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第658回 女子中の入試問題 文章題 1

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文章題の練習問題 2024年02月17日18時00分

「第658回 女子中の入試問題 文章題 1」

今回から、近年に女子中の入試で出された「文章題」の問題を取り扱っていきます。

1回目の今回は「消去算」「方陣算」の問題を見ていきます。

 

では、1問目です。

 

【問題】アメ7個とチョコレート2個を買うと410円で、アメ20個とチョコレート3個を買うと915円でした。ただし、アメを10個以上買うとアメの1個あたりの代金はすべて1割引きになります。チョコレートは1個あたり何円ですか。

(洗足学園中学校 2023年 問題2-(3))

 

【考え方】

2種類の品物について、2通りの買い物をしたときの代金が与えられていますから、消去算の問題だとわかります。

 

はじめに、アメ1個の代金を10□円とすると、10個以上買ったときの1個あたりの代金は

10□×(1-0.1)=9□(円)

と表せます。

 

さらに、チョコレート1個の代金を①円として、条件を式に整理します。

10□円×7個+①円×2個=410円

9□円×20個+①円×3個=915円

70□+②=410 … ア

180□+③=915 … イ

 

②と③の最小公倍数の⑥にそろえます。

210□+⑥=1230 … ア×3

360□+⑥=1830 … イ×2

 

ア×3 の式と イ×2 の式のちがいに着目します。

360□-210□=1830-1230 → 1□=4

 

よって、アメ1個の代金は

4円×10=40円

です。

 

(410円-40円×7個)÷2個=65円

答え 65円

 

本問は、消去算の基本が確認できる問題です。

問題文から消去算だと読み取れることと、その整理がポイントです。

消去算の整理方法には、解答例のような式の他に表や線分図もあります。

どれかひとつは必ずマスターしておきましょう。

 

では、2問目です。

 

【問題】同じ大きさの正方形の形をした、赤色と青色のタイルが手元にたくさんあります。これらのタイルを敷き詰めて大きな正方形を作ろうとしました。

(1)タイルの色を気にせずに、すべてのタイルを敷き詰めて正方形を作ろうとしたところ,タイルが1枚足りませんでした。そこで、今度は手元にある枚数のタイルで、できるだけ大きな正方形を作ったところ、タイルは36枚余りました。はじめに手元にあったタイルは全部で何枚ですか。

(2)タイルをすべて手元に戻して、今度は図のように、同じ色のタイルが上下左右に並ばないように敷き詰めていくことにしました。青色のタイルをすべて使い切ると、ちょうどある大きさの正方形ができ、赤色のタイルだけが手元に104枚残りました。そこで、青色のタイルだけを追加して、さらにこの正方形と同じようにタイルを敷き詰めて、できるだけ大きな正方形を作りました。このとき、赤色のタイルは何枚か残りますが、青色のタイルをこれ以上追加しても、これより大きい正方形は作れません。追加して並べた青色のタイルは何枚ですか。考えられる枚数をすべて答えなさい。ただし、解答欄はすべて使うとは限りません。

(浦和明の星女子中学校 2024年 問題5)

 

【考え方】

(1)

タイルを正方形の形に並べるので、方陣算だとわかります。

方陣算を解くときは、絵をかいて考えることが基本です。

正方形に並べることができたタイルの外側部分に着目します。

□枚+□枚+1枚=36枚+1枚 → □=18

 

18枚×18枚+36枚=360枚

答え 360枚

 

(2)わかることを順に整理していきます。

(1)より、青色のタイルを追加する前に作った正方形に使われているタイルの枚数は

360枚-104枚=256枚

です。

 

256=16×16

なので、1辺に16枚のタイルが並ぶ正方形を作ったことがわかります。

 

下の例のように、1辺に並ぶタイルの枚数が偶数となる場合、正方形に使われている赤色と青色のタイルの枚数は同じです。

256枚÷2=128枚 … はじめに手元にあった青色のタイル

128枚+104枚=232枚 … はじめに手元にあった赤色のタイル

 

次に、1辺に並ぶタイルが17枚以上のときに必要な赤色のタイルの枚数を調べます。

1辺が17枚のとき17枚×17枚=289枚=144枚+145枚 → 作ることができます。

1辺が18枚のとき18枚×18枚=324枚=162枚+162枚 → 作ることができます。

1辺が19枚のとき19枚×19枚=361枚=180枚+181枚 → 作ることができます。

1辺が20枚のとき20枚×20枚=400枚=200枚+200枚 → 作ることができます。

1辺が21枚のとき21枚×21枚=441枚=220枚+221枚 → 作ることができます。

1辺が22枚のとき22枚×22枚=484枚=242枚+242枚 → 作ることができません。

 

以上より、青色のタイルを追加して作ることができる最大の正方形は1辺に並ぶタイルが21枚のときで、使われるタイルの枚数は赤色が220枚と青色が221枚、または、赤色が221枚と青色が220枚の2通りが考えられます。

 

ですから、追加した青色のタイルの枚数は

221枚-128枚=93枚

または

220枚-128枚=92枚

とわかります。

答え 92枚、93枚

 

本問の(1)は方陣算の基本が確認できる問題です。

(2)は応用レベルの問題です。

解答例では順に調べていきましたが、「もし、青色のタイルも赤色のタイルと同じ枚数あれば…」と仮定して、最も大きな正方形の1辺を見つけることもできます。

 

今回は、2023年度と2024年度の女子中の入試で出された「消去算」と「方陣算」の問題をご紹介しました。

もし、正解できなかったときは、はじめに基本の解き方がマスターできているかを確認し、さらに応用のどの部分ができなかったかを調べて、基本レベルよりも難しい文章題を解く力を伸ばしていきましょう。

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文章題の練習問題 / 中学入試の算数問題 2024年02月17日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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