切断 ~立体図形 その2~
腹広蟷螂!
お元気ですか?
ハラビロカマキリです。
お腹がやや大きいところを見ると、メスなのかもしれません。
そろそろ交尾を終え、産卵を迎える季節です。
ところでカマキリといえば、
「蟷螂の斧」
「蟷螂が斧を取りて(あるいは 以って)隆車に向かう」
ということわざがありますね。
「弱者が無謀にも強者に立ち向かう」といった意味なので、
「蛮勇」や「強がり」に近いニュアンスがあります。
でも、このことわざの出典のひとつ、「韓詩外伝」によれば、
「この蟷螂がもしも人間であったならば、天下を取っていいたことだろう」と
斉の壮公がいったと記されていますから、
「勇敢」という意味もあるようです。
さて、カマキリが車輪を狙って切りつけたらどうなるんでしょう…?
もしかしたら、ルパンⅢ世に登場する十三代目石川五右衛門の斬鉄剣のように、
スパッと真っ二つに切ってしまうかもしれません。
ということで今回のテーマは、もちろん「切断 ~立体図形 その2~」です。
「切断」は非常に難しいテーマです。
空間把握力がものをいうテーマですが、この力がお子さんによって差があるからです。
ただ、その力の差を小さくする方法が算数にはあるんです。
それが「切断の三原則」です!
原則その1…「2つ点が同じ面にあれば、結ぶことができる」
原則その2…「平行に向かい合う面の切り口(切断線)は平行になる」
原則その3…「以上の2原則を使ってもうまくいかないときは、延長する」
これに加えて立方体の切断面のパターン、
・正方形
・長方形
・ひし形
・平行四辺形
・台形(含む:等脚台形)
・正三角形
・二等辺三角形
・五角形
・正六角形
を覚えておけば、空間把握力の差を少しつめることができます。
もう少し差を小さくするためには、「2回切断」のポイントを覚えましょう。
ポイント①…2つの切断面の交点を結ぶ(交線をひく)
ポイント②…切る順序を変えてみる
「切断の3原則」、「立方体の切断面」、「2回切断のポイント」を
問題演習を通して身につけることができれば、
かなりのレベルの問題まで解くことができます。
しかし、ある程度の経験がないと解くことが難しいのが、
灘中が得意とする「切断+復元」の問題です。
平成24年度 灘中(1日目)-13番などはその好例でしょう。
今回ご紹介する問題は、それよりは少し解きやすい、
2010年度 駒場東邦中2番-(2)です。
【問題】
図1はある7面体の展開図の一部分であり、面アと面イを組み合わせると図2のように1辺の長さが10cmの正方形となります。ここでA、Bはそれぞれ各辺の真ん中の点を表します。
① (略)
② この7面体の体積を求めなさい。
この問題では①で「面が1つ不足していること」を取り上げ、
その作図をすることになっています。
これがひとつの大きなヒントになっています。
このヒントから、立体図形が得意なお子さんや空間把握力に優れたお子さんは、
この7面対がどのような立体図形なのかがイメージできてしまいます。
では、空間把握力が平均的なお子さんの場合はどうすれば
この問題が解けるようになるのでしょうか?
さきほど、「立方体の切断パターンを覚える」といいました。
これを利用することで、この問題が攻略できるのです。
そしてもうひとつ、「展開図から見取り図をかく」には、
「もとはどんな正多面体だったのかな?」
「どんな正多面体を切断してこの立体図形になるのかな?」
という考え方を持つことが大切です。
決めつけて解くことは危険ですが、空間把握力が平均的なお子さんの場合、
このような考え方の助けなしに正解するのは、さすがに難しいといえます。
正多面体…。
正四面体は合同な正三角形が4つ、正六面体は正方形が6つ、正八面体は正三角形が8つ…
と考えていくとき、
「面アの形」がヒントになっていることに気づけます。
「もしかしたら、正方形の面の角が切り取られたのでは?」
「ということは、もとは立方体?」
「じゃあ、面アが3面くっついているから…」
と、ここまで考え方が進めば見取り図が見えてきます。
そこで、残った3つの面イを折り曲げてみると…
どこまで見た形になりましたね?
そうです! 立方体を切断した面が正六角形になるパターンです。
A、Bが辺の真ん中の点でしたから
この正六角形によって立方体はちょうど1/2に分割されます。
ですからその体積は、10×10×10÷2=500cm3 とわかります。
展開図から見取り図をかいて解くこのような問題や
2回以上切断する問題は非常に難しいと思います。
しかし、「切断の3原則」、「立方体の切断面」、「2回切断のポイント」を
身につけることができていれば、正解することも可能です。
練習してマスターできるといいですね。
お元気ですか?
ハラビロカマキリです。
お腹がやや大きいところを見ると、メスなのかもしれません。
そろそろ交尾を終え、産卵を迎える季節です。
ところでカマキリといえば、
「蟷螂の斧」
「蟷螂が斧を取りて(あるいは 以って)隆車に向かう」
ということわざがありますね。
「弱者が無謀にも強者に立ち向かう」といった意味なので、
「蛮勇」や「強がり」に近いニュアンスがあります。
でも、このことわざの出典のひとつ、「韓詩外伝」によれば、
「この蟷螂がもしも人間であったならば、天下を取っていいたことだろう」と
斉の壮公がいったと記されていますから、
「勇敢」という意味もあるようです。
さて、カマキリが車輪を狙って切りつけたらどうなるんでしょう…?
もしかしたら、ルパンⅢ世に登場する十三代目石川五右衛門の斬鉄剣のように、
スパッと真っ二つに切ってしまうかもしれません。
ということで今回のテーマは、もちろん「切断 ~立体図形 その2~」です。
「切断」は非常に難しいテーマです。
空間把握力がものをいうテーマですが、この力がお子さんによって差があるからです。
ただ、その力の差を小さくする方法が算数にはあるんです。
それが「切断の三原則」です!
原則その1…「2つ点が同じ面にあれば、結ぶことができる」
原則その2…「平行に向かい合う面の切り口(切断線)は平行になる」
原則その3…「以上の2原則を使ってもうまくいかないときは、延長する」
これに加えて立方体の切断面のパターン、
・正方形
・長方形
・ひし形
・平行四辺形
・台形(含む:等脚台形)
・正三角形
・二等辺三角形
・五角形
・正六角形
を覚えておけば、空間把握力の差を少しつめることができます。
もう少し差を小さくするためには、「2回切断」のポイントを覚えましょう。
ポイント①…2つの切断面の交点を結ぶ(交線をひく)
ポイント②…切る順序を変えてみる
「切断の3原則」、「立方体の切断面」、「2回切断のポイント」を
問題演習を通して身につけることができれば、
かなりのレベルの問題まで解くことができます。
しかし、ある程度の経験がないと解くことが難しいのが、
灘中が得意とする「切断+復元」の問題です。
平成24年度 灘中(1日目)-13番などはその好例でしょう。
今回ご紹介する問題は、それよりは少し解きやすい、
2010年度 駒場東邦中2番-(2)です。
【問題】
図1はある7面体の展開図の一部分であり、面アと面イを組み合わせると図2のように1辺の長さが10cmの正方形となります。ここでA、Bはそれぞれ各辺の真ん中の点を表します。
① (略)
② この7面体の体積を求めなさい。
この問題では①で「面が1つ不足していること」を取り上げ、
その作図をすることになっています。
これがひとつの大きなヒントになっています。
このヒントから、立体図形が得意なお子さんや空間把握力に優れたお子さんは、
この7面対がどのような立体図形なのかがイメージできてしまいます。
では、空間把握力が平均的なお子さんの場合はどうすれば
この問題が解けるようになるのでしょうか?
さきほど、「立方体の切断パターンを覚える」といいました。
これを利用することで、この問題が攻略できるのです。
そしてもうひとつ、「展開図から見取り図をかく」には、
「もとはどんな正多面体だったのかな?」
「どんな正多面体を切断してこの立体図形になるのかな?」
という考え方を持つことが大切です。
決めつけて解くことは危険ですが、空間把握力が平均的なお子さんの場合、
このような考え方の助けなしに正解するのは、さすがに難しいといえます。
正多面体…。
正四面体は合同な正三角形が4つ、正六面体は正方形が6つ、正八面体は正三角形が8つ…
と考えていくとき、
「面アの形」がヒントになっていることに気づけます。
「もしかしたら、正方形の面の角が切り取られたのでは?」
「ということは、もとは立方体?」
「じゃあ、面アが3面くっついているから…」
と、ここまで考え方が進めば見取り図が見えてきます。
そこで、残った3つの面イを折り曲げてみると…
どこまで見た形になりましたね?
そうです! 立方体を切断した面が正六角形になるパターンです。
A、Bが辺の真ん中の点でしたから
この正六角形によって立方体はちょうど1/2に分割されます。
ですからその体積は、10×10×10÷2=500cm3 とわかります。
展開図から見取り図をかいて解くこのような問題や
2回以上切断する問題は非常に難しいと思います。
しかし、「切断の3原則」、「立方体の切断面」、「2回切断のポイント」を
身につけることができていれば、正解することも可能です。
練習してマスターできるといいですね。