第715回 男子中の入試問題 平面図形 4
「第715回 男子中の入試問題 平面図形 4」
前回は、近年に男子中の入試で出された「平面図形」の問題から、「図形の折り返し」の問題を見ました。
今回取り扱うテーマは「辺の比と面積比」です。
1問目は、定番の基本問題です。
【問題】下の図の平行四辺形ABCDにおいて、辺BC上にBE:EC=2:3となる点Eをとり、辺CD上に点Fをとります。三角形ABE、三角形AFDの面積がそれぞれ10㎠、11㎠のとき、CF:FDを最も簡単な整数の比で答えなさい。
(明治大学付属中野中学校 2024年 問題2-(5))
【考え方】
対角線ACを引いて、三角形ABEと高さが等しい三角形AEC、三角形AFDと高さが等しい三角形ACFを作ります。
高さが等しい三角形の面積比は底辺の比と等しいので、
10㎠:□㎠=2:3 → □=10㎠×3÷2=15㎠
です。
10㎠+15㎠=25㎠ …三角形ABCの面積(=平行四辺形ABCDの面積の半分)
25㎠-11㎠=14㎠ … 三角形ACFの面積
△ACF:△AFD=14㎠:11㎠=14:11
よって、CF:FD=14:11 です。
答え 14:11
本問は、高さが等しい三角形の底辺の比と面積の関係を確認できる問題です。
対角線ACを引くと高さの等しい三角形が2組でき、同時に平行四辺形の面積を2等分する点がポイントです。
2問目も、定番の問題です。
【問題】四角形ABCDはAB=6㎝、AD=8㎝の長方形で、点E、F、Gは辺BCを4等分する点、点H、Iは辺CDを3等分する点とします。また、BDとAE、AIの交わる点をそれぞれJ、Kとします。
(1) BJ:KDを最も簡単な整数の比であらわしなさい。
(2) 三角形AJKの面積は何㎠ですか。
(芝中学校 2024年 問題3 問題文一部変更)
【考え方】
(1)
三角形ADJと三角形EBJは相似で、相似比は AD:EB=4:1 ですから、DJ:BJ も 4:1 です。
また、三角形ABKと三角形IDKも相似で、相似比は AB:ID=3:1 ですから、KB:KD も 3:1 です。
BDに着目して比をそろえます。
よって、BJ:KD=4:5 です。
答え 4:5
(2)
三角形AJKと三角形ABDは高さが等しく、(1)より底辺の比が
JK:BD={20-(4+5)}:20=11:20
です。
ですから、面積比も 11:20 です。
8㎝×6㎝÷2=24㎠ …三角形ABDの面積
△AJK:24㎠=11:20 → △AJK=24×11÷20=13.2㎠
答え 13.2㎠
本問の(1)は2組の相似の利用と比のそろえ方、(2)は高さが等しい三角形の面積比の考え方を確認できる問題です。
いずれも重要ですから、もし、正解できないときは類題などで復習をしましょう。
最後は、応用レベルの問題です。
【問題】図はADとBCが平行な台形ABCDで、点EはBCの真ん中の点です。FGとCHが平行で、DIとBHの長さが等しいとき、斜線部分の面積の和は何㎠ですか。
(早稲田中学校 2025年 問題2-(2))
【考え方】
FGとCHが平行ですから、三角形DFIと三角形DCJは相似で、相似比は
DF:DC=6㎝:(6㎝+9㎝)=2:5
です。
よって、FI:CJ も 2:5 です。
さらに、三角形DFIと三角形DCJと台形FCJIの面積比は
(2×2):(5×5):(5×5-2×2)=④:㉕:㉑
です。
また、四角形ABEDはADとBEが平行で AD=BE=8㎝ ですから、平行四辺形です。
よって、ABとDEも平行なので、三角形CEJと三角形CBHは相似比が
CE:CB=8㎝:16㎝=1:2
である相似な三角形です。
従って、CJ:CH も 1:2、三角形CEJと三角形CBHと台形EBHJの面積比は
(1×1):(2×2):(2×2-1×1)=1□:4□:3□
です。
さらに、FGとCH、ABとDEがそれぞれ平行なので、四角形IJHGは台形FCJIと高さが等しい平行四辺形ですから、四角形IJHGと台形FCJIの面積比は、底辺の比と同じ
(5+5):(2+5)=10:7
です。
㉑×10/7=㉚ … 平行四辺形IJHGの面積
また、DI=BH より台形EBHJと台形ADIGは合同なので、台形ADIGの面積は3□です。
平行四辺形ABEDの面積=㉚+6□=8㎝×15㎝=120㎠ …(ア)
(ア)÷6 → ⑤+1□=20㎠ …(イ)
三角形DECの面積=㉕+1□=8㎝×15㎝÷2=60㎠ …(ウ)
(ウ)-(イ)より、
⑳=40㎠ → ①=40㎠÷20=2㎠
です。
これを(イ)に代入すると、
2㎠×5+1□=20㎠ → 1□=10㎠
となります。
以上より、斜線部分の面積は
④+㉚+1□=2㎠×(4+30)+10㎠=78㎠
です。
答え 78㎠
本問は、下の図のような定番問題の台形部分を取り出した問題です。(答え 2/7倍)
本問を正解できないようでしたら、まずはこのような定番の問題が解けることを確認しましょう。
今回は、2024年度と2025年度に男子中の入試で出された「辺の比と面積比」の問題をご紹介しました。
1問目と2問目は「辺の比と面積比」の基本の考え方を使う問題ですから、既習であれば必ず正解させましょう。
3問目はやや難しい問題ですが、定番の問題の一部を切り取った問題ですから、正解できなかったときは例示の問題をヒントにして再考してみましょう。