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第609回 共学中の入試問題 比と割合 4

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割合の練習問題 2023年03月11日18時00分

「第609回 共学中の入試問題 比と割合 4」

2022年度の共学中入試で出された「比と割合」について見ています。

今回も「食塩水の濃さ」の大問形式の問題を引き続き取り上げていきますが、前回よりは少し難しくなっています。

 

【問題】濃度5%の食塩水Aと濃度8%の食塩水Bと濃度のわからない食塩水Cがあります。A、B、Cを2:1:1の割合で混ぜると、濃度7%の食塩水ができます。このとき、次の問いに答えなさい。

(1)Cの濃度を求めなさい。

(2)Aを100g、Bを(ア)g混ぜる予定でしたが、間違えてAを100g、Cを(ア)g混ぜてしまい、濃度が予定よりも1.5%高くなりました。(ア)にあてはまる数を求めなさい。

(3)Aを100g、Bを(イ)g混ぜる予定でしたが、間違えてAを(イ)g、Bを100g混ぜてしまい、濃度が予定よりも1%高くなりました。(イ)にあてはまる数を求めなさい。

(市川中学校 2022年 問題3)

 

【考え方】

(1)

3つの食塩水の混合を1つの天びん図に表しても構いませんが、ここでは濃度と混ぜる重さの比がわかっている食塩水AとBを先に混合し、できる食塩水をDとします。

重さの比 A:B=2:1

うでの長さの比 ①:②

①+②=8%-5%

①=1%

5%+1%=6%

食塩水Dの濃度は6%、重さは3と求められました。

これと食塩水Cを混ぜ、できる食塩水をEとします。

重さの比 D:C=3:1

うでの長さの比 ①:③

①=7%-6%=1%

7%+1%×3=10% … 食塩水Eの濃度

答え 10%

 

(別解)

混ぜる食塩水の重さを、A200g、B100g、C100gと仮定し、「塩分数」を利用します。

10g+8g+☆g=28g

☆g=10g

10g÷100g=0.1 → 10%

 

(2)

条件を面積図に表します。

面積図の赤色の長方形に着目します。

食塩水Bよりも食塩水Cに含まれる食塩の重さがの長方形だけ多いため、混合後の食塩水に含まれる食塩の重さも赤色斜線の長方形だけ多くなることがわかります。

縦の長さの比 :赤色斜線=2%:1.5%=4:3

横の長さの比 :赤色斜線=③g:④g

差 ①g=100g

(ア)g=③g=300g

答え 300(g)

 

(別解)

ア=100○gとして、条件を表に整理します。

予定と実際では、食塩水の重さは同じですが濃度が1.5%高いため、食塩の重さが②g多くなったことがわかります。

100g×0.015+100○g×0.015=②g

1.5g+1.5○g=②g

①g=3g

3g×100=300g

 

(3)

条件を天びん図に表します。

1□%+①%=3%

1□%-①%=1%

和差算です。

(3%-1%)÷2=1% … ①%

1□%=2%

うでの長さ ①%:1□%=1%:2%=1:2

重さの比 100g:(イ)g=2:1

(イ)g=50g

答え 50(g)

 

(別解)

イ=100○gとします。

(100g+100○g)×0.01=(100g-100○g)×(0.08-0.05)

④g=2g

100○g=50g

 

本問は、面積図、天びん法、①解法のいずれの方法で条件整理をしても、その後の処理がポイントになっています。

条件整理をしても着目する点に気付けないときは、別の整理方法を試してみるのもよいでしょう。

 

では、もう1問です。

 

【問題】果汁から、重さの8割にあたる水分を取り除いたものを「5倍濃縮ジュース」といいます。これは、水で5倍にうすめれば果汁100%のジュースになります。同様に、果汁から重さの5割のにあたる水分を取り除いたものを「2倍濃縮ジュース」といいます。いま、5倍の濃縮ジュース60gと2倍の濃縮ジュース40gを混ぜた濃縮ジュースを作りました。このとき、次の問いに答えなさい。

(1)このジュースは何倍濃縮ですか。

(2)このジュースを、果汁100%のジュースにするには水を何g加えればよいですか。

(法政大学中学校 2022年 問題6)

 

【考え方】

(1)

食塩水の水を蒸発させる問題の類題です。

上の図より、「5倍濃縮ジュース」の濃さは「果汁500%」とわかります。

同じように、「2倍濃縮ジュース」の濃さを「果汁200%」として、問題の条件を天びん図に整理します。

③+②=500%-200%

①=60%

200%+60%×3=380%

できた濃縮ジュースは「果汁380%」ですから、「3.8倍濃縮ジュース」ということになります。

答え 3.8倍

 

(別解)

「5倍濃縮ジュース」60gは水を

60g×(5-1)=240g

加えると300gの果汁100%のジュースになります。

同様に、「2倍濃縮ジュース」40gは水を

40g×(2-1)=40g

加えると80gの果汁100%のジュースになります。

ですから、「5倍濃縮ジュース」60gと「2倍濃縮ジュース」40gを混ぜた濃縮ジュースは水を

240g+40g=280g

加えると380gの果汁100%のジュースになります。

逆に、加えた水を取り除いて重さを100gにすると、(1)の濃縮ジュースが作れます。

380g÷100g=3.8

(倍)答え 3.8倍

 

(2)

水で3.8倍にうすめればよいので、加える水の重さは濃縮ジュースの重さの

3.8倍-1倍=2.8倍

です。

(60g+40g)×2.8=280g

答え 280g

 

本問は、練習する機会があまりない「濃縮ジュース」がテーマの問題でした。

濃縮すると100%よりも大きい値になる点になじみがないため、少し不安になるかもしれません。

解いたことがないときは、本問で練習をしておきましょう。

 

今回は、2022年度に共学中の入試で出された「食塩水の濃さ」の少し難しい大問形式の問題をご紹介しました。

前回までの基本問題や定番問題が正解できるようになっていれば、今回の問題で力試しをしてもよいと思います。

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割合の練習問題 / 中学入試の算数問題 2023年03月11日18時00分
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