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第679回 共学中の入試問題 平面図形 1

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図形の練習問題 2024年07月13日18時00分

「第679回 共学中の入試問題 平面図形 1」

前回まで近年の共学中の入試で出された「速さ」について見てきました。

今回からは「平面図形」の問題を取り扱っていきます。

その1回目のテーマは「角の大きさ」です。

 

1問目は、基本レベルの問題です。

 

【問題】下の図のように三角形ABCの辺AC上に点Dがあり、ABとADの長さは等しく、イの角度はアの角度の2倍で、ウの角度はアの角度の6倍です。このとき、エの角度は何度ですか。

(栄東中学校 2024年 問題1-(6) 問題文一部変更)

 

【考え方】

角アの大きさを①度として、条件を図に書き込みます。

角の問題は、

角の五原則

1.三角形の内角

2.三角形の外角

3.二等辺三角形

4.合同

5.復元

を利用することができます。

上の図では、「三角形の外角のきまり → 二等辺三角形を利用 → 三角形の内角の和」の順に考えることができます。

⑥-②=④ … 角ABD

②+④+④=180度 → ①=18度

角エは三角形BCDの内角なので

180度-(18度+18度×6)=54度

です。

答え 54度

 

本問は、角の5原則の使い方が確認できる問題です。

角の大きさの問題に慣れないうちは「わかるところから順に書き込む」ようにして解き、学習が進んだら「角の5原則の何が使えるか」というように方針を立てて解いてみましょう。

 

2問目も、基本レベルの問題です。

 

【問題】下の図のように、正五角形ABCDEの中に正三角形FCDをつくりました。角xの大きさは何度ですか。

(芝国際中学校 2024年 問題2-(8) 問題文一部変更)

 

【考え方】

角の大きさが与えられていませんので、角の5原則の「3.二等辺三角形」から考えていきます。

条件より、次の図の青色の辺の長さはどれも等しいので、三角形CBFは二等辺三角形です。

また、正三角形の1つの内角の大きさは60度(=)、正五角形の1つの内角の大きさは108度(=)なので、

=108度-60度=48度

です。

三角形CBFが二等辺三角形なので、

=(180度-48度)÷2=66度

です。

x=108度-66度=42度

答え 42度

 

本問は、正多角形の内角の大きさと角の5原則の使い方が確認できる問題です。

既習であれば、

正□角形の1つの内角の大きさ=180度×(□-2)÷□

正□角形の1つの外角の大きさ=360度÷□

の両方が使えることをチェックしましょう。

 

3問目は、前問までよりレベルの上がった問題です。

 

【問題】下の図のあ○の角度を求めなさい。

(早稲田実業中等部 2024年 問題1-(3))

 

【考え方】

角の大きさが与えられていますので、角の5原則の「1.三角形の内角」「2.三角形の外角」が利用できます。

角ABC=180度-(40度+70度)=70度

角ABD=180度-(40度+22度+59度)=59度

以上より、三角形ABCと三角形ABDはどちらも二等辺三角形とわかりますから、

AB=AC=AD

です。

よって、三角形ACDもAC=ADである二等辺三角形です。

角ADC=(180度-22度)÷2=79度

あ○=79度-59度=20度

答え 20度

 

本問は、角の5原則の使いこなしが求められる問題です。

この「内角の大きさを求めると、二等辺三角形が見つかる」という問題は大切ですので、正解できないときは必ずまちがい直しをしましょう。

 

最後は折り返しと角の問題です。

 

【問題】下の図1の三角形ABCを図2のように折りました。次に、図2の三角形BDCをBCで折り返すと図3のようになりました。最後に、図3の三角形BCDをBDで折り返すと図4のようになりました。色のついた部分の角度が8度のときア○の角の大きさは何度ですか。

(青山学院中等部 2024年 問題11 問題文一部変更)

 

【考え方】

折り返しの問題は、折り返す前の図形も残した図をかくことがポイントです。

ですから、三角形ABCをBDで折り返すときの図は次のようにかきます。

折り返しはBDを対称の軸とする線対称移動なので、三角形BDCと三角形BDC’は合同です。

よって、角BC’D=52度です。

次に、BC’で折り返します。

さらに、BD’で折り返します。

図の青線の三角形に着目すると、三角形の外角のきまりより

角A=52度-8度=44度

とわかります。

さらに、三角形ABCに着目すると、三角形の内角の和が180度であることより

=(180度-52度-44度-8度)÷4=19度

もわかります。

最後に赤色に着色された三角形に着目します。

ア○=180度-52度-19度=109度

答え 109度

 

本問は、折り返しと角の問題の考え方が確認できる問題です。

折り返す前と折り返した後を1つの図に表し、「折り返す=線対称=合同」という知識を用いると、角の大きさを求めることができます。

 

今回は、2024年度に共学中の入試で出された「角の大きさ」がテーマの問題をご紹介しました。

角の5原則と折り返しの作図はどちらも大切な解法ツールなので、もし、正解できない問題があれば、類題などを用いておさらいをしましょう。

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図形の練習問題 / 中学入試の算数問題 2024年07月13日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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