辺の長さが10cmなので
「葉っぱ形」の面積は
10×10×0.57=57(平方センチメートル)
で求められることを習うのです。
この「0.57」は「3.14」同様に、
暗記していれば時間の短縮と計算ミスの危険回避に有効です。
一般には、下の「図形式」のようになりますから、
(10×10×3.14÷4-10×10÷2)×2=(78.5-50)×2=57
という計算です。
おうぎ形(四分円)から直角二等辺三角形を引いいて弓形を求め、
さらに2倍するのですから、考え方、計算ともに
算数が苦手なお子さんには厄介な問題ですね。
「0.57」があれば他にも(問題レンズ形4つ)の場合でも、
5×5×0.57×4=57
と瞬く間に正解を得ることができます。
算数で困っているお子さんは、
このような暗記という手法も「アリ」ですね。
ただし、「丸」暗記は危険回避になりません。
この「0.57」の場合は、
1.円周率が3.14であること
2.おうぎ形の中心角が90度であること
が、その使用条件だからです。
円周率が3.1や22/7であったり、中心角が60度だったりした場合に
この「0.57」をつかっていしまうと×がついてしまいます。
この問題だけの×ならば失点もまだ知れているのですが…。
一番怖い事は、図形式で考える癖がついてないので
「ではどうすれば解けるか?」を考えることができなくなってしまうことなんです。
そうなってしまうと、「図形分野が苦手」なお子さんになってしまう可能性も高まります。
他に、「流水算」の「(下りの速さ-上りの速さ)÷2=流速」も、
基本問題を解くにはとても有効ですが、
次の問題でそのまま使ってしまうと×になってしまいます。
【問題】
太郎くんが川下のA地点から1km上流にあるB地点まで
ボートに乗ってこぎ上るのに25分かかりました。
太郎君がB地点からA地点にこぎ下ろうとしたところ
川の流れの速さが上ってくるときの2倍になっていたので、
10分で下りおえました。
太郎くんが流れのないところでボートをこぐ速さは毎分何mですか。
中学受験算数の戦略面から割り切って考えるならば、
暗記は「悪」ではありません。
とくに算数がとっても苦手なお子さんにとっては
「望ましい暗記」は救世主ともなりえます。
一方で算数を入試の得点源にしていくならば、
「望ましい暗記は暗記」としておいて、
あるレベル以上の問題に対応するために
公式の理由を理解することなどが必要ですね。
(流水算の答え)
1000m÷25分=40m/分…上り=静水時-① ※①=上りのときの流速
1000m÷10分=100m/分…下り=静水時+②
この2つの速さの差60m/分は流速の3倍にあたるので、①=20m/分
40m/分+20m/分=60m/分
お元気ですか?
地に目をやれば早くも菜の花が黄色い花を咲かせています。
今日は少し寒いのですが、いよいよ春の到来です。
2月に始まった塾での新学年もはや一月がたちました。
学習は順調でしょうか?
さて前回に引き続き、テーマは「暗記」です。
今回は「望ましい暗記」についてです。
「3.14」を学習すると、しばらくして「0.57」に出会うことがあります。
【問題】
1辺の長さが10cm正方形の中に中心角が90度のおうぎ形を2つが重なっている下の図で、
太線で囲まれた部分の面積は何平方センチメートルですか。
ただし、円周率は3.14とします。
この問題の図形は
「葉っぱ形(レンズ形、木の葉形、ラグビーボール形ともいいます)」とよばれているもので、
合同な弓形を2つくっつけた図形です。
この問題では
「葉っぱ形」を取り囲んでいる正方形の一辺の長さが10cmなので
「葉っぱ形」の面積は
10×10×0.57=57(平方センチメートル)
で求められることを習うのです。
この「0.57」は「3.14」同様に、
暗記していれば時間の短縮と計算ミスの危険回避に有効です。
一般には、下の「図形式」のようになりますから、
(10×10×3.14÷4-10×10÷2)×2=(78.5-50)×2=57
という計算です。
おうぎ形(四分円)から直角二等辺三角形を引いいて弓形を求め、
さらに2倍するのですから、考え方、計算ともに
算数が苦手なお子さんには厄介な問題ですね。
「0.57」があれば他にも(問題レンズ形4つ)の場合でも、
5×5×0.57×4=57
と瞬く間に正解を得ることができます。
算数で困っているお子さんは、
このような暗記という手法も「アリ」ですね。
ただし、「丸」暗記は危険回避になりません。
この「0.57」の場合は、
1.円周率が3.14であること
2.おうぎ形の中心角が90度であること
が、その使用条件だからです。
円周率が3.1や22/7であったり、中心角が60度だったりした場合に
この「0.57」をつかっていしまうと×がついてしまいます。
この問題だけの×ならば失点もまだ知れているのですが…。
一番怖い事は、図形式で考える癖がついてないので
「ではどうすれば解けるか?」を考えることができなくなってしまうことなんです。
そうなってしまうと、「図形分野が苦手」なお子さんになってしまう可能性も高まります。
他に、「流水算」の「(下りの速さ-上りの速さ)÷2=流速」も、
基本問題を解くにはとても有効ですが、
次の問題でそのまま使ってしまうと×になってしまいます。
【問題】
太郎くんが川下のA地点から1km上流にあるB地点まで
ボートに乗ってこぎ上るのに25分かかりました。
太郎君がB地点からA地点にこぎ下ろうとしたところ
川の流れの速さが上ってくるときの2倍になっていたので、
10分で下りおえました。
太郎くんが流れのないところでボートをこぐ速さは毎分何mですか。
中学受験算数の戦略面から割り切って考えるならば、
暗記は「悪」ではありません。
とくに算数がとっても苦手なお子さんにとっては
「望ましい暗記」は救世主ともなりえます。
一方で算数を入試の得点源にしていくならば、
「望ましい暗記は暗記」としておいて、
あるレベル以上の問題に対応するために
公式の理由を理解することなどが必要ですね。
(流水算の答え)
1000m÷25分=40m/分…上り=静水時-① ※①=上りのときの流速
1000m÷10分=100m/分…下り=静水時+②
この2つの速さの差60m/分は流速の3倍にあたるので、①=20m/分
40m/分+20m/分=60m/分