第598回 共学中の入試問題 数と計算 1
「第598回 共学中の入試問題 数と計算 1」
これまで2022年度に出された女子中の入試問題を見てきました。
今回からは共学中の入試問題を取り扱います。
その1回目は「数と計算」の中から、「分数と小数」の問題について考えていきます。
では、1問目です。
【問題】分数9/41を小数で表すとき、小数第1位から第2022位までにあらわれる各位の数字をすべて足すといくつになりますか。
(淑徳中学校 2022年 問題2-(1))
【考え方】
循環小数の問題です。
循環小数の問題は、商が同じ数字の並びになるまで分子÷分母を計算します。
9÷41=0.21951219512…
計算をすると、商は小数第1位から「21951」の5個1組をくり返すことが分かります。
2022個÷5個=404組あまり2個
小数第1位から小数第2022位までの2022個の数字は、「21951」を404回くり返し、さらに2個の数字「21」が続いています。
(2+1+9+5+1)×404+2+1=7275
答え 7275
本問は、同じ数字の並びをくり返す循環小数の基本問題です。
商を正確に求めること、くり返した後のあまりの処理の2つがポイントです。
では、2問目です。
【問題】2/99+41/333の答えを小数で表すと、小数第100位の数は何ですか。
(青陵中学校 2022年 問題2-(4) 問題文一部変更)
【考え方】
2/99+41/333
=74/3663+451/3663
=525/3663
=0.14332514…
「143325」の6個1組をくり返しますから、100個÷6個=16組あまり4個より、4番目の3が小数第百位の数です。
答え 3
(別解)
分母の数字が9だけの分数は、
A/9=0.AA…
AB/99=0.ABAB…
ABC/999=0.ABCABC…
となることを利用します。
2/99を02/99とすると、0.020202…のように「02」の2個1組をくり返します。
41/333も123/999とすると、0.123123…のように「123」の3個1組をくり返します。
2個と3個の最小公倍数が6個なので、それぞれを6個1組とします。
020202+123123=143325
このようにして「143325」の6個1組を求めることもできます。
本問も循環小数に関する問題ですが、「分母の数字が9だけの分数」の特徴が利用できると計算を簡単にすることができます。
では、3問目を見ていきます。
【問題】
(1)2/5=1/○+1/△となる整数○と△の組を2つ答えなさい。ただし、△は○以上とします。
(2)2/9=1/○+1/△となる整数○と△の組を3つ答えなさい。ただし、△は○以上とします。
(芝浦工業大学柏中学校 2022年 問題4)
【考え方】
(1)
単位分数(分子が1の分数)の和に関する問題です。
線分図で考えてみましょう。
線分図(上)より○≧3、線分図(下)より、○≦5とわかります。
○=3のとき、2/5-1/3=1/15 → △=15
○=4のとき、2/5-1/4=3/20 → 不適当
○=5のとき、2/5-1/5=1/5 → △=5
答え (○、△)=(3、15)、(5、5)
(2)
(1)と同じように考えます。
線分図より、5≦○≦9とわかります。
○=5のとき、2/9-1/5=1/45 → △=45
○=6のとき、2/9-1/6=1/18 → △=18
ここまでで2組が見つかりましたので、3組目は○=9、△=9のときと決まります。
答え (○、△)=(5、45)、(6、18)、(9、9)
本問は、単位分数の和の基本的な解き方が確認できる問題です。
「△が○以上」なので、1/○が和の半分以上になることがポイントです。
苦手な場合は、線分図を利用するとイメージしやすくなると思います。
今回から、2022年度の共学中の入試で出された問題を取り扱っています。
その1回目として「数と計算」の単元から、「分数と小数」に関する問題をご紹介しました。
次回は同じ単元の中から、「割り算の余り」について見ていく予定です。