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第700回 男子中の入試問題 数の性質 5

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数の性質の練習問題 2024年12月07日18時00分

「第700回 男子中の入試問題 数の性質 5」

前回は2024年度に男子中の入試で出された「数の性質」の中から、「規則性」の問題について考えました。

今回は「数の操作」の問題を取り上げます。

 

早速、1問目から見ていきましょう。

 

【問題】1番目の数をア、2番目の数をイとして、以降、前の2数の積を求め、その一の位の数を書くという作業を続けます。そのようにしてできる数の列を{ア、イ}とします。

{3、9}→3、9、7、3、1、3、3、9、7、…

{6、2}→6、2、2、4、8、2、6、2、2、…

このとき、次の問いに答えなさい。

(1) {7、1}の30番目の数を求めなさい。

(2) {2、9}の1番目から30番目までの数の和を求めなさい。

(3) {4、9}の1番目から30番目までに4は何個あるか求めなさい。

(学習院中等科 2024年 問題3)

 

【考え方】

(1)

例の{3、9}は作業をすると

のようになり、「3→9→7→3→1→3」の6個1セットを繰り返すことがわかります。

{7、1}も同じように作業をすると 7、1、7、7、9、3、7、1、… のように、「7→1→7→7→9→3」の6個1セットを繰り返すことがわかります。

30番目÷2個=15セット

ちょうど割り切れるので、30番目の数は15セット目の最後の数(6番目の数)の3です。

答え 3

 

(2)

{2、9}は 2、9、8、2、6、2、2、4、8、2、… のように、3番目の8から「8→2→6→2→2→4」の6個1セットを繰り返します。

(30番目-2個)÷6個=4セットあまり4個

はじめに2、9の2個が並び、その後は「8→2→6→2→2→4」を4回繰り返し、最後に8、2、6、2までの4個の数が30番目までに並びます。

2+9+(8+2+6+2+2+4)×4+8+2+6+2=125

答え 125

 

(3)

{4、9}は 4、9、6、4、4、6、4、4、6、4、… のように、3番目の6から「6→4→4」の3個1セットを繰り返します。

(30番目-2個)÷3個=9セットあまり1個

はじめに4、9の2個が並び、その後は「6→4→4」を9回繰り返し、最後に6の1個が30番目までに並びます。

1個+2個×9セット=19個

答え 19個

 

本問は、作業をすることで見つかる規則性を利用する問題で、「例」は作業方法の確認だけでなく、繰り返しがあることのヒントにもなっています。

(2)、(3)は3番目から規則的になるという点に注意が必要ですが、ヒントを活かして全問正解を目指しましょう。

 

続けて2問目です。

 

【問題】ある規則にしたがって5桁の整数の各位の数字の順序を入れかえて整数を作ることを「ソートする」とよぶことにします。たとえば、

・12345を1回ソートすると、12345→24531なので、24531になります

・54321を2回ソートすると、54321→42135→23514なので、23514になります

次の問いに答えなさい。

(1) 12345を24回ソートすると、どのような整数になりますか。

(2) ある整数を32回ソートすると、13245となりました。ある整数はいくつですか。

(立教池袋中学校 2024年 問題8)

 

【考え方】

(1)

入れかえの「規則」を見つけるために、「たとえば」以下を整理します。

整理すると、各位の数字は

一万の位 → 一の位

千の位 → 一万の位

百の位 → 十の位

十の位 → 千の位

一の位 → 百の位

に入れかわることがわかります。

この規則に従って12345をソートします。

上のように、5回ソートすると初めの整数に戻ります。

24回÷5回=4セットあまり4回

より、24回ソートしたときにできる整数は、4回ソートしたときにできる整数51423と同じです。

答え 51423

 

(2)

(1)より、5回ソートすると初めの整数に戻りますから、32回ソートしてできる整数は

32回÷5回=6セットあまり2回

より、2回ソートしたときにできる整数と同じです。

13245を「巻き戻し」ます。

答え 25314

 

本問も「繰り返し」の考え方が確認できる問題です。

正解できなかったときは、規則がわかるまで正確に書き出せることを確認しましょう。

 

次が今回の最後の問題です。

 

【問題】2以上の整数の中から数を1つ選びます。選んだ数に対して、次の[操作①]、[操作②]を、答えが1になるまでくり返します。

[操作①] 数が偶数のときは、その数を2で割る。

[操作②] 数が奇数のときは、その数に3をかけて1をたす。

例えば、選んだ数が4のときは、2回の操作で1になります。

選んだ数が5のときは、5回の操作で1になります。

(1) 選んだ数が6のときは、何回の操作で1になりますか。

(2) 選んだ数が17のときは、何回の操作で1になりますか。

選んだ数が7回の操作で1になるものをすべて求めると、3、20、21、128になります。

(中略)

(3) 選んだ数が9回の操作で1になるものをすべて求めなさい。また、その理由を図や言葉を使って説明しなさい。

(佼成学園中学校 2024年 問題5 問題文一部省略)

 

【考え方】

(1)

6 … 偶数なので2で割ります。 → 3

3 … 奇数なので3をかけて1をたします。 → 10

10 … 偶数なので2で割ります。 → 5

5 … 奇数なので3をかけて1をたします。 → 16

16 … 偶数なので2で割ります。 → 8

8 … 偶数なので2で割ります。 → 4

4 … 偶数なので2で割ります。 → 2

2 … 偶数なので2で割ります。 → 1

答え 8回

 

(2)

17→52→26→13→40→20→10→5→16→8→4→2→1

答え 12回

 

(3)

はじめに[操作①]だけを続けた場合を書き出します。

[操作②]で作ることができる整数は3で割ると1余る数ですから、256、64、16のそれぞれから1を引いて3で割った数を書き加えます。

最後に、これらの数について逆算していきます。

答え 12、13、80、84、85、512

 

本問は、決まりに従って順に計算したり、逆算したりする問題です。

(3)は解説図のように「1」を左に書いて逆算していくと書きやすいでしょう。

また、「2で割る」の逆算の結果だけを先に書いておくと抜け漏れを防ぎやすいです。

 

今回は、2024年度に男子中で出された「数の操作」の問題をご紹介しました。

1問目と2問目は「繰り返し」の問題で前回の「規則性」の仲間、3問目は正確に書き出して答えを求める、いずれも大切な問題です。

「繰り返し」の問題が苦手なときは、カレンダーのように1セットごとに下段に書くことを試してみてください。

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数の性質の練習問題 / 中学入試の算数問題 2024年12月07日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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