平成25年入試直前 昨年度の問題を振り返る 開成中学
開成中学です。
新年おめでとうございます。
年も改まり、今日は平成25年1月5日。
昨日、4日には早くも岡山県の岡山中で入試が行われました。
受験生の皆さんが十分に力を発揮できたことを願ってやみません。
このあと近畿圏の私立中は1月19日から、
首都圏の私立中は埼玉県・千葉県が1月10日から、
東京都・神奈川県が2月1日から入試が始まります。
そこで今回から、入試まで少し間のある関東エリアの学校について、
平成24年度の入試を振り返ってみようと思います。
第1回目は、つい先日、何となく西日暮里駅を降り、
道灌山通りを歩いているときに通りがかった開成中です。
開成中の算数の入試問題は、
制限時間60分、85点満点、大問4題(年によっては3題)です。
平成24年の合格者平均は55.7点、受験者平均は42.7点でした。
問題の構成は以下の通りです。
1 小問3題 規則性の問題…交通系のICカードのチャージがテーマでした。
2 小問2題 (1)三角形の折り返し (2)回転体の体積
3 1題 消去算と不定方程式タイプのつるかめ算
4 小問4題 数の性質…素因数分解を利用しながら約数について考える問題でした。
これに、開成中を受験するレベルでの問題難度を
A(易)、B(標準)、C(難)で振り分けてみます。
開成H.24
1.(1)A (2)A (3)B
2.(1)A (2)A
3. C
4.(1)A (2)B (3)C (4)C
算数という入試科目は、
『解答数が少ない=1問あたりの配点が大きい』という特徴がありますが、
開成中の場合ですと、85点満点÷小問10題=8.5点 です。
合格者平均55.7÷8.5=6.6題=合格者が正解した問題数
(合格者平均55.7-受験者平均42.7)÷8.5点=1.5題=合格者と受験者との差
というデータから、
A、Bレベルの問題(計7題)を解ききった受験生が合格し、
これを1~2題解きそびれた受験生が目的を達成できなかったといえそうです。
1-(3)は、その「正解しそびれた1~2題」のひとつではないでしょうか。
1
AさんはICカードを使ってバスに乗ります。ICカードとは、チャージ金額が記載されているカードで、乗車するごとに運賃と同じ金額だけチャージ金額が減るものです。正規運賃は210円で、正規運賃で4回乗車するごとに次の1回は割引運賃で乗車できます。1回目の割引運賃は100円、2回目の割引運賃は90円、3回目の割引運賃は80円、…というように割引運賃は回を追うごとに10円ずつ額が減っていき、0円になったらそれ以降は、4回乗車するごとに次の1回は0円、すなわち無料で乗車できます。
Aさんがバスにはじめて乗車する前のチャージ金額は3000円で、チャージ金額が210円未満になったら次回乗車するまでにAさんンが5000円チャージ(入金)することにします。
(1)Aさんは1回もチャージすることなく、このICカードで何回まで乗車できますか。
(2)はじめて0円で乗車できるまでに、Aさんは何回チャージすることになりますか。
(3)このICカードで2012回乗車するまでに、Aさんは何回チャージすることになりますか。
(考え方)
SuicaやPASMOといった「ICパス」を利用しているお子さんには、
「チャージ」という言葉の意味もとらえやすかったかもしれませんので、
あとは「割引運賃」の処理だけです
このように整理すると、ア=10周期目、イ=11周期目、ウ=12周期目…と分かります。
表より11周期目の5回目がはじめて0円で乗車できますから
それまでの乗車金額の総額は、(940円+840円)×11÷2=9790円 です。
(3)の解き方
2012回÷5回=402周期あまり2回 より、2012回乗車するための総額は、
9790円+840円×(402周期-11周期)+210円×2回=338650円 です。
(338650円-3000円)÷5000円=67あまり650円 より、
68回のチャージが必要とわかります。
(1)を解くために整理していくと、「規則性の問題」だと気づけるはずです。
もちろん、(3)の「2012回」というところからもわかりますね。
ということは順々に整理を進めながら解けば
=問題の誘導に従って解けば、
全問正解できる可能性が高い問題だっといえそうです。
もちろん、誘導にのっても最後の小問だけは難しい大問もあります。
今年の受験生さんも、来年受験する5年生のお子さんも、
「入試問題を戦略的に攻略する」視点が持てると、
「合格ラインを突破」しやすくなると思います。
5年生のお子さんは、このようにしてたてる戦略を成功させるために、
戦術=問題解法を進学塾で学び、身につけていけるといいですね。