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第597回 女子中の入試問題 推理と論理

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場合の数の練習問題 2022年12月17日18時00分

「第597回 女子中の入試問題 推理と論理」

2022年度の女子中の入試問題を見てきていますが、今回は「推理と論理」の問題について考えていきます。

 

1問目は魔方陣の問題です。

 

【問題】たて、横、ななめに並んでいる3つの数の合計がすべて等しくなる表があります。このとき、下の表のB、Cにあてはまる数を求めなさい。

(立教女学院中学校 2022年 問題1-(4) 問題文一部変更)

 

【考え方】

魔方陣の基本の解き方は、重複している数を持つ3つの数の組に着目することです。

上の2組の3つの数は和が等しいので、

A+4+15=A+B+7

です。

4+15-7=12 … B

同じように考えると

より、

4+12=C+7

なので、

C=4+12-7=9

です。

答え B 12、 C 9

 

本問は魔方陣と呼ばれるもので、解いた経験がないと苦労することもあります。

機会を作って一度はふれておきましょう。

 

では、2問目です。

 

【問題】A、B、C、Dの4人のうち1人だけ赤い帽子をかぶり、残りの3人は白い帽子をかぶっています。この4人が縦に1列に並んで次のような発言をしました。

 A「私のすぐ後ろの人は赤色の帽子だ。」

 B「Dは私より前にいる。」

 C「私の帽子は白色だ。私より前の人は全員白色の帽子だ。」

 D「私のすぐ後ろの人は白色の帽子だ。」

この発言がすべて正しいとき、4人の並んでいる順を前から順に答えなさい。

(洗足学園中学校 2022年 問題3-(1))

 

【考え方】

問題の条件を表に整理します。

 

はじめに、Aさんの発言でアとなる場合を考えます。

このとき、帽子が白色のCさんは3番目または4番目です。

よって、Cさんの発言のオの場合となりますが、これは赤色の帽子の位置がうまくいきませんから不適当です。

 

次に、Aさんの発言でイとなる場合を考えます。

このとき、帽子が白色のCさんは1番目または4番目ですが、どちらの場合もCさんの発言の中に適するものがありません。

 

以上から、Aさんの発言はウの場合に正しいことになります。

これに適するのは、Cさんの発言がエ、Dさんの発言がカとなる場合だけです。

従って、4人の並びは前から順に、D、C、A、Bとわかります。

答え D、C、A、B

 

(別解)

1人しかいない赤色の帽子の人に着目します。

赤色の帽子について発言しているのはAさんです。

この発言から、4人の並びは次の3通りだけとわかります。

これらとCさんの発言を見比べます。

 

アの場合

Cさんは3番目または4番目になりますが、Cさんの前に赤色の帽子の人がいるので不適当です。

 

イの場合

Cさんは1番目または4番目になりますが、Cさんの前には誰かがいるので1番目にはなれませんし、4番目ですとCさんの前に赤色の帽子の人がいますので、この場合も不適当です。

 

よって、ウの場合が正しいことが分かります。

Cさんの発言からCさんは1番目と4番目にはなれませんので、Cさんは2番目と決まります。

さらにDさんの発言からDさんは1番目、残った4番目がBさん(赤色の帽子)となります。

 

本問は、4人の発言から考えられる並びを表に整理し、順番に適不適を調べていく問題です。

別解のように1人しかいない赤色の帽子の人に着目できればより簡単に正解できますが、ヒントに気づけずに途中で混乱することもりますので、表が活用できるようにもしておきましょう。

 

それでは、最後の問題です。

 

【問題】①~④の4つのおもりがあります。これらのおもりの中から2つずつ天びんにのせて、同じ荷物の重さをはかったところ、次の図のように4回目でつり合いました。

このとき、①~④のおもりを重さの小さい順に左から並べなさい。

(恵泉女学園中学校 2022年 問題2-(5))

 

【考え方】

同じおもりがのっている図に着目します。

 

1回目と3回目(おもり②が共通) → ①<④

1回目と4回目(おもり①が共通) → ②<④

ここまでで、①、②<④とわかります。

 

さらに見ていきましょう。

2回目と3回目(おもり④が共通) → ③<②

2回目と4回目(おもり④が共通) → ③<①

ここまでで、③<①、②<④とわかります。

 

続けて見ていきます。

3回目と4回目(おもり④が共通) → ①<②

答え ③、①、②、④

 

本問は、大小を比べるときに「共通する条件 → 結果のちがい」の順に見ていくという基本の考え方が確認できる問題です。

 

今回は、2022年度の女子中の入試で出された「推理と論理」の問題をご紹介しました。

制限時間の中で解くときは「あてはめ」でも構わないと思います。

一方、制約の少ない家庭学習などの場合は、ヒントとなる条件がどれかを探す、表に整理する、「共通する条件 → 結果のちがい」といったような取り組み方ができるといいですね。

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場合の数の練習問題 / 中学入試の算数問題 2022年12月17日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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