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第642回 女子中の入試問題 速さ 1

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速さの練習問題 2023年10月28日18時00分

「第642回 女子中の入試問題 速さ 1」

前回まで、2023年度に女子中で出された「比と割合」問題を見てきました。

今回からは、「速さ」がテーマの問題を取り扱っていきます。

 

まずは、基本レベルの問題です。

 

【問題】駅から学校前のバス停までバスに乗ると9分で到着します。駅で次のバスの発車まで16分あるとき、すぐに出発して毎時( )㎞より速く歩けば、次のバスに乗るより早く学校前に到着します。ただし、バスの速さは一定で、毎時15㎞とします。( )にあてはまる数を入れなさい。

(湘南白百合学園中学校 2023年 問題1-(5) 問題文一部変更)

 

【考え方】

速さ以外は時間に関する条件だけですから、ダイヤグラムに整理します。

 

「速さの3公式」が利用できます。

15㎞/時×9/60時間=9/4㎞ … 駅から学校前までの距離

 

16分+9分=25分 … 歩く時間

9/4㎞÷25/60時間=27/5㎞/時

 

答え 27/5(5.4)

 

本問は、条件整理の選択と速さの3公式が確認できる問題です。

 

なお、問題のレベルが基本ですから、条件整理は

のように線分図でも構いません。

 

また、速さの3公式の代わりに

のように「速さと比」の関係を用いてもOKです。

 

2問目も、基本レベルの問題です。

 

【問題】Aさんは、いつもは家から学校まで分速72mの速さで歩きます。昨日は分速80mの速さで歩いたので、学校に着くまでにかかる時間がいつもより3分短くなりました。今日は分速60mの速さで歩いたので、学校に着くまでにかかる時間がいつもより( )分長くなりました。( )にあてはまる数を求めなさい。

(品川女子学院中等部 2023年 問題2-(9) 問題文一部変更)

 

【考え方】

速さ以外は時間に関する条件だけですから、ダイヤグラムに整理します。

 

時間の条件が「差」だけですので「速さの3公式」の計算はできません。

そこで、「速さと比」の関係を用いることにします。

 

よって、いつもと今日の時間の差は

⑫-⑩=3分×2=6分

です。

 

答え 6

 

本問は、条件整理と速さと比の関係の利用が確認できる問題です。

なお、「距離が一定のとき、速さの比と時間の比は逆比になる」を用いてもOKです。

 

3問目は、大問形式の問題です。

 

【問題】ある山にはA、B2つの登山ルートがあります。Aの道のりはBの道のりの1.5倍あります。Aのルートを時速3.6㎞で、Bのルートを時速2㎞で登ると、Aのルートで登った方が40分早く頂上に到着します。次の問いに答えなさい。

(1)A、Bの道のりはそれぞれ何㎞か求めなさい。

(2)Bのルートには、スタート地点から3㎞のところに湖があります。湖で休けいしてから頂上を目指すことを計画しました。湖までは時速2㎞で登り、休けい時間は30分とします。Aのルートを時速3.6㎞で登るのと同じ時間で頂上に到着するためには、休けい後に時速何㎞で登ればよいか求めなさい。なお、答えの求め方も説明しなさい。

(頌栄女子学院中学校 2023年 問題4)

 

【考え方】

(1)

時間の条件が前問と同じく「差」だけですので、「速さと比」の関係を利用します。

 

40分=2/3時間

3.6㎞/時×(2/3時間×5)=12㎞ … Aの道のり

12㎞÷1.5=8㎞ … Bの道のり

 

答え A 12㎞、 B 8㎞

 

(2)

条件を整理します。

距離の条件は「12㎞」「8㎞」「3㎞」の3つ、時間の条件は「30分」「同じ時間」の2つですから、線分図に整理することにします。

 

3㎞÷2㎞/時=1.5時間 … スタート地点から湖までの時間

10/3時間-(1.5時間+1/2時間)=4/3時間 … 湖から頂上までの時間

8㎞-3㎞=5㎞ … 湖から頂上までの道のり

5㎞÷4/3時間=15/4㎞/時

 

答え 時速15/4㎞(時速3.75㎞)

 

本問は、その前の2問の総合問題といえる問題です。

(1)は速さと比の関係、(2)は条件整理と速さの3公式の使い方が確認できます。

 

なお、頂上までの道のりが等しくないことや途中で休みがあることから、ダイヤグラムに整理する方が線分図よりもわかりやすく感じるかもしれません。

 

それでは、今回の最終問題です。

 

【問題】共子さんは家から2.6㎞離れた図書館に向かいます。共子さんは毎時3㎞の速さで歩き、13分歩く毎に2分間休みます。共子さんが家を出てから図書館に着くまでにかかる時間は( )分です。( )に当てはまる数を求めなさい。

(横浜共立学園中学校 2023年 問題1-(4) 問題文一部変更)

 

【考え方】

「休み歩き」の問題です。

 

この問題には、「歩く+休む」を1セットとして考える解き方と、「延べの歩く時間+延べの休む時間」のように考える解き方の2つがあります。

 

ここでは「延べ」を利用することにします。

 

2.6㎞÷3㎞/時=13/15時間 → 52分 … 延べの歩く時間

52分÷13分=4回

 

ですから、ちょうど4回に分けて歩くと図書館に着くことがわかります。

 

4回-1回=3回 … 休む回数

2分×3回=6分 … 延べの休む時間

52分+6分=58分

 

答え 58

 

本問は、「休み歩き」の問題の基本が確認できる問題です。

 

「セット」で考えるときは、

3㎞/時×13/60時間=0.65㎞

2.6㎞÷0.65㎞=4(セット)

(13分+2分)×4セット-2分=58分

のように計算します。

 

今回は、2023年度に女子中の入試で出された「速さ」の問題の中から、基本レベルの問題をご紹介しました。

速さの3公式や速さと比の関係はこの単元の基本ですので、もし、正解できない問題があれば、どこで間違えたかを正確に調べ、正しい考え方を学習し直しましょう。

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速さの練習問題 / 中学入試の算数問題 2023年10月28日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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