第714回 男子中の入試問題 平面図形 3
「第714回 男子中の入試問題 平面図形 3」
ここまで、近年に男子中の入試で出された「平面図形」の問題から、「角の大きさ」と「求積」がテーマの問題を見てきました。
今回は「図形の折り返し」に関する問題を取り扱います。
1問目は、定番の問題です。
【問題】下の図のように、1辺が18㎝の正方形ABCDを、FB=12㎝となるように折ったところ、三角形EBFの面積は30㎠になりました。次の各問いに答えなさい。
(1) EFの長さは何㎝ですか。
(2) FIの長さは何㎝ですか。
(3) 三角形GHIの面積は何㎠ですか。
(高輪中学校 2024年 問題4)
【考え方】
(1)
台形EFGHは台形EADHを折ったものですから、この2つの台形は合同です。
よって、EF=EAです。
次に、三角形EBFに着目すると、
12㎝×□㎝÷2=30㎠ → □㎝=30㎠×2÷12㎝=5㎝
とわかります。
ですから、
EF=EA=AB-EB=18㎝-5㎝=13㎝
です。
答え 13㎝
(2)
「直角三角形は角に○、×をかくと、相似な三角形を見つけやすい」を利用します。
左下図のように直角三角形BEFの角に○、×をつけます。
三角形の内角の和は180度ですから、
○+×+90度=180度 → ○+×=90度
です。
また、
○+90度+角ア=180度 → ○+角ア=90度
ですから、角ア=×とわかります。(右下図)
三角形BEFと三角形CFIは対応する2つの角の大きさが等しいので、相似です。
EB:FC=5㎝:(18㎝-12㎝)=5:6 … 相似比
よって、EF:FI も 5:6 です。
13㎝:FI=5:6 → FI=13㎝×6÷5=15.6㎝
答え 15.6㎝
(3)
(2)の ○+×=90度 より、三角形CFI、三角形GHIの角に○、×をかくことができます(下図)から、三角形CFIと三角形GHIも相似とわかります。
GI=FG-FI=AD-FI=18㎝-15.6㎝=2.4㎝
ところで、三角形BEFの底辺と高さの比は 12:5 ですから、三角形GHIの底辺と高さの比も 5:12です。
HG:GI=5:12 → HG=2.4㎝×5÷12=1㎝
ですから、三角形GHIの面積は
2.4㎝×1㎝÷2=1.2㎠
です。
答え 1.2㎠
本問は、折り返しと直角三角形の相似について確認できる問題です。
なお、(3)では相似な三角形の面積比を利用して解くこともできます。
2問目は、「折り返しの作図」の問題です。
【問題】三角形ABCは、辺ABの長さが6㎝、辺BCの長さが8㎝、辺CAの長さが10㎝であり、角Bの大きさが90°の直角三角形です。辺CA上に点Dをとり、BDを折り目として下の図のように折ります。このとき、点Aが移動した点をEとします。必要であれば問題下の図を用いてもよいですが、問題用紙を切り取ってはいけません。
(1) 点Eが辺CA上にあるとき、BDの長さを求めなさい。
(2) 点Eが辺BC上にあるとき、三角形CDEの周りの長さを求めなさい。
(3) DEと辺BCが垂直に交わるとき、三角形BCDの面積を求めなさい。
(海城中学校 2025年 問題2 問題文一部変更)
【考え方】
(1)
折り曲げるので、三角形BDAと三角形BDEは合同ですから、
角BDA=角BDE=180度÷2=90度
です。
よって、三角形BDAと三角形CBAは角Aが共通な直角三角形なので、相似であることがわかります。
AB:BD=AC:CB → BD=6㎝×8㎝÷10㎝=4.8㎝
答え 4.8㎝
(2)
折り曲げるので、三角形BDAと三角形BDEは合同ですから、
BA=BE=6㎝
DA=DE(=□㎝)
です。
よって、三角形CDEの周りの長さは
CD+DE+EC=■㎝+□㎝+(8㎝-6㎝)=10㎝+2㎝=12㎝
です。
答え 12㎝
(3)
折り曲げるので、三角形BDAと三角形BDEは合同ですから、
BA=BE=6㎝
角A=角E(=○)
です。
よって、三角形EFBと三角形ABCは
角E=角A
角EFB=角ABC=90度
なので相似であることがわかります。
AB:BC:CA=6㎝:8㎝:10㎝=3:4:5
より
EF:FB:BE=3:4:5
ですから、
FB=6㎝×4/5=4.8㎝
です。
三角形DFCと三角形ABCは角Cが共通、角DFC=角ABC=90度なので相似ですから、
DF=FC×3/4=(8㎝-4.8㎝)×3/4=2.4㎝
です。
よって、三角形BCDの面積は
8㎝×2.4㎝÷2=9.6㎠
です。
答え 9.6㎠
本問は、折り返す図形の作図を確認できる問題です。
三角形ABCを折り返した図形を正確にかくことが、問題を正解するための鍵となっています。
作図ができないときは、テストでは紙を切ったり折ったりすることは禁じられていますが、家庭学習では実物を紙で作り、実際に折るとどのようになるのかを確かめてみましょう。
今回は、2024年度と2025年度に男子中の入試で出された「図形の折り返し」に関する問題をご紹介しました。
折り返しの問題には、1問目のような定番の問題と、2問目や「第712回 角の大きさ」でご紹介した最後の問題のように作図を必要とする応用問題があります。
折り返しの問題が苦手なときは、まずは定番問題で合同や相似の利用ができることを確かめ、次に実物を利用しながら作図の練習をしましょう。