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第589回 女子中の入試問題 文章題 2

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文章題の練習問題 2022年09月17日18時00分

「第589回 女子中の入試問題 文章題 2」

前回から、2022年度に実施された女子中の入試問題の「文章題」を見ています。

今回のテーマは過不足算(差集め算)と消去算です。

前回と同じく、主に入試問題の前半の一行問題で出される正解が必要な問題ですので、習い終えていればチャレンジしてみてください。

 

それでは、1問目です。

 

【問題】子どもたちにリンゴを配ります。6個ずつ配ると11個余り、8個ずつ配ると1個ももらえなかった人が5人と、5個しかもらえなかった人が1人いました。このとき、リンゴの個数は何個ですか。

(横浜雙葉中学校 2022年 問題1-(2))

 

【考え方】

過不足算の問題は、次の線分図のように「全員に平等に配ると、○個余る(または不足する)」と考えていきます。 

もし、全員に8個ずつ配ろうとすると図の□個にあたる

(8個-5個)×1人+8個×5人=43個

が不足します。

1人に

8個-6個=2個

ずつ多く配ろうとすると余っていた11個を使ってもさらに43個足りませんから、子どもの人数は

(11個+43個)÷2個=27人

と求められます。

よって、用意したリンゴの個数は

6個×27人+11個=173個

です。

答え 173個

 

本問は過不足算の基本が確認できる問題でした。

今回の条件整理の図以外に、次のような表し方をしてもOKです。

 

では、2問目です。

 

【問題】教室に、21人の男子と何人かの女子がいます。先生が、持っている折り紙を女子だけに36枚ずつ配ると、23枚余ります。また、全員に12枚ずつ配ると、11枚余ります。女子は何人ですか。

(吉祥女子中学校 2022年 問題1-(5))

 

【考え方】

問題の条件を整理します。

女子の人数を求めたいので、「もし、男子に折り紙を配らなければ…」としてみます。

11枚+12枚×21人=263枚 … 余る折り紙の枚数

(263枚-23枚)÷(36枚-12枚)=10人

答え 10人

 

本問は「女子だけに配る」として解きましたが、1問目のように「全員に平等に配る」としてもOKです。

 

ここからは消去算の問題です。

 

【問題】かきを2個、りんごを3個、梨を5個買うと代金は1470円です。りんごの個数はそのままで、かきと梨の個数を入れかえて買うと、代金は270円安くなります。梨1個の値段はかき1個の値段の2倍です。りんご1個の値段はいくらですか。

(東洋英和女学院中学部 2022年 問題4)

 

【考え方】

「梨1個の値段はかき1個の値段の2倍」ですから、梨5個の値段はかき10個の値段と同じ、梨2個の値段はかき4個の値段と同じです

かき2個+りんご3個+かき10個=1470円

かき5個+りんご3個+かき4個=1470円-270円=1200円

ちがいに着目します。

(2個+10個)-(5個+4個)=3個 … 差の270円にあたる

270円÷3個=90円 … かき1個の値段

{1470円-90円×(2個+10個)}÷3個=130円

答え 130円

 

本問は、梨をかきに買い換えてかきとりんごの2種類を買うことにすると、基本レベルの消去算として解くことができましたが、次のように①解法を利用することもできます。

 

(別解) … ①解法の利用

かき1個の値段を①円とすると、梨1個の値段は②円となります。

問題の条件を式に表すと、

①円×2個+りんご3個+②円×5個=⑫円+りんご3個=1470円

①円×5個+りんご3個+②円×2個=⑨円+りんご3個=1470円-270円=1200円

となりますから、ちがいに着目すると

⑫円-⑨円=③円=270円

①円=90円とわかります。

(1470円-90円×12)÷3個=130円

答え 130円

 

それでは、最後の問題です。

 

【問題】共子さんと妹の昨年のお年玉の合計金額は40000円でした。今年のお年玉の金額は昨年と比べて、共子さんは10%、妹は20%それぞれ増えて2人合わせて5000円増えました。共子さんの今年のお年玉の金額は(  )円です。

(横浜共立学園中学校 2022年 問題1-(5))

 

【考え方】

昨年がもとにする量、今年がくらべる量となる「昨年と今年」の問題です

共子さんのお年玉の金額は、

昨年の額:今年増えた額=1:0.1=⑩:①

妹のお年玉の金額は、

昨年の額:今年増えた額=1:0.2=5□:1□

です。

⑩+5□=40000円 … ア

①+1□=5000円 … イ

アの式を5で割ると、

②+1□=8000円

なので、イの式とのちがいから、

②-①=①=8000円-5000円=3000円

となります。

3000円×(10+1)=33000円

答え 33000円

※ イの式を5倍してからアの式と比べてもOKです。

 

本問は「割合」と消去算が融合した定番の問題で、「割合」と「比」の関係が使えるかを確認できる問題でした。

 

今回は2022年度の女子中入試で出された文章題の中から、過不足算と消去算をご紹介しました。

ご紹介した4問のうち3問までが、入試においては正解が必要な問題1で出されています。

習っていても正解できないときは、早めに復習をしておきましょう。

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文章題の練習問題 / 中学入試の算数問題 2022年09月17日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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