第590回 女子中の入試問題 文章題 3
「第590回 女子中の入試問題 文章題 3」
2022年度の女子中入試で出された「文章題」の問題を見ています。
今回のテーマは倍数算とやりとり算です。
今回も、入試問題の前半で出されている一行問題ですから、ぜひとも正解したいところです。
それでは、早速、問題を見ていきましょう。
【問題】香さんは1500円、蘭子さんは500円を持っています。香さんは蘭子さんに( )円を渡したので、蘭子さんは香さんの4倍のお金を持つことになりました。
(香蘭女学校中等科 2022年 問題1-⑤)
【考え方】
やりとりの倍数算です。
問題の条件を線分図に表してみます。
やりとりをする前の2人の和とやりとりをした後の2人の和は変わりませんから、線分図をかくときは「2人の和を1本の線分」で表すようにします。
上の線分図より、
①円+④円=1500円+500円
⑤円=2000円
①円=400円 … やりとり後の香さんの所持金
1500円-400円=1100円
とわかります。
答え 1100円
本問は、やりとりの倍数算の基本が確認できる問題です。
ここでは線分図を利用しましたが、次のような条件整理をして解いてもよいでしょう。
では、2問目です。
【問題】姉と妹がそれぞれ持っている鉛筆の本数の比は7:3ですが、姉が妹に14本あげると、2人の持っている鉛筆の本数の比は7:5になります。姉と妹が持っている鉛筆を合わせると全部で何本ですか。
(横浜雙葉中学校 2022年 問題1-(3))
【考え方】
これも、やりとりの倍数算です。
そこで、前問の別解の条件整理の方法を使ってみます。
やりとり前の和とやりとり後の和は同じですから、「和」に書かれた比を最小公倍数でそろえます。
42□-35□=14本
7□=14本
1□=2本
60□=2本×60=120本
答え 120本
本問もやりとりの倍数算の基本が確認できる問題です。
前問と異なり、やりとりの前後が比で表されていますので、比をそろえる(「比合わせ」)ことがポイントです。
それでは、3問目です。
【問題】姉は3000円、妹は2500円を持ってお菓子を買いに行きました。2人はそれぞれ同じ値段のお菓子を1個ずつ買い、その後、姉が妹に150円をあげたところ、姉と妹の所持金の比は12:11になりました。2人が買ったお菓子の値段を求めなさい。
(浦和明の星女子中学校 2022年 問題1-(5))
【考え方】
問題の条件がこれまでより増えました。
どのような変化があったのかを、前問と同じ方法で整理してみます。
倍数算では、「やりとりをしても和は変化しない」、「同じ量だけ増えても(減っても)差は変化しない」というポイントがありますので、問題前半は差、後半は和に着目してみましたが、上手くいきません。
そこで問題の後半に「差分け算」の考え方を用いてみます。
上の数直線から、姉が150円減り、妹が150円増えたので、2人の差は300円縮まり、最後の差が200円になることがわかります。
⑫-⑪=200円
①=200円
⑪=200円×11=2200円 … 妹の最後の所持金
2200円-150円=2050円 … 妹の途中の所持金
2500円-2050円=450円
答え 450円
本問は、倍数算の「和一定(やりとり)」と「差一定(同量増加または同量減少)」の両方が含まれている問題のように見えますが、条件整理をしてみると「差分け算」を使うことに気づけます。
倍数算の基本問題ができるようになっていれば、このような複数の文章題からできている問題にもチャレンジして、条件を整理する方法を使いこなす練習をしてみましょう。
では、最後の問題です。
【問題】A、B、Cの3人が、それぞれお金を持っていました。AがBに500円をわたし、BがCに300円をわたし。CがAに450円をわたしたので、3人の持っている金額が同じになりました。はじめにAが900円持っていたとすると、Cははじめにいくら持っていましたか。
(洗足学園中学校 2022年 問題2-(2))
【考え方】
やりとりが3回行われますから、その様子を「流れ図(フローチャート)」に整理します。
図を見ると、Aさんの所持金の変化がわかります。
すると、Cさんの所持金も、最後から順にわかっていきます。
答え 1000円
本問は、やりとり算の基本である流れ図を利用すると、迷うことなく正解にたどり着ける問題です。
今回は、2022年度に女子中の入試で出された問題の中から、倍数算とやりとり算に注目してみました。
どちらの文章題も、問題の条件に応じた整理方法を利用すると正解できると思います。
もし、不正解の問題があるときは、条件を整理したか、問題に適した整理方法であったかなどをチェックして、自分に不足している部分を補っておきましょう。