『図形の切断の学習ポイント』
第151回 入試の定番問題を攻略しよう ~4~
「ラ・サール中学校 26年春受験用 鹿児島県公立・私立中学校入試問題集3」教英出版
「過去問集」といわれる本には、いくつかの種類があります。
・過去10年~20年分の入試問題を収蔵した「問題傾向」を知るのに適した問題集
・国公立系の中学校や特定エリアの中学校など「特定の学校」を知るのに適した問題集
・実際の入試問題にそっくりの書式で印刷された「入試の模擬演習」がしやすい問題集
・単元ごとに過去の問題を編集した「単元別学習」にぴったりの問題集
などです。
時期と目的、そして過去問に投入できる時間数によって使い分けるとよさそうですね。
たとえば立体切断の問題の場合、作図スペースがどのくらいあるのかを知りたければ
そっくりの書式で印刷された問題集が最適ですし、
これまでにどんな切断問題が出されたのかを知るためには
過去10年~20年分の問題集や単元別編集の問題集がよいでしょう。
切断の問題の一例を挙げると
ラ・サール中学の2013年入試では、大問6が切断でした。
上記のような問題の配置で、問題用紙はB4サイズです。
また、解答用紙は別紙で、解答のみを書きます。
つまり、部分点が出ないタイプの入試ですね。
ちなみに大問6の配点は15点です。
問題が2問ありますので、1つくらいは図を自分で書かなければいけないでしょう。
そんな「フォーマット演習」も入試までにはすませておきたいですね。
では、問題もご紹介もしておきます。
ラ・サール中学 2013年 大問6
6 右の図のような直方体があります。点Mは辺AEの真ん中の点です。この直方体を、まず3点A、C、Fを通る平面で切り、切ってできる2つの立体のうち点Bを含む方を取り除きます。次に、残った立体を、点Mを通り底面EFGHに平行な平面で切ります。このとき、次の問いに答えなさい。ただし、角すいの体積は、(底面積)×(高さ)÷3です。
(1)点Eを含む立体の体積を求めなさい。
(2)点Dを含む立体について、
①辺の数と面の数は、それぞれいくつですか。
②体積はいくらですか。
この切断問題は、ひとつの条件を除いて2回切断の定番です。
そのひとつとは「立体が直方体」という点です。
しかし、立体が立方体であっても、直方体であっても変わらないものがあります。
次の図を見て下さい。
左の図については、
立方体の底面積:三角すい(赤)の底面積 = 2:1
立方体の高さ:三角すい(赤)の高さ = 1:1 ですから、
立方体の体積:三角すい(赤)の体積 = 2×1:1×1÷3 =6:1 です。
右の図についても、
直方体の底面積:三角すい(青)の底面積 = 2:1
直方体の高さ:三角すい(青)の高さ = 1:1 ですから、
直方体の体積:三角すい(青)の体積 = 2×1:1×1÷3 =6:1 です。
このように同じ切り方をすると「体積比」は変わらないのです。
この知識があると、この定番の問題はさらに簡単な問題となります。
問題に従って作図をしてみましょう。
この図から、(1)は直方体の1/2から三角すい(小)を引けばよいことがわかります。
6年生にはここからは「比の利用」がお勧めです。
点Mが辺AEの真ん中の点ですから、
三角すいF-ABCと三角すい(小)の相似比は2:1です。
従って、三角すいF-ABCの体積:三角すい(小)の体積=8:1です。
また、三角すいF-ABCの体積は立体の1/6でしたから、
(1)は 6cm×10cm×4cm-6cm×10cm×8cm×1/6×1/8=230cm3
とわかります。
(2)-①は、見取り図を見て数えればOKですし、オイラーの定理を使ってもOKです。
面は図から7面とわかりますし、頂点は8つですから、
「辺=頂点+面-2」を利用すると、辺は13本です。
体積は直方体の1/2から「三角すいF-ABC-三角すい(小)」を引けば求められます。
6cm×10cm×4cm-6cm×10cm×8cm×1/6×7/8=170cm3
2013年のラ・サール中学の問題は、
定番の「立方体」の切断を「直方体」にアレンジした問題でしたが、
切断の仕方自体がよく練習するパターンでしたので、
問題の難易度自体は変わっていません。
現時点(10月)でいえば、
6年生には比の利用ができるかをチェックするのにちょうどよい練習問題、
5年生にはゴリゴリと計算するチャレンジ問題だといえます。
立方体の切断がこれまでもよく出題されている学校が志望校の6年生は、
もしこの問題で手こずるようでしたら、どの部分が弱いのか至急点検しておきましょう。
「ラ・サール中学校 26年春受験用 鹿児島県公立・私立中学校入試問題集3」教英出版
「過去問集」といわれる本には、いくつかの種類があります。
・過去10年~20年分の入試問題を収蔵した「問題傾向」を知るのに適した問題集
・国公立系の中学校や特定エリアの中学校など「特定の学校」を知るのに適した問題集
・実際の入試問題にそっくりの書式で印刷された「入試の模擬演習」がしやすい問題集
・単元ごとに過去の問題を編集した「単元別学習」にぴったりの問題集
などです。
時期と目的、そして過去問に投入できる時間数によって使い分けるとよさそうですね。
たとえば立体切断の問題の場合、作図スペースがどのくらいあるのかを知りたければ
そっくりの書式で印刷された問題集が最適ですし、
これまでにどんな切断問題が出されたのかを知るためには
過去10年~20年分の問題集や単元別編集の問題集がよいでしょう。
切断の問題の一例を挙げると
ラ・サール中学の2013年入試では、大問6が切断でした。
上記のような問題の配置で、問題用紙はB4サイズです。
また、解答用紙は別紙で、解答のみを書きます。
つまり、部分点が出ないタイプの入試ですね。
ちなみに大問6の配点は15点です。
問題が2問ありますので、1つくらいは図を自分で書かなければいけないでしょう。
そんな「フォーマット演習」も入試までにはすませておきたいですね。
では、問題もご紹介もしておきます。
ラ・サール中学 2013年 大問6
6 右の図のような直方体があります。点Mは辺AEの真ん中の点です。この直方体を、まず3点A、C、Fを通る平面で切り、切ってできる2つの立体のうち点Bを含む方を取り除きます。次に、残った立体を、点Mを通り底面EFGHに平行な平面で切ります。このとき、次の問いに答えなさい。ただし、角すいの体積は、(底面積)×(高さ)÷3です。
(1)点Eを含む立体の体積を求めなさい。
(2)点Dを含む立体について、
①辺の数と面の数は、それぞれいくつですか。
②体積はいくらですか。
この切断問題は、ひとつの条件を除いて2回切断の定番です。
そのひとつとは「立体が直方体」という点です。
しかし、立体が立方体であっても、直方体であっても変わらないものがあります。
次の図を見て下さい。
左の図については、
立方体の底面積:三角すい(赤)の底面積 = 2:1
立方体の高さ:三角すい(赤)の高さ = 1:1 ですから、
立方体の体積:三角すい(赤)の体積 = 2×1:1×1÷3 =6:1 です。
右の図についても、
直方体の底面積:三角すい(青)の底面積 = 2:1
直方体の高さ:三角すい(青)の高さ = 1:1 ですから、
直方体の体積:三角すい(青)の体積 = 2×1:1×1÷3 =6:1 です。
このように同じ切り方をすると「体積比」は変わらないのです。
この知識があると、この定番の問題はさらに簡単な問題となります。
問題に従って作図をしてみましょう。
この図から、(1)は直方体の1/2から三角すい(小)を引けばよいことがわかります。
6年生にはここからは「比の利用」がお勧めです。
点Mが辺AEの真ん中の点ですから、
三角すいF-ABCと三角すい(小)の相似比は2:1です。
従って、三角すいF-ABCの体積:三角すい(小)の体積=8:1です。
また、三角すいF-ABCの体積は立体の1/6でしたから、
(1)は 6cm×10cm×4cm-6cm×10cm×8cm×1/6×1/8=230cm3
とわかります。
(2)-①は、見取り図を見て数えればOKですし、オイラーの定理を使ってもOKです。
面は図から7面とわかりますし、頂点は8つですから、
「辺=頂点+面-2」を利用すると、辺は13本です。
体積は直方体の1/2から「三角すいF-ABC-三角すい(小)」を引けば求められます。
6cm×10cm×4cm-6cm×10cm×8cm×1/6×7/8=170cm3
2013年のラ・サール中学の問題は、
定番の「立方体」の切断を「直方体」にアレンジした問題でしたが、
切断の仕方自体がよく練習するパターンでしたので、
問題の難易度自体は変わっていません。
現時点(10月)でいえば、
6年生には比の利用ができるかをチェックするのにちょうどよい練習問題、
5年生にはゴリゴリと計算するチャレンジ問題だといえます。
立方体の切断がこれまでもよく出題されている学校が志望校の6年生は、
もしこの問題で手こずるようでしたら、どの部分が弱いのか至急点検しておきましょう。