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第717回 男子中の入試問題 立体図形 1

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図形の練習問題 2025年04月05日18時00分

「第717回 男子中の入試問題 立体図形 1」

前回まで、近年に男子中の入試で出された「平面図形」の問題について考えました。

今回からは「立体図形」の問題を見ていきます。

その1回目の今回は、「柱体の求積」がテーマの問題を取り扱います。

 

1問目は、柱体の体積に関する基本レベルの問題です。

 

【問題】図1のような直方体から、底面の直径が4㎝の円柱の半分をくり抜いた形の容器があり、底面から水面までの高さが3㎝となるように水を入れました。また、図2のように、この容器の置き方を変えました。次の問いに答えなさい。ただし、円周率は3.14とし、容器の厚みは考えないものとします。

1) 容器に入っている水は何㎤ですか。

2) 図2の底面から水面までの高さは何㎝ですか。

(立教池袋中学校 2024年 問題6 問題文一部変更)

 

【考え方】

1)

水の部分は、長方形から直径が4㎝の半円を取り除いた図形を底面とする、高さ3㎝の柱体です。

4㎝+4㎝+7㎝=15㎝ … 長方形の横の長さ

4㎝÷2=2㎝ … 円の半径

4㎝×15㎝-2㎝×2㎝×3.14÷2=53.72㎠ … 底面積

「柱体の体積=底面積×高さ」ですから、水の体積は

53.72㎠×3㎝=161.16㎤

です。

答え 161.16㎤

 

2)

水は、縦の長さが□㎝、横の長さが4㎝の長方形から、半径が2㎝の半円を取り除いた図形を底面とする、高さ5㎝の柱体です。

水の体積は容器の置き方を変えても変わりませんから、水の底面積は

161.16㎤÷5㎝=32.232㎠

です。

4㎝×□㎝-2㎝×2㎝×3.14÷2=32.232㎠

□㎝=(32.232㎠+6.28㎠)÷4㎝=9.628㎝

答え 9.628㎝

 

本問は、柱体の体積の求め方を確認できる問題です。

2)を間違えているときは、計算が正しいか、「(長方形-半円)×高さ=体積」を利用して式を作っているかをチェックしましょう。

 

2問目は、平面図形の知識を必要とする問題です。

 

【問題】下の[図Ⅰ]のような形を底面とする柱状の容器が[図Ⅱ]のように水平な地面につくように置かれています。この容器に水を入れたら[図Ⅲ]のようになりました。入れた水の体積は何㎤ですか。ただし、容器の厚みは考えないものとし、円周率は3.14とします。

(本郷中学校 2024年 問題2-(6))

 

【考え方】

水は、[図Ⅲ]の斜線部分を底面とする、高さ30㎝の柱体です。

容器と水を半分にした図形で底面積を考えます。

赤色三角形と水色三角形は「斜辺と他の一辺が等しい直角三角形」なので合同ですから、面積が同じ三角形です。

 → 

よって、水の底面()の面積は半径8㎝のおうぎ形()の面積と同じです。

また、上の図の赤色三角形と水色三角形は、(斜辺の長さ):(最も短い辺の長さ)=2:1 の直角三角形ですから、角○=30度です。

以上から、容器の水の半分の底面積は半径8㎝、中心角の大きさ30度がのおうぎ形の面積と同じであることがわかります。

8㎝×8㎝×3.14×30度/360度×2×30㎝=1004.8㎤

答え 1004.8㎤

 

本問は、立体図形で利用する平面図形の知識を確認できる問題です。

もし、底面積を求めることができないようでしたら、次のような平面図形の問題でおさらいをしましょう。

 

 

3問目は、水の入った水そうを傾ける問題です。

 

【問題】下の図のように、あ○の部分が開いている容器が3点A、B、Cが床に接するように置いてあります。この容器はとなり合っている面がすべて直角に交わっていて、上から1㎝のところまで水が入っています。この容器を2点B、Cが床から離れないように動かすことを考えます。この容器を2点D、Eが床に接するように動かしたとき、こぼれる水の量は( ① )㎤です。さらに、この容器を再びもとの状態にもどしたとき、水の深さが一番深いところは( ② )㎝です。( ① )、( ② )にあてはまる数を答えなさい。

(サレジオ学院中学校 2024年 問題2-(4) 問題文一部変更)

 

【考え方】

容器は、底面が八角形、高さが5㎝の柱体とみることができますから、底面にあたる八角形を正面から見た図をかきます。

図1の場合も図2の場合も

「水の体積+容器のすき間の体積=容器の体積」 … (ア)

です。

また、水もすき間も容器も高さが5㎝の柱体とみることができますから、(ア)は正面から見た「水の面積+容器のすき間の面積=容器の底面積」と考えることもできます。

容器の底面(八角形)は1辺の長さが3㎝の正方形が6つ集まった図形ですから、容器の底面積は

3㎝×3㎝×6=54㎠

で、図1のすき間の面積は

1㎝×9㎝=9㎠

です。

54㎠-9㎠=45㎠ … 図1の水の面積

45㎠×5㎝=225㎤ … 図1の水の体積

また、図2のすき間の面積は

9㎝×9㎝÷2=40.5㎠

ですから、図2の水の面積は

54㎠-40.5㎠=13.5㎠

です。

13.5㎠×5㎝=67.5㎤ … 図2の水の体積

以上から、こぼれる水の量は

225㎤-67.5㎤=157.5㎤ … ①

とわかります。

次に、容器を元の状態に戻した場合について、正面から見た図をかきます。

今度は水がこぼれませんので、

図2の水の面積=図3の水の面積=13.5㎠

です。

13.5㎠+3㎝×3㎝=22.5㎠ … 図3の水の面積+の面積

図3の 水の面積+の面積 は、縦の長さが□㎝、横の長さが 3㎝+3㎝=6㎝ の長方形の面積と同じです。

□㎝×6㎝=22.5㎠ → □㎝=22.5㎠÷6㎝=3.75㎝ … ②

答え ① 157.5、 ② 3.75

 

本問は、立体図形の見方と表し方を確認できる問題です。

問題の立体図形(容器・水・すき間)が高さ(奥行き)の等しい柱体であることから、正面から見た図を利用する点が大切なポイントです。

 

今回は、2024年度に男子中の入試で出された「柱体の求積」がテーマの問題をご紹介しました。

立体図形の問題では、体積や表面積の公式などの知識と、見取り図や投影図などの作図力が問われます。

立体図形の応用問題が苦手なようでしたら、まずは今回ご紹介したような「柱体の求積」の問題を利用して、知識や作図力をつけていきましょう。

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図形の練習問題 / 中学入試の算数問題 2025年04月05日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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