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第601回 共学中の入試問題 数と計算 4

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数の性質の練習問題 2023年01月14日18時00分

「第601回 共学中の入試問題 数と計算 4」

前回は、2022年度に出された共学中入試の「数と計算」の中から大問形式の「約数と倍数」の問題を見ました。

今回は「余りの処理」の一行問題について考えていきます。

 

では、1問目です。

 

【問題】45をある整数で割った余りは11です。そのような整数をすべて求めなさい。

(東邦大学付属東邦中学校 2022年 問題2-(1))

 

【考え方】

「余り処理」は、「問題文を式に表す」が基本の解き方です。

45÷□=○余り11

「割る数>余り」ですから、□は12以上の整数と分かります。

さらに

45-11=34

より、

34÷□=○

と表せますので、□は34の約数です。

34の約数は、1、2、17、34の4個で、そのうち12以上の数は17と34です。

答え 17、34

 

本問は、余り処理の基本が確認できる問題です。

「割る数>余り」から求める数の範囲を絞り込む点が大切なポイントです。

 

続けて2問目を見ていきます

 

【問題】6で割っても、16で割っても2余る整数のうち、2より大きい整数について考えます。

① 最も小さい整数はいくつですか。

② 1000に最も近い整数はいくつですか。

(神奈川大学附属中学校 2022年 問題2-(1))

 

【考え方】

① 問題文を式に表すと

□÷6=○余り2

□÷16=●余り2

となります。

「余り処理」のもうひとつの基本は、「わり算の式を検算の式に直す」です。

□=6×○+2

□=16×●+2

この2つの式は、

□=6の倍数+2=16の倍数+2

と読みかえることができます。

上の線分図より、

□=(6と16の公倍数)+2

=(6と16の最小公倍数)×△+2

とわかります。

6と16の最小公倍数は48なので、2より大きい最小の整数は

48×1+2=50

です。

答え 50

 

② ①より

□=48×△+2

ですから、

48×△+2=1000

とすると、

(1000-2)÷48=20余り38

より、△は20または21です。

48×20+2=962

48×21+2=1010

なので、1000に最も近い整数は1010です。

答え 1010

 

本問は「余り処理」の中の「余り共通」と言われる問題です。

上記のような考え方が身についていれば、「余り共通→割る数の最小公倍数×□+余り」という求め方ですぐに答えを導き出すこともできると思います。

②は次のような線分図を利用すると、

1000+(48-38)=1010

のように求めることもできます。

 

では、3問目です。

 

【問題】18で割ると割り切れて、81で割ると商と余りが等しくなる数があります。このような数のうち最大の数を求めなさい。

(青山学院中等部 2022年 問題6 問題文一部変更)

 

【考え方】

これまでと同じように、問題文を式に表します。

□÷18=○

□÷81=●あまり●

1つめの式から□は18の倍数であることが分かり、2つめの式から●は80以下の整数と分かります。

また、2つめの式を検算の式に直すと、

□=81×●+●

=81×●+1×●

=82×●

となりますので、□は

82×80=6560

以下の82の倍数であることも分かります。

条件を整理します。

・□は18の倍数

・□は82の倍数

・□は6560以下

18と82の最小公倍数は738ですから、

738×△≦6560

です。

6560÷738=8余り656

より、最大の数は

738×8=5904

です。

答え 5904

 

本問は、「81で割った商と余りが等しい」という条件を、分配のきまりを使って「82の倍数」に読みかえるという解き方が確認できる問題です。

 

最後に、もう1問見ておきましょう。

 

【問題】ある数を3で割ると割り切れ、その商をさらに3で割ると2余ります。このような数のうち、100に一番近いものは何ですか。

(中央大学付属横浜中学校 2022年 問題1-(7) 問題文一部変更)

 

【考え方】

問題文を式に表します。

□÷3=○

○÷3=●余り2

1つめの式から□は3の倍数と分かり、2つめの式を検算の式にすると

○=3×●+2

=3の倍数+2

と分かります。

○は小さい順に2、5、8、11、…ですから、33に近い○は32と35です。

よって、□は

32×3=96

または

35×3=105

なので、100に最も近い数は96と分かります。

答え 96

 

本問は上記の他に、100に近い3の倍数について、3で割った数をさらに3で割って2余るかどうかを調べていくという解き方もありますし、

□=3×(3×●+2)

=9×●+6

とし、

(100-6)÷9=10余り4

から、

●=10または11

として求めていく方法もあります。

 

今回は2022年度の共学中の入試で出された「数と計算」の中から、「余り処理」の一行問題をご紹介しました。

「約数と倍数」と同じく「余り処理」の問題も中学入試ではよく出されますので、この単元を学び終えていましたら、定着度をチェックしてみましょう。

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数の性質の練習問題 / 中学入試の算数問題 2023年01月14日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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